2003.9.15 福岡へ
 やれば出来るもので、4時頃起床。欲張って今日は午前中鉄。こういうパターンがお馴染みになりそうな予感を伴いつつ、0507発の指宿枕崎線に乗り、 「日本最南端」西大山へ・・・・・でもゆいレールが出来た今、断り書きが要るんじゃなかろか・・・・・などと余計な心配をしたところで、ともかくまた引き返し、 帰りに錦江湾公園というところに寄る。何故か白いH−IIロケット(の原寸大模型)が聳え立っている、なかなかイカした場所なんである。

 で、その山を登る道を歩いていた時である。ぶーん・・・・・おや、と見上げれば白い機影。音からしてYSのようだったが、よくよく目を凝らすと、たしかにYS。 朝の続々と飛び立つ頃ではあったが、その中でこの時分とすると、沖永良部便であろうか。こちらから見えるということは、上からもあのH−IIが見えるのであろう。 これは楽しみである。(ぉ しかしこうして見上げるとあらためて、巡航する様も長閑な風情ではないか。いー歳こいて少年の如くしばらく見とれていたが、 おっとH−IIの場所へ急がねば。

 思ったより往路に時間が掛かったので少々駆け足気味になったのが不満ではあったがともかくH−IIを見上げ、圧倒され唸りつつ、ぱちぱち。そして駅へ取って返す。 西鹿児島ではバスへの乗換えが10分。そのくせ新幹線を迎える過渡期の駅舎くらいは撮っておきたいなどと欲張りつつ、ワタワタと予定のバスに駆け込む。 ギリギリだから席があるかと心配したが、先客は数人しか乗っていなくて拍子抜け。

 今日は、いよいよJACのYS初乗り。164便で福岡へ飛ぶ。バースデー割引適用外だったがなにげにこの便の料金設定が低くてオイシイ。 予定を立てる際、台風がどう出るか分からなかったので、万一欠航となっても鉄道かバスでリカバー出来るだろうという、我ながら渋い読みでこの路線にしたのだったが、 しかし午前中欲張ったお影で、バスはダイヤ通りに着いても、出発まで1時間を切っているというタイトさ。機材到着も撮りたいなーとかそこまではさて置いても、 この好天気、行楽渋滞が無いとも言えないし、途中事故渋滞にでも巻き込まれたら、終了である。まあそれならそれで、出費が痛いが別の便で飛ぶか、 開き直って博多まで汽車旅でも楽しめばいいや・・・・・というわけで、そうテンパった状況でもなく、まあ、結構よゆーかましてたりはするわけだが。

 しかし乗りたいものは乗りたい。バスはほぼダイヤ通りによゆーの到着。バースデー割引適用外であるが故に利用できる自動チェックイン機でまずはチェックインだけ済ませ、 ちょいと送迎デッキへ出てみる。エプロンを望むと、これが空っぽ。運用までは把握していないのだが、そうかこれから飛んでくるのか・・・・・と、普段34向きのところ、 16向きで離陸するジェットが! あん?? 羽田トラップか?? これから乗る便は左舷側に席を確保、エプロンを見ながら発てると思っていたのだが、果たしてこれは裏目に出るのか・・・?? かと思いきやサーブかなんかが反対側で離陸待ってる。一体どっち向きなんだよ・・・。そんなこともありつつ、少々名残惜しかったが、そろそろ時間が無いので下へ降り。 荷物を預け、また試食のさつま揚げをつまんだりしつつ土産物を見て回るも、うーむちょっと食指が動かづ。名前打刻メダルが理想だが(笑)、記念のキーホルダーなんぞに、 少々コダワリがあったりする。

 そんなところで出発待合室へ入り、さて今日乗るYSはどこから乗るのかと思考を巡らせているところへ、1機降りて来た。奥の方だとバスが出るようで、スポットによって、 バスにしてはやたら短いような、さりとて歩くにはちょっとあるかな、といった妙があったのだが、その機は滑走路から折れて来て、目の前でくるりと回ると、 左舷を見せて止まった。ボーディングブリッジの横ちょから降りて、すぐそこである。うー。バス乗りたかったな・・・・・乗客がパラパラと降りてくる。JA8766、 これがJAC的初乗り機となるのか。そういやANKではJA8722で、どうでも良いがゾロ目で始まる縁らしい。まずはガラス越しにぱちり。

 そのうち搭乗の案内。エプロンに降り立ち、例によってぱちぱちやりながら前進。その頃には3機程揃っており、超広角なんぞに換えたりと忙しい。 しかも乗客が少ないようで、すぐ取り残されそうになる・・・・・ワイワイワイドで自分撮り。タラップを上がりながら、振り返ってルリーを入れてもう1枚。 しょうがない奴である。

 ANK機に見慣れた目に、機内のトーンがちと新鮮。よく見ればヘッドカバーが松井55仕様。なんと。そういや一昨日乗ったJAS機と同じっぽい・・・・・ バースデー割引は利かなくてもこういう所だけは足並みが揃ってるのであるな。新生JAL恐るべし。足並みついでに、新JAL塗装のYSもちょっと、見てみたいが。 JTA色はあまり魅力を感じなかったけれど、そうだ鼻先の黒いのだけ残してもらって・・・・・んなこと考えつつ、4A席に収まる。プロペラ回転面の直後。 ふと気付くと、控え目にBGMが流れてる。空調も吹いてる。勿論エンジンはまだ始動していないのだけれど、はてANKではその時、静まり返っていなかったか。 それで団扇も備えているのではなかったか。今となってはおぼろげな記憶が頼りないばかりだが、たしか、違ったよな・・・。機内は結構空いてるようで、 ぱっと見半分くらいではないか。それ故にあっさりと出発になってしまうのだけれど、にしてもすぐ後ろに陣取るマダム方、ちと賑やか。

 ANKとはまた少し勝手の違う気のする放送にまた新鮮に思いつつ、やがてエンジン始動、いつもの・・・・・いやJAC的には初めてなんだが・・・・・ タキシングに移る。やはり34で離陸するらしい。よし。滑走路の端まで行ってくれれば、少しは俯瞰気味に僚機を見ることになるのではないかと期待していたのだが、 その結構手前で左折、滑走路へ入ってしまう・・・。やがてJA8766は駆け出す。滑走しながら、そのままエプロンを通り過ぎてしまう・・・・・終了。 ・・・と、ぐうん、と抱きかかえられるようなGがかかり、空へと駆け上って行く。さらば、鹿児島。独り密かに再訪を誓う・・・・・ちうか、それは最早既定で(苦笑)。

 やがて落ち着いたところで、機内サービス。CAさんが絵葉書を広げてやって来たので、YSの写真のを頂く。ルリーのも良かったかな・・・・・それはまたにして、 ふと7月のANK品切れの件が脳裏に去来する。まあ、拘ってるわけではないケド。拘ってないってば。いつしか眼下には入り組んだ海岸線が。既に熊本県であろうか。 小さな島々を手芸のように繋いで回る橋。午後の日を受けて、海面がキラキラと光る。毎度のことながら、この程々の巡航高度がお気に入りである。 隣の席が空いているのを幸いに、窓をバックにワイワイワイドで自分撮り。それに気付いたCAさんが、撮ってあげましょうかと気を利かせてくれた。 んが、実のところ自分撮りという手法そのものに意味を求めてたりするので、辞退する。しょうがない奴である。

 いつしか陸地の上を飛んでいて、佐賀と福岡の県境あたりであろうか。佐賀にもちょいと用事がある。そういや北海道と大きさの比較をした覚えが無かったが、 この島の縦断というと、丘珠からどこへ行ったのに近いのかな・・・・・などと思ってるうちにまた海が見え、もう玄界灘へ突き抜けてしまったようであった。 そろそろ名残惜しくなって来たのを察したように、そうでしょとばかり機は右へバンク、最終アプローチらしい。再び見えた海岸は直線的な、空き地だらけの埋立地。 幹線道路に連なる車。増えてくる建物。再び地上の営みの中へと、帰って行くのである・・・。段々と地面が迫ってきて、その間にも、 あの辺から撮れるかなーなどと能天気に考えたりしながら、板付飛行場(親はそう呼んでた(笑))に到着。第1ターミナルの外れあたりに、突き当たるように止まった。

 タラップが降り、乗客が立ち上がる。外へ出る前に機内をぱちり。松井55仕様のヘッドカバーがずらずらと並ぶ様は、きっと「今」の良い記録になるに違いない。 そしてエプロンへと降り立って、振り返り振り返りYSをぱちぱちやるも、乗客が少ない上にソレなヒトも他にいなかったようで、すぐに一人取り残される。 地上の案内の人が、こっち見てる。うー。少々後ろ髪引かれるものを感じつつ、作業車に遮られたのを機会にターミナルビルへ向かう。 昔の羽田を思わせる懐かしい風情のビルの中を進むも、荷物の引き取り場所までが長く、歩いているうちに荷物に先を越されたようである。そいつを受け取り、 機内持ち込み機材とまた合流させて、まずは屋内の送迎デッキへ。おお、ガラス越しだがJA8766が辛うじて見える。建物に直角に、 突き当たるように止めていたので出発の時はどうするのだろうと思っていたが、丁度トーイングカーで180度転回しいるところだった。自分で回るには、 スポットの間隔がタイトな空港なのだろか・・・・・などと考えていると、その向こうからNALのフォッカーが出てきた。並びである。鉄的には並びは基本である(笑)。 というわけでこれをぱちり。近くJAXAに変わっちゃうし(違う)。

 アイスクリームなど買ってしばらく涼んでいたが、音とともに地上を撫でて行く影が逆なのに気付く。えっ、と思い窓に寄って離陸を見るとやっぱり、RWの向きが変わってる。 ターミナルは北端に近い。16のアプローチ狙いならすぐそこなのだが、これが逆となると滑走路分丸ごと移動しなくてはならない・・・。組み直しだな。 まあ今日のところはロケハンということで、ととりあえず立ち上がる。金網越しの送迎デッキも見る。写真的には前玉の小さいデジカメにでもしなきゃ絶望ながら、 この風情そのものが、有料のゲートの跡まであって、またかつての羽田を思い起こさせ、これがたまらづ。思えば前にこの空港へ来たのは、3年前だったか。 あの時は遊びの旅行じゃなかったから、ほんのちょっといただけだったが、こうして見て回ったのは恐らく、かーなーり久しぶりのハズである。 歩くつもりなのでロッカーへ使わない機材などを預け、ガラス張りの第2ターミナルの送迎デッキも一応見てから、まずは滑走路北端へ向かう。 霞みがちの空に、イマイチ写欲がソソられず、夕方まではロケハンと決めた。

 でその北端。滑走路側を見ると、金網が高く条件は厳しい。しかし振り返れば空は広く、フツーに撮るなら悪くない。・・・と。道路を挟んでコスモスの生えている所が。 まだ咲くには早かったが、それがコスモスであることは、植物に疎くとも碓氷に通った目には、すぐ判る。そうか、ここでもコスモスなのか・・・・・これも縁かとしんみりしつつ、 しかもぱっと見、構図もまとめ易そう。多分みんな撮ってるんだろなー、とも思うが、そのキャパというか、かつての碓氷のような競合は避けられそうなのも有難い。 尤も、全ては風向き次第なのだけれど・・・。気候的にかの地より咲くのが遅い気がするが、さすがにまた来月というのは厳しい。うーむ、来年かな。 その時まだこの空を飛んでいるかという保証など、無いのだけれど・・・。

 そんなことを思いながらわき道へ折れると、無線聞いてるクルマがぽちぽちと。ナルホド、やはり名所である。そのまま滑走路逆サイまで回り込んだところで、 天草航空のダッシュ8が来たのでそれと、YSの離陸があるので狙う。とりあえず夕闇モードはここカナ。決めたところで、このまま反時計回りにロケハンしてやれ、 と出発。で、今撮った場所のすぐ先にまず、思いっきり造り付けのお立ち台を発見(笑)。鉄製の、校庭の台みたいなの。 たまたまよそにあったのを持って来たのかもしれないけれど、なかなか。さらにずんずんと進み、やっぱ乗っちゃまずいよなー、と国際線ターミナルとの連絡バスを横目にしつつ、 その国際線ターミナルの前までやって来た。ビルの中も興味津々だったのだが、ちょっと時間的にタイトなので、先を急ぐ・・・。滑走路から離れた幹線道路、 その道すがら猛禽類専門店があったりして、いつか見た鷹匠の、あの低く滑空する姿に鳥肌モノだったのを思い起こしつつ足を動かし続け、ようやく左に折れる道を見つけ、 滑走路に向かう。先客が、作り付けではないがこれまた適当なお立ち台に立って着陸を狙っている。ふーむ、ロケハンを止める程には思わなかったのでさらにずんずん。

 ようやく、南端。むむむむ、金網が低い! 滑走路が近い! しかも県道か何かの通るこんな大っ広な場所で! スバラシイ。送迎デッキはダメダメながら、 外からはウハウハでわないか。この間の新千歳の記憶が残る脳内に、ウハウハ物質がじゅるじゅる広がって行く。進入路を横切り、逆光側へ。 ふーむ、とりあえず1便撮ろうかと待っていると、北の方に星が瞬いている。あん?? 着陸灯じゃん!! ううぅ、羽田トラップかよ・・・。

 じゃあ、もうここだ。

 いざというところでまた逆向きになるという二重の罠も考えたが、んなこと気に病んだところで面倒臭い。雲が出て夕焼けさえ期待出来ぬ半端な光線状態の中、 18時頃徳島行を見送る。残るは19時発の鹿児島行。日没後30分くらいとなると、かーなーり厳しい。しかも出発時刻は離陸の時刻ではない(と思った)から、 早目に出発するようなことでもなければ、かーなーり厳しい。昨日、一昨日の鹿児島での光線状態を思い浮かべながら、ああ今飛んでくれよ、まだ我慢出来る、 そろそろもう駄目だよ、などと気を揉みながら、待つ。とうとう19時を回り、さらに経った。さすがに駄目である。アンダー目でも1/8でも写るかどうか、 という状況。無論望遠で。いよいよ、ソレと思しき光が、ソレと思しき音とともに駆け上がってきた。カッシャカッシャカッシャ・・・・・ぶーん・・・・・。

 どー考えても、今のは駄目。そしてこれが今回の締め括り。今のも宿題かな・・・・・あとは荷物を纏めて空港へ返すだけである。通りまで出るとバス停が。 バスは期待していなかったのだが、そうか、あるならバスにしよう。ロケハンもまだ残っていたが、時刻表を見ると、すぐ来そうである。最早誘惑に勝てない。

 空港でロッカーの荷物とまた整理して、とにかく身軽になりたいので、とっととチェックイン。カウンターでチケットレスの旨告げると、自動チェックイン機へどうぞ、 という。いやバースデー割引なんだが?、大丈夫ですよ、身分証明要るでしょ?、そのままどうぞ・・・・・訝しく思いつつクレジットカードを突っ込むと、 果たして、あっさり通ってしまった。あん??・・・・・じゃあ、いつもの面倒は何なのよ。一昨日羽田で確認済みだからか? いやいや今のカウンターの人は、 何も照合していないじゃん。じゃあ顔だけ見て何故分かる・・・・・謎が謎呼ぶ新生JALグループである。

 身軽になったところでちょいとヨドバシカメラへ全店制覇タイトル奪還へ出かけ(馬鹿)。博多の駅前は、優勝目前のダイエーの応援ムードで凄い凄い。 コンビニ覗くと、ダイエーに因んだパンなんぞ売ってる。そそくさとまた空港へ戻り、B−767の最後尾に陣取る。どこだか分からない夜空を飛んで、羽田着。 はあ、あの荷物を持って帰らなやならんのか。いつもこの時憂鬱になる・・・。そういえば、昨年は寝ている最中に起こされて、 お誕生日おめでとうみたいなカードをくれたものである。んが今年は、行きも帰りも、何もくれない。いやべつにそれが目当てというのでもないのだけれど、 利用者が増えてさすがに負担になったか。それとも、JAS流からJAL流に変わったということかな。

 タキシング中にキョロキョロするも、新整備場の方は見えづ。あのトリトンのYS、どうなったろう・・・。