2002.6.26 丘珠
 目覚めがちと辛かったが、ここで起動失敗しては訪問の意義そのものがすっ飛ぶ。這い出てシャワー。ようやく回り出す。 チェックアウトすると、さすが朝は北海道、吐く息も白い。今日は涼しく行けるんだろか・・・。今回は搭乗するわけじゃないから時間的には少々余裕アリ。 初電(これがちと遅いが)の20分くらい後の電車で栄町へ。まずは道すがらつどーむから、昨日の続きの3機並びを狙ってみたり。陽炎でヨレヨレ。 空は白濁、陽射しも弱い。今日は抜けも悪いカモ。これもそこそこに、ターミナルへ向かう。送迎デッキからまたまたパノラマでウハウハ。 そういえば昨日と向きが違う。風向きは南の方。石狩湾とも程近いから、朝のうちは陸風ということになるのであろう・・・。

 さてまだ人気(ひとけ)の無いところで、送迎デッキから今回最初の生録を。陸自やら何やらのヘリや小型機の動向に左右されるところなれど、 どうにか始動〜タキシング開始のを録れた・・・感じ。やや際どかったか。電車のモーターのような音の後、ぼうん、とこれは点火の音か、 ひゅおぉぉぉぉぉ・・・と回転が上がっていく。くぅぅぅ。時折ぼふっ、ぼふっ、と黒煙を吐くのがちと怖いが(笑)、その音に聞き惚れる。 生録も大事だけれど、このライヴ感覚ばかりは生録じゃ残せないなあ・・・。

 ときに、以前丘珠で生録してて、妙なノイズが入ってて萎えたのであった。んびっ、んびっ、とバッテリー切れの瞬間のような音が、周期的に。 使ってるのはMDウォークマン。調子悪いんじゃねえかと訝った。今回その時のより1つ前の世代のMDウォークマンを用意してみたのだが、再生してみると、 これがまた入る。いや、モニターしてても聞こえてくる。ん、まてよ・・・・・あっ、くるくるレーダーがこっち向いた瞬間に入るんだ!  カメラのIS(手ブレ補正機構)も誤動作したが、こっちも電波障害だったか・・・・・勘弁してくれよ。食らうのはマイクなのか、本体なのか、 ケーブルか。アナログ機材ならまた違うのだろか・・・。

 そこそこ録ったところで、またつどーむ。こちらでも朝の人気(ひとけ)の無いうちに・・・・・と思ったらミニゴルフの方々が続々と。 そーかスタート時刻的にそんな頃合か。彼らを避けるように、お立ち台の丘の陰になるようにマイクを据え、己は丘の反対側に回ってターミナル方向を睨む。 敷地の中で陸自らしき人たちがジョギングしていて、その足音が入りそうだけど、この際気にすまい。やがて向こうの方でひゅおぉぉぉぉ・・・とエンジン始動。 よし。犬の散歩の人がこっちに来そうでヒヤヒヤしつつ、YSの動向をじっと見守る。くるりと向きを変え、さてどっちへ向かう・・・ん、こっちに来た。 よしよし。陸自のハンガーを横切って、滑走路に対して斜めのタクシーウェイを向かってくる。エンジン音はますます高く、耳を劈く。目の前を過ぎ、 滑走路に入り際、完全にこちらへお尻を向けた。風が吹いて来る・・・・・うう、マイク大丈夫か? 180°ターンを経て、いざ、離陸。ぶおんんんんんんん ・・・・・後ろ側にいると、何故か音があまり聞こえなくなるのだなこれが。ポジションに一考。

 滑走路北端に移動。麦畑の上を掠めて降りて来る姿を超広角で、振り向きざま脚立に乗って超望遠で後姿を狙う。忙しい・・・というか己の能力の限界を想う。 そんなに器用じゃないのである。2、3便撮るうち、風向きが変わってしまった。麦畑でネタが思い付いたのだが後の祭り。離陸の様では相手が高く小さ過ぎる。 口惜しや。空はいつしかピーカンに。昨日ほどのカリカリではないけれど、気持ちの良い空。

 さて昨日の課題。滑走路南端探索である・・・。風向きも変わったことだしと、滑走路の逆サイに回って、南下。こちら側はこの1年間変わってない様子。 まっすぐな道をひたすら歩き・・・・・あー、かったりぃ。む、どうにか近くまで来られるでないの。ナルホド。うーむうむうむ。 とりあえずこのへんで着陸狙いと、生録。ずっと、今度は海風(?)が吹き付けるので、リュックを防風林代わりにしてあれやこれやと。 音場がおかしくならぬよう・・・。風音を完全に消すことはできなかったが、マイク回りのノウハウはそこそこ蓄積できたかな・・・。

 再び来た道を戻り、初めての訪問でチェック入れてた木立なんぞからめてぱちり。最初の時は木の下に駐車したクルマが邪魔でしょーもなかったのだが、 今回なんと、見てる前で走り出した。日頃の行いか? スバラシイ。次までの時間が空いたので、つどーむ(建物)の中でまったりと休憩。腕や顔を洗って、 アイス買って、靴脱いで、ああ、生き返る・・・・・・・・かれこれ1時間、生えてきた根っこを引き千切るようにして、再び北端へ。光線がもう西日のそれ。 畦道に寝転んで風向き的に不本意ながら麦ネタ、また木立のところでぱちり。超望遠で着陸を狙って、今度は一気にターミナルまで戻る。

 先ほど着陸した機体の寝支度を見ようと思ったのだが、如何せん徒歩では遅過ぎた。既に3舵の赤いストッパーは嵌められて、カバーを開けてエンジンを点検中。 あーあ・・・・・と! 1機、片方の主脚のタイヤを1本外して何やら整備中。恐らくブレーキパッドの交換と思われたが、絵面的にこれは判りやすい。 パチパチ。送迎デッキには他に2、3人ほど同志(笑)。動きも無いのに出たり入ったり、よく分からないが、ともかくこっちはこっちでパチパチやる。 残るは函館からの最終便だけ。それを外で狙うつもりだったのだけれど、どうしようかな、ここでも良いかななーんか面倒臭くなってきたし・・・・・ そこへ守衛のおじさん登場。「もう閉めたいんだけどねえ」。え、駄目ですか(汗)。1年前は、こっちが恐れ入るほど暗くなってもOKだったのに ・・・・・そもそも開放時間がはっきりしていないのがアレなんだけど。

 かくなる上は仕方が無い。今ならまだ間に合う。そそくさと荷物を纏めて外へ出る。滑走路の南端の延長の最初に当たる道路、そこまで出て、 たしか空から見た感じでは畑ばっかだったハズ、とその記憶を拠り所にずんずん進む。地図と見比べ、よしこのへんだろうと脇道へ入ると果たして畑。 アプローチしてくる方角はばっちり空が開けている。よしよし、いつでもかかってきなさい。

 舗装された農道なれど、すぐそばで畑仕事をしている人達に妙に気遣いつつ、やがて南東の空に輝く着陸灯。むむ、どうも進路の真下に立ってるらしい。 ちょっとズレていたかったので慌てて移動。あ、ビニールハウスにかかる! よしこっちだ。やべぇ、やべぇ、うう露出が足らん、絞り優先AEだなこれは ・・・・・よーし、ぶぃぃぃぃぃぃぉぉぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅぅんんん・・・・・よしよし、まあまあかな。やがて機体はオレンジ色に輝きだした。 そーかギラリがあったんだ! シカーモ、直前に絞り優先AEに切り替えたのを忘れていたので、気づいた時には絞り開放のまま、ピンは浅いまま、 シャッターだけ意味も無くどんどん速くなっていた・・・・・あうー、失敗だあ(泣)。そんな地上での浮き足立ちをよそに、YSは輝きながら、 ゆったりと舞い降りて行く。美しい・・・・・それを目の当たりに眺めることは、幸福だった。幸福なのだけれど、やっぱり失敗が痛い。どうするよ・・・・・なにがだ。