2004.9.18 熊本〜鹿児島
 誕生月にはヒコーキに乗ることがすっかり恒例となり、そして今年も、飛ぶのである。思えば鹿児島デビューを果たしたのも、昨年のコレなのだった。 5ヶ月ぶりの鹿児島訪問。前回は色々とやられっ放しだったが、そのリベンジもかましてやらねばなるまい・・・・・と意気込みカチカチと予約を押さえていたら、 今年は台風が来るわ来るわ。夕方の羽田アプローチかという数珠繋ぎ。気象衛星はカルマン渦のような(渦の向きは揃ってますがぁ)映像を送ってよこし、 ほーらほーらとプレッシャーをかけやがる・・・・・前回のこともある・・・・・ふん、あびらうんけんそわかー、あびらうんけんそわかー(ぉぃ・・・・・ するとどうであろう。週間予報に現れだしたこの日には、ニコニコ晴れマークが輝く! 晴れ男復活。勝利を確信しつつカウントダウンを続けていたが、 ところがところが、いよいよ近付くにつれ何やら雲やら傘の絵が・・・・・うー。ペース配分を誤ったか。

 ところで今回もまた、ぴらーっと熊本から入っとですばい。空の日月間である。カチカチ予約しながら空の日ネットを覗くと、 なんとこの日熊本空港でイベントの由。それだけならあらそうですかで終わりなのだが、崇城大学のYSの展示もあるとなれば、話は変わってくる。 初日は熊本から入って鹿児島へ抜けて・・・・・ANAの初便を確保。しかし何をトチ狂ったのか超割と混同してしまい、 JR九州の「九遊きっぷ」を利用するつもりになっていたのである、この時点では。気付いた時には既にカード決済後・・・・・ JALにしておけばもう少し早く現着出来たのだが、キャンセル料が惜しいので我慢。結局メインの鹿児島への移動もレンタカーにしたので、 使えるだけ貯まる見込みも無いマイルがちょっと足される以外、ANAにする理由が無い・・・・・羽田第2ターミナルへ引っ越す前の思い出、 ということにしておこう。そういえば前回の帰りにちょっとしみじみしてしまったが、秋にオープンかと思っていたら12/1だったのね・・・。

 ANA641便、B−767。またですか・・・って前回と同じ便だが。かつて鉄な世界ではPFことEF65−1000番台という機関車がハバをきかせ、 他のを撮影のお目当てにして来た連中から「あんだぴーえふかよ!」と罵声が浴びせられることしばしばだったのだが、「あんだびーろくかよ!」 というのも或いは、あったりして。実際、747など全く乗っていない。多分10年くらい乗っていない。エアバスやMDだって、 たまには乗りたいんである。・・・はさておき例によって富士山鳥瞰を目論み左舷窓側の席を陣取るのだったが、そんなびーろくなものだから、 今回は主翼の後ろでフラップでも見るかと。肝心の富士山は雲に覆われ、僅かに剣が峰の測候所らしきが雲間に覗く。

 今回珍しくそこそこ睡眠を取って来られたのだったが、外は雲ばーっかでもうすることも無いので、朝からマーラーかよとか思いつつイヤホンを耳にうつらうつら。 気が付くともう、阿蘇山が見えていて、西側へ回り込んでアプローチ。着陸後のタキシングでくるりと左舷をエプロン側に向けたところで、 目を皿のようにして様子を窺うもYSの姿無く。他は先に着いているJAL機が目障りなくらい(苦笑)。エプロンの一角には囲いがあり、 人がパラパラいたから、催しそのものはある様子だったが、はてさてYSはいずこ? やられたかっ!? まさかドタキャンなんて・・・。

 レンタカーの手続きだけ先に済ませ、荷物をロッカーへ押し込み、いざ国際線ターミナルへ。ロビーではグッズ販売のテーブルが並んでいたが、 まずは先に本題へと急ぐ。階段を上がり、出入国審査をスルー。税関をスルー・・・・・今日は国際便が無いのだろうけど、ちょっと妙な心地。 エプロンへ出ると、消防車がぽつん。それだけ??・・・・・いやいや構内見学ツアーのバスがあり、小型機体験飛行(!)があり、そして!、 YS見学なる別会場、崇城大学格納庫へのシャトルバス! そうか! 格納庫だったか!

 雨がぱらついてくる中、なにげに撮影向きなところで今乗ってきた767の離陸を見送ってから、いざシャトルバスへ。 無論、抜かりは無い。ちゃーんと最前列に着席である。バスは暫らく草ぼーぼーの細い道を進み、いよいよ格納庫前へ折れた。超広角で構える。 ぐーっと回り込んで行き・・・・・いたいた! かしゃかしゃ!

 JA8712。元はJCABの機体で、基本的にはJCABのそれのままながら、客室窓上には最初からそうだったかのようにシレっと「崇城大学」のロゴ、 コクピットのすぐ後ろには赤い「SOJO」の文字のアクセント。まずはぱちり。格納庫内は崇城大学の他に地元の人達の模擬店が開かれて、ちょっとした賑わい。 なんとなく、杉田の日本飛行機でのモックアップ公開の様子を連想しつつ、遠くに近くに、その佇まいを眺める。 レジのあたりをよく見ると、上から何かを貼って剥がした跡が、あるような。既に登録抹消なんだっけか・・・・・ヒコーキとして、制度上或いは一個の機械として、 今どういう状態にあるのかは分からないけれど、今ここにひっそりと佇み、機内見学の人達を順々に迎え入れている、JA8712。 タラップを登って行く人達のシルエットを切り取りつつ・・・・・梅小路でやったネタだな・・・・・他の多くの保存機達とはちょっと違う、 語り部としてのこの機体の、これからの長い余生に想う。

 しばらくしみじみしたところで、今日は鹿児島への 爆走 移動が控えているのでそろそろ引き上げ。先程のグッズ販売のところで天草航空のキーホルダーが破格、 所望。国内線ターミナルの土産物店を一応チェック。九州産交バスのチョロQなんぞが続々出ており仕方が無いので「ひのくに号」だけ。ロビーじゃ「冬ソナ」写真展。 あー。関係無いがヨン様ってもう日本じゃ眼鏡外せない気が。ハリポタ然り、密かに男の眼鏡っ子かいな・・・。(ぉ

 レンタカー屋さんの送迎車を呼んでもらい、おいおいどこまで行くのよという程連れて行かれたところで、クルマとご対面。事前のネット予約では、 先方でトラブル発生らしかったとはいえ確認に料金が抜けてるわ変更かけたのに前のに戻るわ頓珍漢なやりとりがあって、 数日前電話で確認を入れてもどうも不安を拭えずにいたのだったが、要望通りの記述の書類を見て安堵。現行マーチ、セールでカーナビも付きながら軽並の料金。 スバラシイ。今回乗り捨て料金がかかってしまうのだが、どの道今日から要るのだし、新幹線から回って鹿児島に着いてからではロスが多い。 持参したるドライブの友、レーダー探知機(ぉ を取り付けて、いざ出発。

 ブイブイブイ、九州道を ぶっ飛ば 勿論法定速度で巡航しつつ、途中のPAで小城羊羹の切り羊羹(!)を見つけそいつを齧りつつ(うへ)、 今日の鹿児島での撮影の算段。まずは例の俯瞰ポイント、山の上の「特攻の碑」のある「上床公園」からの離陸西日狙い・・・・・日が出ればの話だが・・・・・ から始めるつもりだったのだが、出発がちと遅くなったのに加え、熊本市内でピンポンダッシュ鉄かましたりでまた遅れてしまい、当初目論見の1525発の福岡行、 沖永良部行の2便狙いはどうやら怪しくなった。手前の方が良いかと横川ICで降りた時には、丁度1525。離陸まで多少かかっても、 こりゃもう駄目であろう。空模様的には熊本よりましな予報で、たしかに日差しはちょっと期待出来そうな雲行き、 出来るだけ撮影のチャンスを設けたかったのだが・・・・・ともかく次の便から始めるしかない。

 上床公園着。ふう・・・・・ん? RWが逆だ。16でどんどん離着陸してるでわないか。ということは1525の便に間に合っても、 思惑と裏腹に向こうへ行ってしまったわけで・・・・・なーんだ。では1600過ぎに立て続けに降りてくる便は・・・・・霧島バックでバンク! くぅぅ・・・。 もしや今回はツイてる? 尤も高屋山上陵がどーんと、そこに立ち塞がっているのが難儀だけれど。

 そろそろ時間だと待ち構えていると、向こうを着陸灯が回って来た・・・・・ん、ちがーう、Q400だ。次は・・・次は・・・3便立て続けにYSで来るハズが、 その2便までもがQ400。なんてこったい。先日の台風のダメージが、まだ響いているのだろか・・・・・と、暫らく呆けていたらいきなし現れたYS。 やややっ、時間でもないのに・・・・・ダイヤが乱れてるんだろか。JALのサイトの運行情報の使い勝手が今ひとつ悪いので(5ヶ月を経て尚もしつこく)、 iモードでチェックするのが疎かになっていた。

 いやこのQ400、どうも訓練らしくタッチ&ゴーを繰り返していたようで・・・・・JAL塗装の、新入りか?

 それにしても、YSの舞う姿とは久々の対面。日が出たり陰ったりな中、ぼちぼち、ぱちり。霧島の青い峰をバックに白く輝く小さな機影・・・・・ 最近どこかで見たような気もしつつ(ぉ・・・・・うーむ手応え的にはいまひとつ。ともかく、前回は雨模様に霞んで殆どよく見えなかったので、 今回あらためてのロケハン、ではある。そういえば遠く桜島のシルエットも、今日はよく見えて。

 しかし高屋山上陵、絶妙なまでに霧島連山とバンクするヒコーキを隠してくれる・・・・・うーむむ、ちょっと移動してみるか・・・・・ 北側へ回り込んだらどうかな・・・・・あー、ここなら多少はマシか・・・・・と、雨がざざー。うー、クルマの中で寝転びながら、 今日は打ち止めかなーとか思ってるとまた晴れて。今日はまた、目まぐるしい空模様。次々と降りてくる機を見ながら行けそうだと期待するも、 ここで撮れそうなYSはもう、ダイヤ通りなら日没とほぼ同時に降りてくる便を残すのみ。これも乱れてると難しい・・・。

 と。雲に隠れてその姿は見えないが、霧島連山の方に3点の光が。見覚えのある間隔・・・・・バンクしつつこちらへ回ってくる。かしゃかしゃかしゃ!  日は隠れていたが、白い機体にはうっすらと空の赤みを映して・・・・・うーむむ、手応え的に、どうだろな。

 残すは沖永良部からの最終便。ダイヤ通りであれば日没から30分以上経ってしまうので、元々空の青味さえ残せるか難しい条件のところへ、 さらに曇っているときたもんだったが、ともかく明るい標準レンズで下からぐわっと振ってやろうかと。北端の県道で待ち構えていると、 いつの間にか南の方から着陸灯が来るように・・・・・やややっ、羽田トラップだ!! これはマズい。慌ててクルマを出し、南へ急ぐ。 滑走路東側に沿った道路が無いのが毎度ながらもどかしい。ともかく南端へたどり着き、エンジンを切ったところへ・・・、

 びぃぃぃぃぃぃぃぃぉぉぉぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅぅんんんんんんんん・・・・・・

 終了。頭上を光が過ぎて行く・・・・・あと、あと1分欲しかった。いや30秒でも良い・・・・・やけに美し過ぎるその輝きを、 ただただ呆けて見上げるしかなかった。

 ふと西の方へ目をやると、月が見え。3日月。雲があったので半ば諦めていたのだが・・・・・無論、今回も月齢を睨んでの日程組み。 YSのシルエットと、月。前回とっとと片付けているハズだったのだが、つひにチャンスが巡ってきた。まだ大分高いが、 イソイソとエプロンの逆サイへ向かう。

 んが。

 まだ高過ぎて、構図的にはかーなーり無理があったことから、これくらいじゃ撮らないもんねーなどとよゆーかましている間に、月はどこかへ消えてしまい。 うう、雲だ。無理にでも後々のためにちょっと切っておくべきだったか・・・・・フツーにバルブをしながら、また出てくるだろうと待ち続けるも、 これが出ない。とうとう、月没時刻。終了・・・。また三日月狙って来なきゃならないのかな。いやまだ、明日がある。

 定宿と化しているBHへクルマを入れて、チェックイン。TVで見る予報では、再びお日様マークがちらほら見え出し。晴れ男また復活か。 とにかく良い方へ考えることにして、早めの床に就く。