2005.12.4 鹿児島
 ファソラシドレミファソ〜、と鳴るケータイ(ぉ に起こされた。こういう用途もあったわけで・・・・・布団の温もりへの未練タラタラを、えいやっ、 とどうにか振り切り・・・・・そうそう左耳、やれやれ寝ている間にケロリと・・・・・あれっ!? 右耳がヘンだ。右を下にして寝てたからだろか、 いやいやそういうものなのか?・・・・・とりあえず今夜は左を下にして寝るか・・・・・まてよ、ひょっとして昨日も右だったのでわ? ・・・・・なんだかそんなような気も・・・・・いやいやそんなハズは・・・・・あれれ、ホントにどっちだったっけ??  頭蓋骨の右半分に真綿を詰め込まれたような頭で、もうこれ以上モノも考えないことにして、追求は諦め、ともかく目覚めのコーヒーを淹れ、 まだ暗い窓の外を覗く。うー、寒そうだな・・・。

 毎度のことながら、日の出より営業。白む空の感じからしてどうも朝日は期待薄だったが、それならそれで蒼い情景だけでもを狙うとして、 荷物をクルマに放り込んで出動。ターミナル逆サイへやって来ると、あれれYSは・・・・・まさか1機!?  暫くすると手前の機が移動したのか2機いることが判ったが、サーブやダッシュ8を交えての賑わいは変わらずながら、その中にあってなんとも寂しく。 ここを訪ねるようになって3年目、ここに来ていよいよ、あれよあれよといった趣。ともかく、蒼い空気と黄色い照明のコントラストを、 狙ってみる。遠く端の方にはSKYの767。昨日はターミナルのそばにいたのが、もっと隅へ移動したらしい。秋に観たギンギラ太陽's の 「翼をくださいっ!さらばYS−11」で福岡空港で隅に追いやられてた「スカイマークさん」がふと過ぎる。飛べない様はなんだか哀れだったが、 エンジンがアレでは当分は致し方あるまい・・・・・バックの山をからめて、ぱちり。

 気配に目を向けると、どこからか引っ張られてきたサーブが、なにげにHAC。あれれ整備などこっちでやるんだろか? まさか移籍、 だったりするのかしらん・・・?? どこから出てきたのかとエプロンの向こうに目を走らせてて、何か違うことに気付く。 ん?、JACの南寄りの格納庫にでっかく、ノエビアの文字。前がどうだったか覚えてないが、いやいやこれは明らかに記憶に無いぞ。 ノエビアといえば、キレイなおねいさんが「れつごぉ!」とヒコーキ飛ばしてるCMである。そんなわけで個人的には小型のビジネスジェット機などは、 個々の見分けも付かないのでソニーのファルコンだろうが自衛隊機だろうがホリエモンのだろうが、一絡げに「ノエビアジェット」と呼んでいたりしたが、 ノエビア、銀座のショールームにはあのCMに出てくるようなヒコーキの輪切りのようなモンがディスプレイされていたし、 社長が好きらしい、とかいう噂は聞いた気がするけれど・・・・・で、あの格納庫は??

 生憎の曇り空ながら、夜が明けるとサーブがタッチ&ゴーを始めた。いつぞやはYSのそれに出くわしてウハウハだったが、 訓練ならこの時間が空いてるから、ということだろか。そろそろ空港全体が活気を帯びてきて、ピンポンパンポン、 と案内放送の音がこちらまで届いてくる。やがてYS達も出立の準備で忙しくなり、まずは福岡便、次いで種子島便。 バスから続く乗客の列を、ぱちり。エンジン始動のサインなどを、ぱちり。滑走路の逆サイだから間合いがあり過ぎて、ただ撮りました的。 丘珠のタイトさがなんとも恋しいが、今は今見られるものを、記録するのみ。そのうち日が差してきて、キラキラと輝きながら滑走路へ向かう。 ぶーん・・・・・今日も行ってらっしゃい。

 2便を見送って、さて、今日は鹿児島市内へくり出すことにする。嘉例川の駅弁は昨日のうちに食べられたお陰で、 駅前の「ふれあい館」が開くのを待って寄る必要も無くなったので、ぶいぶいと高速ICへ直行。バスで行く方が多分安いだろうし、 そこいらにクルマ止めてパーク&ライドで鉄道というテもあったけれど、クルマなら時間の融通も利くだろうし、 春までにはハイウェイ・カードも使い切りたいし・・・・・晴れたかと思えば雨がザザー、てな具合の中、 休憩に入った桜島PAで「ひよ子」のそっくりさん、「二鶴の親子」をついついゲット。これ関越でも見た気がするが ・・・・・で、アミュプラザの駐車場にクルマを突っ込む。ひゅー、意外と早かったな。

 さぁて、天文館に行っどー。

 その前にお初のアミュプラザをうろちょろ、郷土本などを物色しつつ、市電に乗るかと一日券のつもりがついつい勢いでICカード「ラピカ」を所望。 昔買ってた雑誌のような名前のこのカード、一体いつ使い切るんだか・・・・・あー、また来るのか。(ぉ  とりあえず鹿児島駅まで市電に揺られてウハウハ、ジンベエザメのいる水族館に少々惹かれるものを覚えつつ、天文館まで戻って降りる。

 ・・・要するに昼間はYS抜き。たーだの旅行記と化しているが、さて天文館、やはり、あそこは行かねばなるまい・・・・・「むじゃき」。 あの「白くま」のお店。その存在自体は一応知っていて、食べたという知人からも話には聞いていたが、 ギンギラ の「翼をくださいっ!さらばYS−11」を観た折に、勢いで買ってしまったDVD「ひよ子侍・南国から来た寒いヤツ」 を観てたら無性に、「白くま」が食べたくなったのである。カブレたとも言う・・・・・まあ、YSの縁と言えなくもない。

 ともかく店内へ。早速ちゃんぽんと「白くま」を注文すると、ウェイトレスのマダムが含みのありそうな笑顔で応える。なに? なにかあるの??  ちゃんぽんを食べ終わる頃、そろそろいいですか、とまたその笑顔で言うのではいと答えると、どーん、来ましたね、来ましたわ。 近くのテーブルの女の子のグループがちらちらこっち見て、えっアレが来るのぉ? みたいな顔して盛り上がってるし。 一方、なかなか食べ始めず、カメラを取り替え取り替え写真撮ってる奴というのも、なかなかアレな風情だが・・・。 まあそれはそれとして・・・しゃくっ・・・んん、依然ヒリヒリの喉に、心地好いぃ。そういえば暖房が強いのは「白くま」仕様だろか。 しゃくっ、んん、しゃくっ、んん、しゃくっ・・・・・あ、キた、キた・・・キーン。

 完全脱力乗り鉄を決め込んで、車庫を覗きつつ市電を完乗、中央駅に戻ってダイエーで夕食の買い物・・・・・ あれれいつからダイエーのロゴは小文字になったん? 九州限定? そろそろ夕方の部が近いので、クルマに戻る。 西郷隆盛の家の跡というのをたまたま見つけて覗いて、また高速へ・・・・・昔の鹿児島空港跡、調べておけば良かったな。迂闊であった。 面影は全く無くなっているそうだけれど、道路の具合から僅かに、かつての輪郭が判るとかなんとか。それにしても今日はずっと、 晴れたかと思えば雨がザザー、とワケ分からん空模様。5分後がどっちなのかさえ、全く予測出来ない。 そういえば前にもこんなことがあったわい、と勝手に「鹿児島ウェザー」と命名していたら、 ラジオから聞こえる話では、やはり相当稀なことであるらしかった。折角名付けたのに。

 西日もアテにならないので、1605発の種子島便は見送って、1745着の種子島便を・・・・・ポチポチとiモードで状況チェック、 まだ出発していない様子・・・・・てか、まさかと思ってその前のレグを見ると、まだ着いてないんじゃんか。あらら。一体ナニが。 結局こっちへ着くハズの頃合に向こうを発っていたが、今日の日没は1714、定刻通りならまだ青みの残る空をからめて撮れたものを、 これではもう真っ黒。残念。まあともかく、やってみますか・・・・・今日は後追いで。丘珠から引きずってたりするネタなのだが、 着陸灯に照らされるプロペラ重視。昨夜同様とてもウデが追っ付かない厳しさながら、ともかく、ともかく・・・・・ ほぼ真下近くから後追い、これを出来るだけ安定して追うには・・・・・後屈姿勢で逆様に捉え、追いながら上体を起こす、 名付けてブリッジ撮法。ところがリハーサルするとこれが結構しんどい。そうこうするうちに、ソレと思し着陸灯。およそ30分遅れのアプローチ。 ま、これでやってみるしかないか。

 びぃぃぃぃぃぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅぅんんんんんん。

 おっとっとっとい! 暗闇でカメラ構えたままで後屈して、着陸灯に目が眩んでは、よろけるなというのも無理な相談。ちと無理があったかぁ。

 さて、そろそろ月没が近いのだが・・・・・今日みたいな天気じゃなあ、と半ば諦めていたらなんと! 西の方から晴れてきた! 月齢2くらいの、 細い月が浮かんでいる。おっしゃぁ! 月に代わって突きぃ!・・・などと神奈川ローカルな台詞を口走りつつ、人気の無い暗闇の中、独りガッツポーズ。 おーし移動だぁ! ぶいぶいぶいぶい・・・・・さてさて肝心のYSは・・・・・あ、さっきの種子島帰りのしかいないんじゃん!  これなら目移りすることも無いが、要するに他に選択肢が無い。幸い他の機に遮られることは無かったものの、背後にターミナルビルが聳え、 どうにも機体が引き立たづ。エプロンを照らす照明もやたら煩くて、フレアを抑えるのもままならづ。絞り込んで露光時間が延びては、 月がどんどんブレてしまうし・・・・・その月に時々雲がかかる。最早逡巡している場合ではない。ともかく段階露光しまくり、 アタフタやってるうちに、間もなく月没コールド。ふう。イメージとは程遠いが、これで良しとするしかないか。

 1915の最終福岡便も遅れまくっているようで、結局1時間ほど押しそうな具合。また滑走を流すかと移動して、 寒いのでそれまでクルマの中で待つとして・・・・・

 ぶぅぅぅぅぅぅんんぼわぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・。

 ハッ!!

 しまった、うつらうつらと・・・・・不覚。ちぃ、帰って風呂入ろ。