整理整頓とはおよそ馴染まぬ性分、荷作りは今回もえらく手間取り、アレが無い、コレが無い、などとやっているうちに睡眠の為に残された時間は2時間を切った。 毎度毎度同じ局面に見舞われながら、そしてまた同じ繰り返し。学習・・・ネズミ以下かい。はっ、と再起動がかかるは、 目覚ましの鳴る直前。こういう時の緊張を、他でも発揮したらどうかと、身近な人間に言われたりもする。どうにも、なんだか、 脳内でどっかがアンバランスなのカモ(汗)。アンバランスゾーン・・・・・これからの30分、貴方の目は貴方の身体を離れ・・・・・いかん、二度寝するところだった。
モタモタしているうちに、京急電車の乗るつもりだったスジに乗り損なう。次を待つとこれが物凄く後になってしまい、羽田に着けばこれまた混雑。 ああ、超割最終日でしかも、連休を控えた金曜日だからか! ともかく、チェックインの列に並ぶ、やべぇ、やべぇ、と焦っているところへ、 「函館行851便のお客様いらっしゃいますかぁ。函館行・・・」はいはいはいはいっ! 助かったぁ。ちょっとごめんなさいよぉ、 列をすり抜け前に出る。荷物を検査機に通し、カウンターへ。やれやれ。
ほっと溜息をついていると今し方呼んだ同じ人がやって来て、荷物は締め切りました、と告げた。・・・へ? リュックに三脚に脚立、 預けるつもりだったのに。機内持ち込み用にショルダーバッグとカメラも出しちゃったよ・・・・・呼ぶならもっと早く呼んでくれりゃあいいものを・・・・・ ま、ギリギリに来た時点でアレである。致し方あるまい。ともあれチェックインを済ませ、荷物を引き摺り先を急ぐ。手荷物検査、 三脚は「危険物」と見なされ取り上げられた。なんか屈辱的。うーむ面倒になってきたな。搭乗口で荷物を預けるようにとのことなので、 改札(?)でその旨伝え。中身は?、カメラです、では壊れても文句言わない誓約書にサインを・・・・・とその紙キレが無いらしくどこかへ走る係員。 イチイチ引っかかるねぇ今日は、と呆れながらも、己の遅刻に起因することを思えばただただ、申し訳なく。のたくり書体でサインをし、 ボーディング・ブリッジを急ぎ、機内へ。まだ自席へ辿り着けぬ乗客が通路に大勢、内心ほっ。あった、ここだ。前の方でラッキー。 「当機は只今、搭乗のお客様をお待ちしていたため・・・」私はもう座ったさ。ホラホラ、みんな早く座ろうね。(ぉぃ
にしても、この便何度か乗ってるけれど、今回はいつに無く大混雑。今まででは、見渡す限り1/2か1/3くらいしか埋まってなくて、 好きな席へ移動してくつろげたのに。やはり超割最終日&連休接続、の威力か。やがてプッシュバック。ここからしばし、勝負。 いやホレ、どこかにYSの姿を認めるかもしれないじゃん。窓枠に顔を嵌め込むようにして、外を窺う。機は機種を北に向ける。 続々と離陸するは16L/R、北へ向かうこの機は、きっと16Lだろう・・・。エプロンを横目に進むも、ダッシュ8は見えたがYSはいない様子。 道路を渡りC滑走路へ向かう。滑走路に進入し曲がり切るなり止まりもせず加速開始、やがて地面が斜めに遠ざかる。
と。
おおっ、地上にYSと思しき姿が。A滑走路南端付近の、ANAのハンガー前のエプロン。よーし、見えたぁっ! これまでの経緯から、 見るとしたらあそこだろうと思っていたが、いやま、そんだけ。にしてもアレは、既に退役したJA8722なのか、他の機体か・・・・・ (あとで聞くところによれば、ANKマークが消された状態らしい)。
函館着。荷物が最初に出てきた。ははーん、ナルホドねえ・・・・・いや、これっきりにしたい。荷物を受け取り、 丘珠行きのチェックインに直行・・・・・これがまたここで混雑。今日はホント、どうしたんだろ。外国語やらが大声で飛び交う中、 すぐそこに見える荷物検査機までの遠いこと。ようやく荷物を預け、待合室へ直行。起きてから何も食べていないので、サンドイッチなどつまんで一息。 丘珠からのYSが着くのを迎える。JA8744・・・また乗ったことある機体か。しばらくして、今度はロシアの飛行機が到着・・・をを、 アントノフだっけか、とガラス越しに窺うと、727を小さくしたようなジェット機がやって来た。あれがそうなんだろか。 予備知識が無いのが辛い・・・・・(曜日的には、サハリン航空のアントノフが来る日らしかったが、時刻が早く、機材もウラジオストク航空ヤコブレフ40のよう・・・臨時便?)。
放送で呼ばれる。何か悪いことしたカナ、と心当たりも無いのに漠然とした不安・・・。チェックインカウンターまで来てくれとのこと。 あ、さっきの777の座席にレンズキャップ忘れたんだ!、すげえな判っちゃうんだ、などと勝手な期待もするも、こちとら既に待合室、どうすんだ。 とりあえず搭乗ゲートの人に訊くと、カウンターに問い合わせてくれた。なんでも今度の便が満席なので、ANAの「フレックスパートナー」とやらで譲ってくれないか、 との話。ああ、そういえばそんな登録していたわ・・・・・席を譲り他の便に変えるとお金をくれるのである。うーみゅ、帰りの便なんかで、 そういう局面を期待していたのだけど、今かぁ、今は困るな。これから現地へ乗り込むところなのだから・・・・・申し訳ないけど今回お断り。 因みに幾ら貰えるものなのかと問えば、¥10Kと。超割¥7Kで乗るのに¥10K貰ったら、こりゃ大変だぞ!? アテ外れのキャップの方は、 札幌のヨドバシで買うしか無さそうだ・・・。
搭乗。函館から乗る回数は、羽田のそれを越えているような気が。いつものようにエプロンへ降りる。さっきのロシア機を横目に、YSに向かう。 天気は上々、もうあまりパチパチ撮る事も無いのだけど、今回は新兵器「撮れっきりコニカ・ワイワイワイド」持参、17mmのアレである。 こいつで自分撮りしながら前進(笑)。傍目は気にすまい。
今回の座席は3D、プロペラのすぐ横、窓が一つ塞がっている席。以前3Aに乗ったことがあったけれど、その騒音といったら、 恐らくキャビン内一に違いない(笑)。やがていつもの手順で、エンジン始動、タキシング、そして東向きに離陸。雲が多く、雲海の上を飛ぶ。 流れる雲と、ぶーんと回るプロペラを眺めて過ごす。まったりと時間は過ぎて行き、高度が下がってきて、下に街が見えた。札幌市。 高層ビルがポンポン見えるのは、駅前の辺りか。ならばと目で追っていくと・・・・・ああ、あれだ、つどーむ。朝の光にキラリと光る。 これを遠く右に見ながら、飛行機は一旦石狩湾へ出て、右旋回、再び陸上に戻ると、見る見る地面が迫ってきて、もう丘珠。滑走路上に入り際、 気になる麦畑をチェックするも、さすがにもう土しか見えづ・・・来年撮り直すしかないのか・・・・・と、タッチ・ダウン。 いつもの営みに便乗しているという、淡々とした実感。タキシーウェイ脇にビデオカメラのクルーが。はてさて?
また「ワイワイワイド」で自分撮りしながら(笑)エプロンを進み、空港ターミナルへ。送迎デッキにはぽつぽつと、ギャラリーが。 荷物を受け取り早速上へ出る。今乗ってきたJA8744が直にまた出発するので、これを見送ろうと。他のギャラリーもYS狙いなのかと思えば、 どうも視線がおかしい(笑)。スチルにビデオに、皆遠く滑走路の端を睨んでいるので、はてと思えば、小さ複葉機が見えた。ぶーん、と飛び上がって、 早速上空でくるくる回り出す。ををを、ロック岩崎のペアじゃん。ナルホド、ギャラリーはこれがお目当てというわけか。明後日のイベントに向けて、 着々と。お、スモークを出してんじゃん、ならばと、YSのバックにぱちり。
やがて降りてきて、エプロンの隅で何やら盛り上がってる風。さっきのビデオのクルーもやっぱりこちらの取材らしい。入れ替わりにYS出発。 そのまた入れ替わりにダッシュ8「すずらん」が降りてきて、続けてYSが降りてきて「ひまわり」「すずらん」と3機並び。過渡期、を象徴するカット。 ・・・今にして気付いたコト。そっかダッシュ8は補助エンジンが付いてたんだった。止まってからが五月蝿いのね、意外と。これは発見・・・・・ちうか、 このヒトのいない時じゃないと、もう生録は苦しい。
そろそろ滑走路南端へ移動・・・・・2階まで降りて来た時、前回訪問で観た写真展がまだ開催中であることを知る。そろそろ他も観たいカナ、 と内心勝手なリクエスト。にしても、やっぱすげーな・・・。さて、工事現場を迂回するとなると、どう回り込んだものか・・・・・歩くこと30分、 ふう。その頃になるとなんか、陰ってきて光線が苦しい。1便だけ撮って、うーん・・・・・そうこうするうち、ぽつん、ぽつん・・・・・ありゃ。 もういいや、とターミナルへ取って返す。ぽつぽつぽつぽつ・・・・・ありゃりゃりゃ。 予報に雨の気配も無かったから、これが雨具も持って来ていなかったり。ともかく急いで歩くしかない。くぅぅ。
気配に空を見上げれば、またロックが飛んでる。通りすがりに気付いた人が、皆空を見る。食料調達に立ち寄ったコンビニでは、 前の駐車場で営業の外回りらしき兄ちゃんが「おーおーおー」と見上げてる。古き良きというか、ある種の意外性と、そして憧れと・・・・・ ヒコーキがそんな存在だった頃を、ふと想ってみたり。
戦意喪失気味、ターミナル屋上でぼーっと過ごす。だって曇っちゃってるし。・・・・・そうこうするうちにまた日が射してきて、 エプロンのYSも午後の光に輝きだす。せめて夕方のギラリだけでも狙うとするか、と根っこの生えかかったところをまた滑走路南端付近へ移動・・・・・まあ、 今日はこれでも、まだそんなに歩いていない方では、ある。ダイヤ上では16:45着の函館からの便。このへんか、このへんか、と場所を決めて、 西の空の雲の動きを気にしながら、待つ。やがて、北から東の空を回りこんで来る機影が見えた。よーし陰るなよ、陰るなよ・・・・・いよいよ最後の旋回を終えて、 着陸灯が輝く。よーしそのまま、そのまま・・・・・びぃぃぃぃぃぃぃぉぉぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅんんんんんんん・・・・・エンジン・ナセルがギラリと光る。 背景の深く青ざめた雲に、映える。まだ日が高いけれど、それは致し方ないか。撮れたか。どうか。どうだろな。
と。
東の空に虹。狐の嫁入り・・・・・頭上は晴れているのだけど、西の方に怪しい雲、時折パラパラと来るのだけれど、一方でそんなオマケが。 広い場所だけあって、アーチが丸ごと見渡せる。お、とここでまた「ワイワイワイド」を取り出す。ををを、さすが17mm、入る入る(笑)。大活躍だなこれ。
次までの間、本でも読もうかといってもぽつぽつ来るので、雲を眺めたりしてぼーっと過ごす。なんだか至福。時に単機で、 時に編隊でローパスを繰り返す、ジェットやプロペラの小型機、これも「航空ページェント」のリハーサルか。なんか良いな、この時間の流れ方。
事前に調べたところによれば、日没は17:50、稚内からの便の到着が18:05、前倒し傾向があるにせよ、やや微妙なトコロ。西日ギラリは間に合わないにしても、 夕焼けと絡められないか・・・しかしこの雲では、どうか。そうこうするうちにやがて日暮れ。雲は多いが細切れの綿雲、空のグラデーションに表情をつけてくれる。 悪くないじゃん。いつしか滑走路にも灯が入り、振り返れば着陸灯が見えた。ほぼ真下から、グラデーション主体で後追いで狙ってみる。 びぃぃぉぉぅぅんんんん・・・くぅぅ。背後からの押し潰されそうな気配に耐えながら、フレームに入るなり連写。むむむ。 ぶぉぉぉぉ・・・向こうで音が変わる。余韻・・・・・緊張からの解放。青みを残した夕闇に、綿雲のシルエットがゆっくり流れる。
終了。ここまで来ると駅までは遠いかなと、バス。既にバス停で時刻はチェック済である。んで通りまで出て歩いていると、近付いてくる着陸灯が。
はてさて、函館発の終便のダッシュ8にも、まだ早過ぎる・・・・・おおっ、YSだあ。なんで? なんで? ダイヤの乱れは無かったハズ
・・・・・まさか「航空ページェント」展示用かえ!? なす術も無く、見送る・・・。夕飯からや氏合流、千歳で怪しいYSを目撃とのこと。むむむ。