***** 2021年5月15日 *****
(独り言)


 シンカリオンZ、てのが始まって。

 今回は横川が舞台の由。新幹線との関係性で言えば因縁のある土地、
「ザイライナー」なるものの登場はついついその文脈で勘繰ってしまうの
だが、まあ JR東がしっかり噛んでるところへ、それはないな(笑)。

 ていうか登場人物が「碓氷アブト」って、こらまたベタなキラキラネー
ム。ほんとは阿武止と書くのか、片仮名オンリーなのかは不明。他に十河
サンだの島サンだの、これわこれわ・・・。

 その第1話。冒頭の横川アプローチから龍駒山が見えざんげ岩も見え、
おぎのやドライブインには青のシルエイティと 86トレノが、といった小
ネタも見逃さなかったが(笑)、丸山から眼鏡橋まで駆けっこしてる少年
らのタフさもさておき、鉄道文化むらから何から実名で登場。がっつりご
当地、アニメながらロケ地と言っても過言ではないのだったが、このへん
はコラボ企画なんかも折込済みなんでしょうかね。肖らないテはないと思
うのだけど。



 さて。

 「横川ナイトパーク」である。

 以前企画されたものの天候か何かで流れてしまったことがあった気もし
つつ、ともあれ今回が初めてだそうである。「シェルパくん」は運転開始
の年から「ホタルの里まつり」に合わせ夜間の運行がされたことに始まり、
さらに発展して近年は単独の夜汽車企画や、そこへロクサンのライトアッ
プを加えてみたりと、これまでの試み、歩みは見てきたが、それがいよい
よ園内全体の「ナイトパーク」まで発展したわけである。

 勿論園内のみならず、夜汽車シェルパくんの運行に、丸山変電所のライ
トアップも加わる・・・・・こりゃ回り切れないゾ、いや天候次第じゃ、
ざんげ岩か。俯瞰、撮り直したいのよ。

 しかし世はコロナ禍にあった。その動向を見ながらの判断であったのだ
ろう、日程が近くなると、規模の縮小のアナウンスがなされた。丸山のラ
イトアップとシェルパくんの運行は、キャンセル。あうー。一方ロクサン
のデモ運転は残る模様。園内に絞り込むということで、概ね妥当か。



 こんな折であるので現地へは昨夏以来、桜の季節に一度訪ねたきりなの
だったが、今日ばかりは是非に及ばづ。揺れる予報にヤキモキしたが、幸
い雨の心配もどうにかなさげ。朝からあれこれ欲張ることはしないで、昼
過ぎにでも現着でいいかと、のんびり出発して関越上信越といつものコー
スで、横川着。

 丸山へ向かう直線入口付近の桜並木、これ先月の訪問でざんげ岩から撮っ
てたのだが、あらためて近くで見る。この桜は廃止後に植えられたものだ
が、20年程を経て立派に育った。片側だけなのでトンネルとまでは行かな
いものの、もう覆い被さらんばかりの勢い。来春は、こっちからどうかな。

 おぎのやドライブインの方も偵察に行くと、青のシルエイティ、先月は
消えていたのが、また戻ってきた・・・・・いや、ちょっと趣が違う。頭
文字D のイラストがなくなってるのは権利関係なのか、ホイールもナンバー
も違うし、そもそもこれ、前と同じ個体なんだろうか?



 うだうだやってるうちに、おっとそろそろ行かねば・・・。

 無論、ざんげ岩から夜景の俯瞰である。前回・・・・・3年半前・・・・・
はバテバテだったので、見越して軽くした荷物以上に気は重いのだが、前
より楽なハズだ、と自らに言い聞かせる。

 幸い、雨上がりというわけでもなく足下は乾いていて、蛭をピンピン弾
きながらというのは免れたが、最低限のカメラとレンズに、三脚 1本・・・・・
四半世紀前にざんげ岩用に買ったジッツォ126・・・・・この 1本が加わっ
ただけで、ひいひい言ってる、己の衰えのどうしようもなさを噛み締めつ
つ、ざんげ岩着。あー。あー。あー。

 今日は誰かいそうだよナ、と警戒してたのだが(笑)、杞憂であった。

 一息ついた頃、遠くに汽笛が聞こえた。「SL横川ナイトパーク号」であ
る。生憎大気の抜けはよろしくなかったが、下横川踏切付近や横川駅構内
の、ギャラリーの賑わいなど、ぱちり、ぱちり。

 メインは日没後。暮れそうで暮れない横川を見下ろしながら、またうだ
うだ過ごす・・・・・やっぱり誰も来ないねえ。



 やがて日没を迎え、ぽつ、ぽつ、と灯された照明や灯火類が、次第々々
に沈む情景の中で浮かび上がってくる。さてこちらもぼちぼち始めますか。
見ると結構人、入ってますな。敷地の中からも外からも、ロクサンの往来
を狙ってる。

 更に待つと、いよいよアーベントロートな情景。展示車両達の青っぽい
屋根と、照明やヘッドライトのタングステン色、街灯が照らす芝の緑に、
赤く流れるロクサンのテールライト。いいねえ。いいわあ。独りバルブ大
会、ウハウハ。独り占めして勿体ないやら申し訳ないやら。

 ワタワタと撮ってるうちに夜陰は深くなり、光線的においしい時間帯は
終了。あらためて横川駅に目を向けると、D51を繋いだままの返しの「EL
横川ナイトパーク号」が3番ホームに佇んでいる。

 今更ながら横川駅の 3番 4番のホーム、大部分の屋根を取り払ってしまっ
たので、これまでは 3番に入られたら、ざんげ岩からは顔だけ見えるのが
やっとだったのが、跨線橋付近以外ほぼ見通せるようになった。そして今
宵の「EL横川ナイトパーク号」も、ホームの照明に浮かび上がって、編成
で綺麗に見える。

 現役時代、「シュプール」号などをここから撮ったこと・・・・・最終
「あさま37号」も・・・・・があった。それは 4番ホーム側だったから、
編成は綺麗に入る半面、ホームと反対側なので照明が弱かったのだが、今
の 3番は夜のホームの情緒共々、綺麗に見える。いいなこれ。



 「EL横川ナイトパーク号」の発車を見送り、「ナイトパーク」はまだ少
し時間が残っていたが、いよいよ真っ暗になってきたので、早めに切り上
げる。下りだけ夜道になるが、四半世紀通い慣れた道だ。道に迷うことよ
りも、フラついたり転んだりの方が怖い昨今なのだが(汗)。あと獣。

 ナイトパーク、手応えあればまた、やってくれるだろうか。費用がかか
るのは傍目にも明らかなのだけど、こういう活動は目先の成果に留まらず、
じわじわと世のマインドを掴む性質のものと思う。近年になってここ界隈
の空気も変わってきて、放置或いは現状維持に留まったものが、「資源」
として見直されてる様子がある。20年も過ぎれば、世代交代もある、か。

(終)