2003.12.14 鹿児島
 今日こそはと起き出して、外を窺えば晴れてる様子。よし。本日は日の出より営業。(ぉ チェックアウトを済ませてフル装備でてくてくと空港へ。 霧島連山がシルエットに浮かび上がる。赤く染まる東の空は、益々そのグラデーションに輝きを増して行き、いよいよ夜が明ける。 目の前にいるのは、昨夜バルブをしたJA8717。そういえば唯一、日本からの国際線就航を経験している機体だったっけか、 やたら飛びまくってる機体ではなかったか、などと思いつつ眺めているとやがて、プロペラの先が赤く輝きだした。日の出である。

 機体の向きの具合で、こちらからではプロペラの先しか巡光にならず、あと垂直尾翼の淵がわずかに光るのみ。タラップは降りていたが、 初便まではまだ1時間以上ある。これが動き出してキラキラ輝く様は無理かなー、と撤収を始めようとするところへ、クルーがやって来た。 機体の周りのチェックを始める。おやおやこんなに早くにか?・・・・・なーんか怪しいのでしばらく見守っていると、タラップが畳まれた。

 あん??

 さっきタラップが降りるところから見ていたから、乗客など乗っていないのは判っている。そもそもダイヤ的には早過ぎるし・・・・・ こりゃ目が離せなくなったナ・・・・・地上のスタッフの動きからしてどうも、離陸するらしい。そのうちエンジン始動。あららららら、 どーこ行くんだろ。プロペラの軌跡が、扇形に朝日を返す。てきぱきと手順が進み、チョークも外され、ゴーサイン。 JA8717はくるりと回って出て行く・・・・・ようやく日の当たる側が見え、ギラリ。こちらも逃がすものかと、かしゃかしゃ!  逆光のオレンジ色に包まれて、JA8717は誘導路を行く。くるりとまた向きを変え、滑走路へ入る。着陸灯が点った。 撮影はもういいやと見守っていると、エンジンの回転が上がり、そして駆け出した。

 と。

 ぼふっ、ぼふっ・・・って、なーんか後ろから黒い煙吐いてるケド??

 ぎゅーん・・・・・滑走路の途中で止まった。あー、やっぱりなんかあったらしい。大丈夫か?? エプロンへ戻って来るかと思いきや、 そこから動かない。なんだろ。どうしたろ。こちらも動くに動けなくなって尚も見つつ、そういや水・メタノール噴射を入れ忘れて、 離陸滑走始めてから慌てて入れたりなんかすると、エンジンを壊す、なんて話を読んだことがあったなー、でもまさかなー・・・・・ と、シレっとまた走り出し、離陸して行った。ほっ、大事にはならなかったようだけど・・・・・結局何だったんだろね。 JA8717はぐるりと回って、頭上を過ぎて行った。どこへフェリーするのだろう。もしや重整備で羽田へ?

 空港ターミナルへ。本来であれば今日一日中、空港の周りでウハウハするハズだったのだが、後から鉄なイベントが思いっきしバッティング。 掛け持ちは辛ひ・・・・・フツーの鉄イベントならソレ如きで動く己では無かったのだが、よりにもよって地元の電車の引退。 前回までのあらすじは「鉄バカ日誌」の項にある通り(笑)。2ヶ月前、超割申し込みつつ悪い予感がしないでも無かったが、まーさーか、 思いっきし当たるとわ・・・・・はあぁ。半分しか返ってこないのを承知で、バーゲンフェアの復路をキャンセル、 A300の後ろの方に乗って床が徐々に高くなっているのを見てやろうと思ってたのも諦めた。たーだ変更するのも癪なので・・・・・ 勿論運賃の問題も大なのだったが・・・・・今回はスカイマーク初乗り。そういや昼間に羽田へ帰るのも、ヘタすると20年位ぶりでわなかろか ・・・(汗)。それなら富士山を見てやれ。ここは前向きに考えよ。ふう。

 まだチェックインが始まらないので、送迎デッキへ出て、種子島行、屋久島行を見送ることにする。晴れても逆光気味とはいえ、 雲が出てきて機体が翳り、バックの霧島連山とのからみはイマイチ・・・。ご同輩らしき人が、向こう側の方が順光ですよーと教えてくれるんだが、 いやそれは解ってんですが・・・・・これから帰るところだし。今日は何か来るのかと気にしている様子。 こちらはYSしか見えていない(爆)ときたもんだ。すまぬ。

 さてとスカイマークのカウンターへ。無論、左舷窓側の席を。レシートのようなロール紙のペラペラ(クリアファイルに挟んであったが)を渡され。 荷物も預け、さすがHISだなー、と感心すつ半面、ペラペラがなんだか不安な気も・・・。朝食を採り、出発ゲートを入って土産物など物色。 いよいよボーディングとなり、このペラペラはどうするのだろうと見ていると、通常の自動改札ではなく、その脇から通される。 ペラペラは小さい切れ端だけ残して渡す。記念品としてはどうかなとも思いつつ、このドライな感じがまた、 ある意味飛行機をバス程度までに引き下げているというか、どうってことのない乗り物なのだという気分を、醸すようでもあり。 簡単に複製出来そうなんだけどこれ・・・。

 いよいよ鹿児島ともお別れ。SKY302便、B−767は滑走路南端へ向かう。早速一仕事終えたYSが、降りて来た。滑走路へ入り、 滑走開始。YSのたむろする辺りではまだまだ低かったが、その直後にぐいぃっと上昇。sかさず振り返り気味にかしゃかしゃ! ・・・と!  さっき降りてきたYSがタキシングしていた! まだそんな所にいたのか! うぅぅ、撮り損ねたわい。ともあれ、今回も色々と思い出を残しつつ、 さらば、鹿児島。春までにはまた訪れたいが、今回の余韻でしばらく、思考停止なカンジ・・・。どうすっかなー。なーにすっかなー。 真っ青なピーカンの下、四国が見え、紀伊半島が見え。そして遠く、白いものがちょこんと。富士山だ。往路と違って今度は遠く、 また大きく回り込むように飛ぶので、これが長くよく見える。伊豆半島越しにぱちり。三浦半島越しにぱちり。ベイブリッジ越しにぱちり。 そして34Lへと着陸。すかさず整備地区にJA8717の姿を探すも、こちらへは来ていないらしい。伊丹だったかもしれない。 まさか身売りじゃあるまいな・・・。

 今回は殆ど鹿児島には居着かずに終わってしまったけれど、妙に満たされている・・・・・今後の付き合い方を示唆しているようにも思え。 しかしウカウカしているうちに、あれよあれよと機数が減り、あの光線で、あの場所で、と選んでいられなくなるのは見えているハナシなので、 まあ多少貪欲になっておくべき、カモ・・・。あまり節操無いのもアレながら、そのへんなかなか、難しいトコロ。