***** 2016年2月28日 *****
(独り言)


 「写真集「阿武止氏機関車」の編集過程から得られたこと」。

 碓氷峠浪漫倶楽部の講演会。知る人ぞ知る、というよりそのスジでは有名
と言った方が良い元機関士さんが、あの「阿武止氏機関車」に携わった際の
諸々を話して下さるという・・・・・ムムム、これわ聴かねばならぬ。

 バイクはまだ寒いし電車では動き回り難いしで、結局クルマ。最近故あっ
てエンジンフードが「段付き」になってしまったのの修理も出来たところで、
半分快気祝いがてらのドライブも兼ねてみたり。

 特にトピックも無いまま関越から上信越で横川着。駅前のラックレールの
側溝蓋のギラリを今更感満点でパチリとやったりしつつ、おぎのやドライブ
インが開いたところでまずはと物色に立ち寄る。

 おぎのやオリジナル・トートバッグ、¥1.8Kナリ。青デニムにラバー
プリントと思しき黄色のストライプと、同じく黄色の、釜の蓋を象った、近
年おぎのやで多用しているマーク。ベタベタな感じはかなり薄く、これはこ
れでアリだろう、という感じではあったのだが、うーむ出番あるかな・・・。
珍しく玄米弁当があったので、これを所望。



 まずはざんげ岩と。麻苧の滝はとうに融けてて、最初の鎖場の上にはまだ
氷があったが、登った正面の崖はガラガラと氷柱やらが崩れ落ちてておっか
ない。登山道はドライで残雪なし、予報では結構寒そうだったのだが、風が
無いと案外ポカポカで、ハクキンカイロの発する熱がただただ、鬱陶しい。
背中は蒸れて蒸れてイヤになり、ペース上がらず1時間近くかかって現着。

 今日はSLが来るわけでもなく、まずは運び上げた玄米弁当をパク付く。
玄米独特の歯応えが大好きで、ココだけの話だが釜めしと並んでたら、こっ
ちを取る・・・・・そういえば釜めしの値上げの横で長らく据え置き、いつ
の間にか釜めし1ケ分で2個買える・・・・・ならば2ケ一気食いしても良
いハズで・・・・・そういうロジックなんかい。いやいや今日は1ケだけど。

 見下ろせばまず、「文化むら」内に最近出来た、66.7‰展示。入口か
ら進みアプトくんのアーチを潜った右手に、ラックレールのエントランス部
分の展示がされていたが、アノ部分に勾配を付けていて・・・・・エントラ
ンス部分で既に66.7‰だったかは問うまい(笑)。

 旧本線へ目を移すと、「文化むら」はずれの県道のオーバークロス付近ま
でバラストが白くなっていて、若返り工事は完了した模様。でこれはロクサ
ン体験運転の区間のみ、ということか。ロクサンはロクサンでじゃあもう運
転再開かと思いきや、体験運転の発着の位置に1両留まっていて、その行く
手をモーターカーが遮ってる。どうもそんな雰囲気ではない。

 遠くを望むと峠の湯。失火から2年余りを経て、昨年12月に営業を再開、
3つの棟のうち改修した真ん中だけ、若干色味が違って見えていて・・・・・
今日は寄る時間無さそうだな。



 下山するとまだ若干、時間があるようだったので、殆どピンポンダッシュ
で「文化むら」突入、例の66.7‰を間近に見る。展示線のポイントのす
ぐそばでレールを切って、1m弱程嵩上げして勾配を作っている。ポイント
の先の有効長はもう2m程しか残っておらず、どー考えても入換は不可能に
なってしまったが、ここに連なる線路の、片やクハ189とヨ3500、片
やED42、長らく互いに移ることは無かった気がするので、実際上は問題
なし、か・・・・・ED42をラックレースに噛ませるというのも、試みる
ことすら不可能になってしまったが。

 急いで土産物チェック、書籍の新しいものを発見。みやま文庫「碓氷安中
史帖」「松井田八幡宮祭禮記」「ぐんまの鉄道」の3冊。パラパラと手に取
ると「松井田八幡宮祭禮記」はディープ過ぎて付いて行けそうになく、「ぐ
んまの鉄道」は守備範囲が県域全体なので碓氷線の扱いは小さい印象、「碓
氷安中史帖」だけ求めることにする。気が変わったらまた今度買い足せば良
い・・・・・あるでしょ多分。



 うわもう時間が・・・・・バタバタと横川を後にして、安中市役所松井田
支所に向かう。1年前に設立総会を開催したのと同じ場所だが、部屋は違っ
た。開場から間もなく着いたつもりだったが、受付を済ませて入ってみると
既に満員、追加の椅子を引っ張り出してるところだった。

 幸い峠仲間のM氏がリザーブしててくれて、その隣に納まる・・・・・と、
資料貰いませんでした?、と訊かれ、予想外の盛況に足らなくなってたこと
を知る。

 こんなこともあろうかと、ぢつわ「阿武止氏機関車」を抱えて来てたのだっ
たが、この内容に沿ったわけではなく結局出番はなかった・・・。



 まずは記録映画「ED42からEF63へ」。高崎局協力のクレジットが
入っていたが、他がよく見えなかったので、どこが主体でどういう趣旨で作っ
たものかは判らないが、短歌を交えながらの歴史や風情の描写といい、そこ
はかとなく交通通博物館あたりで観たかもといった作風からすると、国鉄の
PR用映画だったと思われる。タイトルの通り、新線の建設と新旧併用、新
線への切替までの過渡期ならではのシーンが続々と現れて、あれれアプト線
で電車通してたんだっけ?、回送か?、おっ中尾川橋梁だ、ここは上り新線
造る前にアーチを潜ってた国道を付け替えたハズで・・・・・などと、そこ
もう一回!、な連続で。

 続いていよいよ講演会。鉄道開通90周年に当たる1983年刊の「阿武
止氏機関車」の編纂にあたった当時の、苦労話・・・・・と一絡げに言って
しまっては陳腐過ぎるであろう、諸々の史料へのアプローチなどなど。大使
館を通じて海外のメーカーに問い合わせたり、或いは大使館所蔵の文献を当
たるなど、一次資料へ辿って行くのに随分と手間暇をかけたそう。このあた
りは早くもお腹一杯になってしまい、追々反芻が必要であろうか。

 濃いぃ時間は瞬く間に過ぎて、会はお開きに。なんとなく流れで浪漫倶楽
部の方々の雑談を横で聴い・・・・・そうそうここで「阿武止氏機関車」に
出番アリ・・・・・て、よくは判らないが多分他言無用だろナー的なのもあ
りつつ、濃厚なハナシに接し。とにかく元国鉄マンや、土地の人ばかりだか
ら、濃厚なのである。そういえば「阿武止氏機関車」の調査では、国鉄のパ
スが使えたから東京へ出る事も出来た由。自腹じゃ無理だと(笑)。本来業
務ではないから出張にはならないし、しかし職長さんの理解もあって時間は
作れたとか・・・・・ナルホド。あらためて心して、「阿武止氏機関車」を
開かねばなるまい。



 こちらも開きになって、いつもの郷土本漁りにM氏を連れ回し、なし崩し
的に連れメシ。私がざんげ岩で玄米弁当をパク付いていた頃、ロクサン体験
運転の特別授業・・・・・と表すべきか・・・・・を受けていた由。予備知
識はあるものとしてバンバン飛ばすので、付いて行くのが大変らしい(笑)。
今は定位置に止めっ放しのロクサンでも、色々やるようで、今日だったか前
の回だったか、饋電から切られてるらしいロクサンには弱電だけ引き込んで
あって、横軽協調の手順のシミュレーションを見せてくれたとか・・・・・
カメラ忘れたのを、酷く悔んでいて(笑)。そういえばざんげ岩から見降ろ
したカットで、エアフィルタの隙間からケーブル引き込んでるのが見えてた。

 そういえば「碓氷安中史帖」はやっぱり買ってたらしい。私が買う時は棚
には最後の1冊だった(笑)。「ぐんまの鉄道」も確保の由。そうか買った
かあ・・・。

 碓氷を起点に、様々な分野へ手が伸びて行くのは「浪漫倶楽部」の理事長
さんを始めとした方々もそうだったが、M氏はM氏で、碓氷川を下って合流
する利根川にまつわる歴史に最近、ハマっているらしく・・・・・そこか、
そこなのか。



 この日、天正壬午の乱な大河はのっけから、”北条軍は碓氷峠を越え”
・・・・・ぬお。


(終)