***** 2016年11月5日-6日 *****
(独り言)


 2週連続である。

 シェルパくんが走り始めた2005年から、「ホタルの里まつり」に合
わせて行ってきた夜間運行、10年も過ぎた去る8月末に初めて、沿線の
丸山変電所跡のライトアップが行われたが、今度は沿線の紅葉も照らすと
いう。前回は「峠の湯」での催し物との連動企画のようだったが、今回は
ライトアップ自体が主役。

 前回の手応えが良かったのだろうか。それとも、新しいことをやろうと
いう機運の盛り上がり、だろうか。現状維持を後退とする見方になぞれば、
活力を注ぎ続ける取り組みは、良い兆しなのカモ。

 そういえば廃止の前、眼鏡橋に幕垂らして映画上映会なんて、あったな。

 今回のダイヤはほぼ前回を踏襲、ただ通常運行からそのまま突入とはせ
ず、日中の運行を一旦終了した後、日没直後からまた、走り始める。そこ
はライトアップが主役なので。


   ぶ    と
   1700─┐1720
   1750┌┘1730
   1800└┐1820
   1850┌┘1830
   1900└┐1920
   1950┌┘1930
   2000└┐2020
   2050─┘2030

   #ぶ:ぶんかむら と:とうげのゆ


 一方日中の運行では、今日は昼休み抜きで1200発の便がある。紅葉
の丁度良い時期だから、でしょうな。



 さて。

 予報では晴天に恵まれるようで、となるとこれは、先週まだちょっと早
かった眼鏡橋の紅葉のリベンジ・・・・・行くしかないか(溜息)。

 毎度の如く高速乗って、先週と同じく碓氷湖畔に直行。先週と同じく
坂本城址へ、えっちらおっちら。

 紅葉、先週からあまり進んでない気が・・・・・こんなもんだろか。で
はまた来週・・・・・ってそこまではもう、流石にムリ。

 これまた先週と同じく、ざんげ岩登って、ジオラマモードで1/20微
速度撮影。日が高くなると結構な小春日和でポカポカになって、アプトく
んの蒸機のスチームも、今一つ。むぅぅぅ。

 下山して横川SAで昼食など。夕方までの空き時間が微妙な感じなので、
最近整備されたらしい、磯部の簗瀬二子塚古墳を見てくる(笑)。周囲は
住宅があって、玄関開けると目の前に前方後円墳・・・・・いいな。

 戻って峠の湯で一っ風呂。そういや前に見かけた峠の綱引き合戦(まん
ま兵越峠のアレ)のトロフィー、今年も勝って2mの勝ち越しらしいのだ
が、前に置いてあった場所に見当たらなかった。風呂上りに牛乳をグイっ
と行こうと思ったら、自販機故障・・・。

 そろそろ横川へ降りるかと、道すがら上信越道ハープ橋下の霧積川越し
で、通常運転の最終便のシェルパくんの、西日ギラリをまた狙う・・・・・
うーむ先週の方が撮れてたか。



 いよいよ、本日のメイン。

 冷え込みそうなので追加の上着を引っ張り出し、三脚に脚立にガチャガ
チャ言わせながら「アプトの道」を・・・・・朝からアレコレといい加減
草臥れて来て、足取りはやや重い。

 変電所手前までやって来ると、おおやってるやってる。軽トラが3台く
らいいて、まさに支度中。こちらも8月の時のフィードバックをしつつ、
とりあえずの場所取り。準備の様子を窺っていると、どうも8月の時より
装備が増強されてる印象で、やがて明らかになったことには、今回は変電
所建物の妻面にも、しっかり光が回ってる! スバラシイ。

 しかも今日は、雨じゃないし・・・・・泣けてくる好条件である。

 紅葉もライトアップというので、なんとなーくTVで見た「夜桜中継」
級の絵面を想像してしまったが、流石にそこまではなくて、「まるやま」
駅の先に植わってる数本の木を照らして、特別に停車させる「シェルパく
ん」からゆっくり楽しんでください、という趣向のようである。

#「文化むら」ホームページを読み返すと、規模的に最初からそんな風に
#書いてあった。

 位置関係から、変電所建物と紅葉との取り合わせ、ましてやシェルパく
ん共々というのは難しそうだったが、そこは致し方ない。

 しかしである。

 照明スタッフ(?)を別にすれば、撮りに来てこうやって待ってるの、
私しかいないのか・・・? 「文化むら」のホームページでの告知の他に
は、さっき寄った峠の湯の貼り紙くらいしか、その情報に触れてなかった
気がするが、1人、てのはライトアップイベント自体のバリューというよ
り、知られなさ過ぎ、故ではあるまいか? 折角ここまでやって、勿体無
いではないか・・・・・毎度のことながら。



 などと若干の残念感を抱きつつ、暮れる丸山に佇んでいると、同好の士
と思しきおじさんが、やってきた。話の具合や手にしている機材からして、
地元の写真愛好家、であるらしい。ただ三脚は持っていない様子で、手持
ちなのか・・・・・まあそこは最近のデジカメも高感度強いので、或いは
夜景も余裕のよっちゃん、であったりするわけだが。そうそう、このライ
トアップイベント、上毛新聞には載っていたらしい。

 まん前の軽トラはまさかそのままじゃないですよねえ、などと話してい
ると、フォトコンがどうの、と仰った。ああ、そういえば・・・・・地元
でフォトコン、やってるらしいのだ。先日眼鏡橋で催されたシャボン玉大
会や、旧線の遺構が、募集テーマらしい。ならば今日のライトアップも、
あわよくば・・・・・などと考えてしまうところだが、応募要領には、受
賞作品の権利関係お召上げの由が、明記されている。応募するからには受
賞を目指すものだろうが、渾身の1枚が自分の手を離れてしまうとなれば、
こりゃうっかり応募も出来ないナ・・・。

 はさておき、そのおじさんは、シェルパくんのことはあまり気にかけて
ない様子で、紅葉の方へ行ってしまった。日没を迎え、もう暫くで夜汽車
シェルパくんの第1便がやってくる。軽トラは流石に陰へ移動した(笑)。

 まずは下りの後追い。テールランプをピーっと引かせてみる。まだ空が
明るい。返しの上りが丁度良いか、と待ってみたが、その間の30分程は、
長過ぎた。青く沈むオイシイ光線を通り過ぎ、上りが降りて来る頃には、
ただの黒い夜空になっていた(悲)。

 まあ、こればっかりはねえ・・・。



 気を取り直し、同じ場所で第2便の下り。今回これが本命か。

 そしてまた上り。早くもネタ切れ感が漂い始めたが・・・・・って、今
回は建物の妻面もライト当たってるんだってば! 前回8月の時に描いて
いた位置、妻面の正面でかつてコスモスを一杯に入れた位置から、今日こ
そ撮ってやるのである!

 上りのヘッドライトの光跡ピーを狙ってみたが、停車中もなかなかいい
な・・・・・って出来を見たら、こちらの立ち位置が悪く、暗くてよく見
えなかった木が邪魔してた。毎度ながらこの、詰めの甘さよ・・・。

 最終便は乗るつもりでいたが、色々考えて結局、最後までここで撮って
いた。途中、数人程三脚据えてる人や、他にも手持ちで撮ってる人を見か
けたが、暗闇ということもあってか競合するようなことがまるでなく、先
のコンテストが動機の人はいたかもしれないが、撮り鉄アプローチで臨ん
でいるのは、どうやら私だけなのかもしれづ。

 照明が落ちる前に帰り支度を済ませ、撤収にかかるスタッフにお礼方々
の会釈して、横川方面へ戻る。途中、早くも片付けた軽トラの車列に追い
越された。凄い手際だな。

 やー、終わった。とにかく雨でなかっただけでも、有難い。こう続くと
また、やってくれそうな気もしてくる・・・・・撮り直したいのもあるし、
優先順位的に後回しなのもあるし。ホタルの里まつりが来年も無事に続い
てくれたら(今年が最後かも的な話は結局どうなったんだろう)、今度か
らは照らすかな。すると照らしてなかった頃が逆に、貴重になるな(笑)。



 翌朝。

 まだいたのである。

 またまた坂本城址へ。眼鏡橋の紅葉のリベンジのリベンジである。昨日
の今日でそう変わるもんかい、というハナシになりそうなところだが、どっ
こい、違うんである。時間帯が。光線が。

 まだ薄暗いうちに碓氷湖畔に乗り付け、城跡の山の上で、日の出を迎え
た。朝焼けはさほどでもなかったものの、紅葉の山が、紅い朝日に映える。
そのままデイライトで撮っても、紅い。トーン調整で盛る必要も無い。(ぉ
ここはベルビアで、いやいやフォルティアで、撮りたかったなあ。

 尾根の陰にあった眼鏡橋に、端から次第に光が射す。それが半分程まで
来たところで、次に新線の橋に射し始める・・・・・20年前、最後の季
節で迎えたあの朝から、そのまま飛び越してきたような、追体験。



 昨日と同じ位の光線状態まで撮り続けたところで、ふと思い立って、帰
る方と逆に、先へ進んだ。

 坂本ダム。碓氷川の3本の橋は手前の尾根に大分隠れてしまうが、さら
に手前の碓氷湖を交えて、狙える場所があった。全くの気紛れで下調べも
なく、記憶も大分あやふやだったが、ここだったか、ここだったかと進ん
で行き、どうやらそれらしき「窓」を見付けた。湖面の深い青と、紅葉の
コントラストが映える。手前に坂本ダムの提体が正面がちに見えているも
のの、記憶違いか歳月によるものか、木々の枝がかかって、全部クリアに
入れるのは困難だったが、とはいえ枝がちょっとかかる位が、臨場感があ
るというもの。

 提体は今自分のいる尾根の陰の中にあって、遠景との露出の兼ね合いを
思案しながら、ぱちりぱちりと。もうちょっと、もうちょっとと言ううち、
結局提体全体に日が当たるまで粘ってしまい。

 なんだかんだで、山の上で3時間(笑)。



 関越が混みだす前にさっさと帰る算段だったが、碓氷旧道くらいは走っ
ておかねばと、全開のサンルーフに紅葉を愛でつつ・・・・・こんな日だ
から、前が閊えてもちっともストレスにならづ。軽井沢では偶然にも、
「ろくもん」が見えたのでぱちり。ED42 2も見て、調子付いて北軽
から回って紅葉ドライブを続け、八ツ場ダムの様子を・・・・・いつの間
にか、上から覗くお立ち台が出来ていた。

 そのまま関越の渋滞の前を逃げ切るつもりが、まさかの事故渋滞。ヘト
ヘトである・・・。



(終)