2005.1.16 鹿児島
 昨夜の手応えに少々引っ掛かりつつ、カーテンの隙間から窺うと、東の空は今朝も、スッキリと晴れている。よしよし。本日も日の出より営業。 早速撤収に取り掛かりながら見る予報では、どうも雪に見舞われそうであるらしい。霧島地方でチェーン規制などと・・・・・うーむ。 そっちへは近寄らないとして、あわよくば丘珠で見納めた筈の雪との取り合わせ再び?、と淡い期待もあったりしつつ、 こちらが身動き取れなくなってはミもフタも無いのだが、それはそうとこれまた気になるは東京の雪。大雪になりかねない様子だったが、 どうやら大事には至らなさげ。とにかく羽田さえなんとかなりゃ良かったのだが、やれやれ。

 チェックアウトを済ませ・・・・・といってもキーを返却箱に放り込むだけだが・・・・・ぶいぶいぶいと滑走路逆サイ。朝日のヒコーキ達をぱちり。 昨日と変わりゃしないじゃん、という部分も無いではなかったが、この朝の目覚めと身支度の風情を眺めるのはなかなか、良いものであったり。 早起きは三文の徳ともいうし。

 と。

 きゅぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・初便にはまだまだ早いというに、1機のYSに火が入った。なんだなんだという間に、タキシング開始。JA8788。 赤い光の中を、RWエンドへ向けて進んで行く・・・・・くぅぅ。あれは一昨年の暮であったか、やはり早立ちして行くYSを目撃したのだったが、 このJA8788、どこかへフェリーなのであろうか・・・・・という間に拍車が入り、ぶぅぅぅぅぅぅぅんんんんんん・・・・・駆け上がって行く。 どこへ向かうのだろう、福岡か伊丹か、はたまた羽田かななどと思っていると、暫らくして、ぶーん・・・・・霧島の方から聞こえてくる。 超望遠で追うと、ずーっと南へ過ぎて行く。このまま大隈半島の付け根を越えて、やはり伊丹か羽田だろかと見送っていると、すい、と右へバンクした。 「?」・・・そのまま朝焼けの中を・・・・・ああっ、太陽に重なるか??・・・・・まだ明る過ぎない太陽、こりゃシルエットで収まったらたまらんぞ! ・・・・・んなムシの良い話があるわけもなく、惜しくも1つ半か2つ分ほど下を通過して、大きく南へ回り込む。よくよく見ればギアが出ているではないか。 何か故あって戻ってくるのかと、アプローチを狙って・・・・・着陸・・・・・と思いきや、タッチ&ゴー! うをををを! なんだなんだ、 朝も早よから何やってんだ?

 そろそろジェットの出発便がある中、再び朝焼けの中をぐるーっと回る、JA8788。またアプローチに入り、またタッチ&ゴー! 今度はこちらも、 フラップを戻して再び離陸態勢を整えるまでを観察する余裕が出来て、もうウハウハ。くぅぅぅ・・・・・これ、訓練なんだろか。それとも検査上がりの試運転とか。 またまた朝焼けの中をぐるーっと回り、またまたアプローチに入る。あれれ今度はちょいと高過ぎないか? 頭を下げて突っ込もうとしているように見えたが、 そのうち諦めたか、ゴーアラウンド! たまらん!

 早起きは三文の徳。うむ。

 さてお次はなんだろね、と見守っていると、今度は本当に着陸。ぶぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・。

 ぶーん・・・・・今度は頭上にプロペラの音、なんだなんだと超望遠で捉まえると、こちらはP−3Cであるらしい。 あとでニュースになるようなコトでも起きてたりして、などと少々不謹慎ながらちょっと思ったりして。

 いよいよ本当の出発便、種屋久行を見送るも、見る見る空は曇ってきやがる。まあよく持った方かなと思うことにして、霞を覚悟で上床公園へ。 ラジオはまた薩摩弁の狂句の番組やってる。おお、久しぶり。しかしまあ、空模様はというと、霰だの霙だの降り出して、かと思えば晴れ間が出たりと、 目まぐるしいこと。このタイミングがうまいこと合わず、肝心な時の霞の向こうで、YSが着陸したりしているらしかった。

 そうこうするうちに昼も近くなり、気分転換方々嘉例川駅。日曜日は「駅弁」が買えるので。するとまた用も無い時にドピーカン。 なんだかなぁ・・・・・まあ嘉例川的にはいつもどんよりだったので、これ幸いとちょっと撮り鉄。ホームの木のベンチで駅弁を食す。

 このまま晴れてるのか怪しいながらも、また上床公園へ戻る。ラジオでは桜島が冠雪と告げた。昨日の今日なのでちょいと気になったが、 生憎ここから見える桜島は霞の向こう、山頂付近に雲がかかって、その様子は窺えづ・・・・・と空模様は相変わらず目まぐるしく、 10分後は雪なのか晴れなのか、それすら読めない程。雪なら雪でもうちょっと降ってくれるなら絵にもなるだろうに、 晴れるならちゃんと晴れやがれ、とブツクサ無いもの強請りするばかり。

 昼の部はもうやる気なしモード・・・・・空港周辺気になりスポットシリーズ、西郷公園を覗いてみる。 空港周辺、大方巡ってしまって今後どうしようかと不安を覚えつつ(苦笑)、しかし何故にこんな所に、こんなものが。説明らしきを探すも、 史跡というわけでもなさげ。大河ドラマ「翔ぶが如く」の衣装なんぞが展示されていたりして、これは町おこしの類なんだろかと思うが如何に。 西郷どんの立派な銅像の前で、ぱちり。土産物をチェックしようとするも、他に客も無く、制服姿で10人くらいいそうな ヒマそうな 係の人達に気押され、さらりと見てソソクサと退散。

 お次はまたチェコ村。こちらは今日は団体客が入ったか、そこそこに賑わい。ボヘミアングラスなどには手が出ないが、木の素朴な玩具など物色。 生憎また雨模様なのだったが、中庭に出てみると家畜やらがいて、陽気が良ければ散策などしてみたいところか。ふと見れば石碑。 チェコ村を造りこの地との縁を持つにあたって、特攻隊への慰霊である由。ここの下には防空壕も残っているという・・・。

 いよいよ残りのチャンスが少なくなってきた。とりあえず動くかと、また滑走路逆サイへ。濡れた滑走路に着陸灯の反射でも、 と少々消極的なセレクトなのだったが、相変わらず空はコロコロと気分を変え、突如西日がギラリ。濡れた滑走路がギラギラと照り返す。をを。 向こうで佇むYS、逆光に縁取り輝く。ぱちり。そこへ滑走するジェットが過ぎる。しゃぁぁぁぁぁっと飛沫を巻き上げて行き、 それが逆光に輝き光の渦と化す。かっちょえぇ。

 さて、そろそろ最終種子島行の時分。このまま晴れるなら順光で狙ってもみたかったが、例の「う木う木ランド」あたりか、はたまた大きく出て上床公園から ・・・・・しかし段々落ち着いてきているとはいえ、西の空には雲、良い瞬間に陰るリスクは相変わらず高く、第一薄雲なのか日光自体がもう弱く、 ギラリな感じは望めそうもない。ならばと、逆光でシルエット、これなら陰ってもどっちでもイケる・・・・・幾度もこんなのを撮ってる気がするが、 これまでのは少し近過ぎるきらいがあったので、出来るだけ引いて撮ってみることにして、多少意義を持たせる。小さめに狙ってみよう。

 天頂近くには月。つーっ、と巡航中のジェットが過ぎった。うおっ、400mmでぱちり。今夜は月没まで見えるんだろか・・・・・ これを狙うにはもう1泊必須なのだったが、まあ月齢的には既に少々太り気味、もう少し細くないと写真的には、などと思うことにして、この月をアップに数枚、 フィルムを撮り切って次に備える・・・・・待つこと暫し・・・・・ぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅんんんんん・・・・・種子島便が行く。 太陽は陰らず眩し過ぎず軟らかく、その僅か下を、小さな機影が駆けて行く。雲もそこそこ表情を付けて、あとは愛用せるベルビアの発色に、期待・・・・・ 大きく回りながら高度を稼ぐYS、深い青色の中にぽつんと、夕日色の機体が南へ向かう。

 ふう。・・・さて、片付けるか。帰り支度はいつも、ちと寂しいが・・・・・あとは最後の撮影を残すのみ。要るものだけを残して臨む。

 日没後の着陸。昨日と一昨日は下から狙ったが、今宵は横から流し撮りを試みる。鉄方面では半ば定番の夜景流し、前回月がらみを撮りがてら、 合間にジェットの滑走で試してみたらなかなか塩梅が良かったので、YSでもやってみるかという算段なのだったが、ちょっと不安が無いでもない。 まずYSの着陸、滑走が短いんである。ここぞという時にある程度速度が出ていないとちょっとやり難いのだが、すぐに速度を落としてしまう・・・。 ならばもっと滑走路端に近く構えれば良いのだが、背景にそこそこ光が無いとこれが、シルエットで透けてくれない・・・・・とりあえずは、後者優先で行く。

 来た。ぶーん・・・・・ぶわぁぁぁぁぁぁ・・・・・かっしゃかっしゃかっしゃ! うぅ、お、遅ひ・・・。もっと速度の乗ってるところで、 一息にふぅーっと振りたいところなのだったが、のろのろと振る手応えはもう、へろへろにブレてる臭い。続いて最終便・・・・・ぶわぁぁぁぁぁぁ・・・・・ かっしゃかっしゃかっしゃ! うぅ、また宿題、かな・・・・・これから日脚、長くなっちゃうんだよな・・・。

 残るものを抱きつつともかく撤収、クルマを返して空港ターミナル。SKYのカウンターで左窓側をオーダーすると、これまた言ってみるものでしっかり28Aゲット。 こちらでもチケットは例のペラペラではなくなっていて、一昨日の羽田のと同様の仕様。もしやJALとコードシェアだかがきっかけだろか?  荷物預けは一昨日の羽田でのようなことは無く・・・。ときに今回、全く送迎デッキへ出ておらづ。まあそんなこともあるさと食事旁土産物店を覗いてて、 「鹿児島弁のもじょか唄」なるミニアルバムCDを、思わずジャケ買い。なんだろねこれ。リリースは結構前らしかったが・・・・・傍らにはあの、 田中星児とのユニットのアルバム。ありゃま、ナニユエにこんなところで、ヤンチャリカ田中ぁ?

 出発待合室へ。端っこまで歩いて、YSを拝む。ガラス越しなのでそれなりだが、どうにかこうにかデジカメを据えて、ぱちり。おっとそろそろ時間だと、 SKY308便の乗り場へ戻ろうとするもこれが、歩く歩く(汗)。あ、義経やってら・・・・・やれやれと乗り込んで、出発。思い出の鹿児島が眼下を遠ざかる・・・・・ 太平洋上から見る夜景はさすが文明国、容易く海岸線まで特定出来るほどで、地球に優しいような厳しいような、愛知万博会場なんかギラギラ光って見えちゃったりして、 などと諸々想いつつ、やがて見慣れた風景になって、羽田は34Rに着陸。このまま北側を回って1タミだろうと思ったら、180度ターン、 かつての沖止めスポットさえ入る気配無く、ずんずん進む。ワケ分らなくなった頃、ゆっくりと機は停止、機内放送に我が耳を疑う。 「最後尾のドアより・・・」・・・へ? 後ですか? 貨客型のYSや、727あたりのあの憧れのタラップが過ぎったがこれは「あんだびーろくかよ!」な767。 尻餅防止でまずは何列目までという案内も無いあたりは、767の余裕か。窓の外を見ると、後の方にタラップ車が寄ってくる。へえ、こんなこともあるのかと、 内心ウヒウヒいいながら地上へ降り、見回すと国際線ターミナルの傍らしかった。目の前にボーディング・ブリッジがあるというに、これは使えないのだろう。 ふむ。ともあれ、期せずして「楽しいバス旅行」。2タミ開業後にまた乗れるとわ・・・・・多分、ラッキー、なの、かな。