2005.12.3 鹿児島
 この大事な時に、風邪にやられた。喉がいがらっぽいと思った時にはもう遅く、シカーモ色々立て込んでゆっくり寝て抑え込む作戦も採れづ、 いよいよという日に至ってまだ治まらぬどころか依然、頭はクラクラ、おめめはグルグルの有様。ピークを過ぎたかどうかも怪しい。大ピンチ。 一方天候はというと週間予報圏に入ってからこっち、傘マークがうろちょろしてやがる・・・・・そのようなわけで聊か萎え萎えなのだったが、 しかしここまで来て止めるわけにもいかぬ・・・・・こういう時だけ根性見せてるのもどうかと思うが。

 へろへろ状態で遅くに帰宅の後、結局事前に準備し切れなかった荷物やらを詰め込み・・・・・ってどうにも入りきらないんだがぁ。なんだかもう、 物事を順序立てて考えられなくなっているらしい。そんなモーロー頭でノロノロと押し込む傍らのTVでは「さらば宇宙戦艦ヤマト」が流れてるし、 DVD持ってるくせに手を止めて見入っちゃってるし(馬鹿)・・・・・で結局また、徹夜。身体を薬漬けにしてよいこらしょと出立するも、 あうー、今度ばかりはちと、ヤバそーな感じ・・・。

 リュックに脚立に三脚抱えて、京急の駅までいつもならウォームアップとか運動方々とか言って歩いてしまうのだが、今日はもう、タクシーにすがる。 駅に着いて、土合駅のように感じられた階段を這い上がってホームに出、電車に乗り、やれやれと走り出したところで、ハタと気付いた。

 ケータイが無い。

 日頃から握りしめていないと生きて行けません的依存症とは無縁なので、なぁーにケータイ如きにとよゆーかましたところで、 再びハタと気付く。発着状況知るのにiモードが要るだろがぁ。他にもアレが出来ない、コレが面倒だ、と思い当たり、慌てて引き返す。 駄目だ注意が散漫になってら・・・・・駅からまたタクシー乗って、家の前で待たせてケータイ拾って、危うく「羽田空港まで」と言いかけるのを呑み込んで、 また駅へ取って返し・・・・・羽田に着くまでにいくらかかってんだ(泣)。なんとなく何かの暗示のような気もする・・・。

 今回は鹿児島へ直行、ANA621便で羽田を発つ。即ち第2ターミナルからの出発、開業1年にしてようやくその機会を得た。 0930発の便というのはいつもからすると大分遅いのだが、当初福岡から入るつもりでいたので出遅れて、初便の超割を逃した。 尤もこの季節の初便では日出前に発ってしまうし、いやサンライズ・クルーズというのも魅力的なのだが、2タミをゆっくり見て歩く暇が無い。 それに、YSを狙うのは朝夕中心のつもりだったから、どうせ日が高くなってから現地入りするのなら、急ぐ必要も無かった。ついでに、 折角東向きのターミナルに入れるのだから、日出を拝もうかと早立ちを決め込んでいたのだが、これは先程のゴタゴタですっ飛んだ。 結果的に、この余裕で助かった部分もあるけれど・・・・・せめて前向きに考えたい。まあ東の空は雲があったようだし、日出は無理だったろう。 そうじゃないと困る。食えないブドウは酸っぱいに決まってる。

 まずは喉飴とマスクを求めて、そして2タミ搭乗ロビーへ突入。エプロンに突き出した方の端っこまで行ってみる。ナルホドC滑走路まで、近い近い。 かつてフィンガーの屋上まで入れた伊丹を思い起こしつつ、離陸して行くのをぱちり。やはり栄養は採っておかねばと続いて腹ごしらえ・・・・・ 空弁(今なおカラベンと読んでしまうがぁ)と行きそうなところで隣のシウマイ弁当に手が伸び・・・・・駅弁として食べたことが無いような気がして ・・・・・勿論パッケージは持ち帰るとして。もうここで蒐集かい。

 そうこうするうちいよいよ搭乗、いつものようにプッシュバック、そしてタキシング・・・・・・34Rの端まで来たところで、 SKY機がショートカットして先に滑走路へ入った。エンジンに何かくっついて見えるのが、穴に見えてしょうがない。(ぉ

 続いてこちらも離陸。昇りながら右へ旋回・・・・・程なくしてあっさり姿勢を戻す・・・・・あれれ、回り込みが足らんのでわ?  光線と、雲間にちらと見える下界の様子からして、どうやら房総半島を縦断中らしい。もしや・・・・・機長氏の放送が入る。太平洋沿岸を飛ぶんだと。 くそ、今回も左舷窓側を確保していたのだが、これで富士山は逆サイ。残念。ついでに季節柄超アゲインストらしく、到着も遅れるという。ふう。

 と。

 ばきゅっ! ぎゅぎぎぎぎぎ・・・。

 耳がぁ、耳がぁ・・・・・風邪のせいで欧氏管の抜けが悪い。特に左。こんな体調のこんな耳では音楽を聴く気にもなれず、富士山は逆サイだし、 あとは海があるばかりだし、隣で一人旅らしきおねいさんが鹿児島のガイドブック広げているのがちらりと窺えたが(ぉ、寝不足でうつらうつら・・・・・ そのうち機体は高度を下げ、やがて主翼の下に桜島が覗き・・・・・、

 ぎゅぎぎぎ・・・。

 ぐげげ、また耳がぁ・・・・・程なくして着陸、しばらく滑走したところで、エプロンに佇むSKYの767を認ム。あれがそおかあ。 JA767Bであったか、つい一昨日、エンジンが壊れて大変だったんである。いやはや、ADO初乗りがその経営破綻の日だったりした身ながら、 やれやれ、今回羽田2タミに固執せずSKY利用にしてたら、運休に巻き込まれてえらいところだった。エンジンカバーを開けて、何かやってる様子。

 へろへろなままに鹿児島に降り立つ。左耳が戻らない。あくびはいくらでも出るのだが、でんでん抜けづ。ふんっ、と耳抜きをしても駄目。 あまりやると右耳がボコボコになるし。片耳がぼわんとしたままでいると、頭も半分がぼわんとしてくる・・・・・そろそろYSの話に入りたいところだったが、 丁度出払っているようでエプロンにその姿認められづ。ともかく荷物を受け取り、送迎デッキへ上がって、ちらほらご同輩のいる中、 お店広げてリュックから超望遠ともう1台のカメラを掘り出し、まずは1145着の福岡便をぱちり。続いて1215発福岡行き。 最初の手応えがあんまりだったので、次の種子島便着も。まあ軽く挨拶代わりに。

 今日はこのままデッキでのんびり過ごそうかという誘惑もあったが、レンタカーも予約しちゃってるし、そいつを借りに行って、まずは嘉例川駅を覗きに行く。 生憎列車が出たばかりだったが、驚いたことに駅弁屋さんが出ていた。駅前の「ふれあい館」が開いているのは日曜日だけと聞いていたので今日は食べられないと思っていたら、 いかにも駅弁屋然とした格好のおじさんが、無人駅の待合室で売っているのである。ついでにおかずの郷土料理「ガネ」の、おやつで食べる風な単品もある。 ほお・・・・・なかなか好評みたい。いやしかし、明日出直すつもりでいたところへ、今日のうちにこの駅弁が食べられるとわ嬉し。

 コンビニでお茶とデザートの「白くま」アイスを求め、いつもの俯瞰ポイント、上床公園。空は晴れてきて眺めるにはまずまず、ここで遠くにヒコーキを見ながら、 昼食。あー、アイスがヒリヒリの喉に心地好い。そろそろ西日と呼べそうな光線になる頃にはしっかり晴れて、ご機嫌でぱちり。 何度も撮ってる上に手応えも怪しいが、まあ、こういうのは気分だから。

 1600の最後の種子島便が発ったところで、夜の部まで間があるので宿にチェックイン。ぐはー、と暫し寛いでから、滑走路南端へ。 夕闇を降りてくるところを、下からぐわっ、と煽る算段。何度も撮っているが、どうも駄目で・・・・・テクニックの基本がナッてないから(悲)。 それでもごくたまーに、レリーズの瞬間「降りて来る」時が無いでもないのだけれど、そうそう都合良くあるものでもなく。 へろへろ写真を「お芸術」と誤魔化したところで、モヤモヤは晴れづ。

 びぃぃぃぃぃぃぃぉぉぉぅぅぅぅぅぅぅんんんんんんん・・・・・。

 かっっしゃかっっしゃかっっしゃ! 果たして今のは・・・・・頭ぼーっとしててワケ分からづ。

 さて我ながらしつこいが、今回も月の運行に従っての行程で臨んでいたりする。そろそろ月没も近いのだが、しかし空はまたすっかり曇ってしまい、 どこを探してもその気配すら無く。まあまだ初日だし、それよか今日はゆっくり暖かかくして休まねば・・・・・次の最終福岡便の到着まで間があるので、 夕食と入浴剤なんぞを買い込んでくる。

 お次は横からの流し。これも前に撮ったのを再チャレンジ・・・・・出来るだけ速度の落ちていない滑走路端寄りで狙いたいのだが、 そうすると背景が真っ暗で、シルエットどころでもなくなって、なかなか難しい。さて・・・・・お、降りてきた。

 ぶぅぅぅぅぅぅんんぼわぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・。

 うーむやっぱり動きが遅くて流しにくい・・・・・って、ありゃりゃ、なーんか思ったより小さい。前回85mmで撮ってたと思ったら、 どうも135mmだったような気も。しかし今回、135mmは置いて来てしまった。うー、不覚。夜の部専用に、 メインのEOSとは別に渋〜いT90と単焦点の高速玉を持って来たというに・・・・・先細りの中、もうチャンスは無いカモ。

 トボトボ感を引き摺りつつ宿に戻り、風呂で温まって床に就く。左耳、明日起きたらケロリと抜けててくれんかな・・・。