長居は無用、とイベント会場入口、陸自駐屯地正門へ。既に列がずらずら〜。あれれ空港ターミナル側にも入口があったハズだよな、 とそちらへ行けばこれが係の人以外誰もいない。はて、と訊ねるとたしかにこちらも開門時間は同じとのこと。みんなあっちに並んでるし、 入ってから遠回りなのかな、とも思えたけれど、お目当ては空港ターミナルの方角だから(笑)、多分こっちの方が近いんだと、思う・・・。 そのうち後ろにぞろぞろ並び始める。最初に並ぶというのは、ちょっと度胸でも要るんだろか。
やがて開門。走りはしないものの急いで歩く。正門からもぞろぞろ入って来るのが見えた。目標はハッキリしている、 そちらへ向かってずんずん進むのみ。ハンガーの脇を抜けて右折、空港ターミナルの方へ向かって、 展示機JA8772のYSもとりあえず横目に過ぎ、ロープの張られた際まで来た。生憎YSやダッシュ8はこちらにお尻を向けていたが、 しかしこのローアングルでの、スナップなりタキシング狙いなりは出来るだろう。所期の目的はどうやら達成、 ウハウハである・・・・・で、後から後からお客は入ってくるのだけど、殆どこっちに来ない(笑)。
しかし、いくら際まで来たとはいえ、やはり遠いのである、400mmの超望遠にテレコンを加えても、なかなか厳しい。 しかも逆光である。とりあえず乗り込もうとする乗務員をシルエット気味で狙ったりもしたけれど、 これもあとで大分トリミングを要するであろう。現実は厳しかった・・・・・くぅぅ。
一段落したところで、展示機のYSの前で何やら売っているのを見る。雑誌だの、航空地図(ての?)だの、 そしてYSの部品・・・・・ってどれもこれも良いお値段なので、これはもう、見るだけ。輪切りのプロペラがあるもん・・・。 で、航空地図は¥50というので、数枚所望。ド素人が見て解るものでもないけれど、羽田に福岡に伊丹に、 その周辺を指で辿るだけでも、なんかこう、ヒコーキ達の日々の営みに、ちょっと近付けるような気がするから・・・。
その横でYSの形を模した、筏。「豊平川イカダ下り大会」で最優秀実行委員長賞、という賞状も。タイムリーな話題性云々、 と書いてある(笑)。「エアーニッポンさよならYSキャンペーンプロジェクト」なるチーム名・・・・・長い(笑)。 しかし長いこと一線張って来た機材、その愛着を思うと、ホロリと来るものがあり・・・・・ペットボトルから作ったらしきプロペラが、 風を受けてカラカラ回っていた。
さらにYSをバックに記念撮影。制服の上着と帽子を貸してくれるというので、それ着て、や氏に撮ってもらう。ご満悦。 横縞のTシャツ着てたものだから、どちらかというと、船乗りの風情(笑)。 昨日乗ったばかりだしべつに強く望んでいたものでもないのだけど、一応、中の見学は出来ないのですかと訊ねれば、 昨今のご時世で防犯上出来ない由。まあ、そうカモ。「安全のしおり」とか抜かれまくっても困るだろうし(笑)。(ぉ
そうこうするうち、いよいよロック岩崎の登場。スモークを引いてくるくる回るところなど、このYSと絡められないものかと、 思案していたのである。一昨日、昨日と、技のバリエーションやリズムはなんとなく覚えた。でわでわ・・・・・意外と難しいのね、これ。 なかなか良い感じにまとまらづ。まあ、思い出としては残せたものと、思うことにして・・・。ところで最後にかかるBGM、 この鼻に付く雄大さ(笑)はビル・コンティの「南軍と北軍」(どんなドラマか知らん)のテーマではないか。ふーむ。 あのブルーインパルスは「ライトスタッフ」で締める。同じCDかい(笑)。
そこそこに楽しんだところで、会場を出てしつこく滑走路南端へ。ぐおーん、と降りて行く後姿、ありふれた絵面といえども、 やっぱり自分でも撮ってみたい・・・・・まあそんな。しかしどうも、手応えがどうも・・・。
また会場に戻ると、今度はSu−26のアクロバットが始まったので、またYSとからめてみる。んー。一息ついていると、 YSの前にCAのおねいさん達が4人並んで見てる。仕事の合間に遊びに来た? と、匂いを嗅ぎつけたか、ワラワラと野郎共が群がって、 どこぞのイベントのコンパニオンよろしく撮影会に。あー(爆)。どっかのヒコーキ雑誌に載りそうだな・・・。
ターミナル前のYSの向きがこちら向きに変わってる。おーし、と勇んで出発のスナップなどするも、 どうかな、どうかな・・・・・なんかもう、ここぞという所で動いちゃうわ、手前に人が来て被るわ、もうなんか、手応えに滅入るばかり。 やはり、一朝一夕には行かないものか・・・・・ちうか、そもそもプロカメラマンが「取材」の立場で良い場所で撮るのと、 腕や機材の差(それはもう埋めようも無い差)もさることながら、立てる位置から取れる時間から、制約が違い過ぎるわけで、 多くは望むべきではない、のであろう。解っちゃいるんだけどサ。まあ、そんな言い訳のような愚痴のようなことはホドホドに、 己の身の程というものに合った、写真を探して行くしかない、のであろう・・・。鉄道を撮ってても、そうだったじゃないか。
F−14が飛んで来た。そういやあんまり見たこと無かった気も。空中給油のデモ、いよいよ近付いて、 頭上で連結するかとこれがうまく行かず、飛び去る。これで終わり。スピーカーから米軍の人らしき声、英語の簡単なところだけ聞き取れた。 「こんな時こう言うんですよ、”うぅーぷす”」(笑)。その後も次々と頭上を過ぎる飛行機、長玉の放列がこれを追う。 そんな情景を、ちょっと引いたところから眺めつつ、やがて終わる祭りの、そして今日の日の残された時間を、想った。 もう少し、もう少しだけでも、己の中に染み込ませて帰りたい・・・・・賑わいの中に、そこはかとない切なさを味わいつつ。
進行役の声がスピーカーから流れる。「航空ページェントは2年に一度の催しです。次回にはもう、そこにYS−11の姿はありません。 どうかよく目に焼き付けて行ってください・・・」・・・・・ハッ、とした。2年に一度だったのか。 そんなことも知らずに来ていたのである。来年秋には、ダッシュ8への置き換えが完了するという。 静態保存の1機くらい置きそうだけれど、なるほど、再来年にはもう、いないのである。 今日エプロンからあーでもないこーでもないと定期便のYSを撮っていたのも、これっきりなのである。 一期一会・・・他愛も無い奇行(苦笑)もまた、その連続なのである・・・。
今日初めて空港ターミナルに入る。送迎デッキは、会場を追い出された人々(笑)、帰投待ちの人々で賑わっている・・・・・けれど、 密かに狙っていた、「人込み魚眼俯瞰」にはちと足らず(笑)。これは最後の最後に取っておくか。そろそろまた西日ギラリのお時間。 色々考えた末、やはりまた滑走路南端で狙うべかと・・・・・そこでまた撮って、どうにもまた手応えが納得いかなかったりしつつ、 帰りの飛行機の便の都合で、や氏先に帰京。お疲れ様。
独りに戻った。他にいた人達も、いつしか消えていた。青空を眺める。お、そういえば風が無い。昨日の雪辱とばかりに、 生録機材一式取り出し、三脚にセッティング。幸い工事現場は何も動きが無い。よしよし。道路でクラクションでも鳴らなければ、 文句なしの条件か。にしても、結局本当にマイクスタンドとしてしか使わなかったな、この三脚・・・。 撮りたい場所と録りたい場所と、これがまた歩いて3分程の距離。姿が見えてからではどうにも遅いので、早め早めに録音を始める。 昨年、野良犬だかにマイクのコードを食い千切られる(!)アクシデントがあったけれど、気配も無ければ茂みも無く、地面からも離したから、きっと大丈夫。
秋分を控えたこの時期、日没時刻の毎日の変化が大きい。一昨日からで、もう4分ほど早い。深みを増していくグラデーションの下、
稚内からの便が到着。そして中標津からの終便。夕闇の空から、輝く地上へと、舞い降りる。ぶぁぁぁぁぁぁ・・・・・余韻。結局3日間、
締めくくりはここになったけれど、この余韻に浸りながら闇に包まれ一日を終えるのはまた、いとをかし。そして今度のYSとの時間も、
これで終わる。あと季節は1巡り。もう、今更ジタバタすることはない。間に合わなかったと知るべきなのである。
ただただ、しみじみと、その営みの日々に接することが出来ればと、思う。次は雪降る季節だろうか。九州方面もあった・・・。
航空会社の安売り合戦サマサマ、か(苦笑)。