2006.6.17 高松
 JAC退役まで、あと3ヶ月あまり。一方、昨年暮に種子島でウハウハ以来、早半年・・・・・残された時間を思えば、 そろそろ大散財辞さずモードへ突入しそうなものだが、そう易々と出来る身分でもなく。そうこう言いつつ、さて、今回は四国。 とうとうYSがらみで4つの島を・・・・・それに大島屋久島種子島与論島・・・・・巡ることになってしまった。四国と言えば国鉄時代以来の訪問。 まあ、そっち方面の楽しみもある。しかし今回、そろそろまた出かけねばと思っていたところではあったのだが先の都合が読めず、 「サンライズ瀬戸」で上陸、という夢のようなウハウハプランも立てられづ。この日と決めたのも随分近くなってからのことで、 よっていつものような割引にも与れづ。けれどいつの間にか、49日と言わず 初七日 1週間前とか小刻みな割引が登場しており、 こちらで少しは救われたか。尤も今回、乗る距離の短い順にチケットが高いんだがぁ・・・。

 梅雨である。よって晴れは最初からそう期待していないのだが、思えば雨の中でYSに乗ったことが無かった。窓を伝う雫が、 滑走開始とともに後へ流れ・・・・・脳内で展開される情景に、くぅぅ、見てぇ、と独り盛り上がるのだったがさーらーに、 雲中飛行の揺れまくりへの期待(不謹慎)もちょっとあったりして。どうやら気の早い台風が来る恐れも無い。梅雨前線が余計に暴れたりしなければ、 雨模様のいいとこ取りでウハウハ・・・・・そんな期待を胸に、今回はちょっと寝られたところで羽田へ向かう。こちらではまだ雨は降っておらづ。 そう、ここで降っても鬱陶しいだけである。今回軽装を心掛けていて、やれやれやっと身軽になれると思っていたのだったが、 ふと浮かんだネタのために三脚やら脚立やらで結局、野暮な重装備。駅に着くまでに汗だく(涙)。

 まずは高松へ飛ぶ。JALとANAと前後して便があった。たかが10分されど10分、向こうでの時間を稼ぎたい、というわけで、 先発のJAL。アテンションプリーズ、とこっちから言ってやりたいことが一頃続いてた気がする(ぉ JALだが、今日も大丈夫だろね・・・・・ そういえばANAが引っ越してからは初めてか、と思えば四国へ向かうのは南ウィング。これまでと同じじゃんか・・・。

 荷物を預け搭乗口へ。羽田弁当なるものをかっ込み、その絵柄の入った蓋を丁寧に畳んでしまい、新塗装A300の機中の人となる。 後ろの方の、例のスロープが始まるあたりの席。生憎今回窓側ゲットならづB席。さて機内も落ち着いてきたというのに、出発の気配無し。 無線機持ったおねいさんが乗り込んできて「誰々様ぁ〜、いらっしゃいませんかぁ〜?」と呼びかけた。あっちゃー、そいつ待ちかよ・・・。 機内放送でも客待ちの旨告げられ、暫しの間。やがて母娘と思しき2人が乗り込んできて、通路挟んですぐ斜め前の席に収まった。 それを合図にドアが閉まり、プッシュバック。高速湾岸線を跨いで、2タミ前を北上、16Lから上がるようだったが、RW端の随分手前で停止。 渋滞に巻き込まれたらしい。「只今、離陸の順番待ちをしております。当機は8番目の離陸予定です。時間にいたしますと・・・」 斜め前の席を蹴飛ばしたい衝動に駆られた。

 結局30分近くの遅延で離陸。なんか上晴れてるし。どうせ外見えないのでエンルートなどどうでもよかったが、機長氏、 名古屋通って云々とご丁寧に教えてくれるのが虚しい。あー、富士山の北掠めるくさいな。見えてんのかな・・・・・隣の窓側の人を見ると、 単身赴任なのか出張なのか、仕事の資料ばかり見てまるで外に関心無さげ。くそぉなんで取りやがる・・・・・ それとも、カウンターで訊けば空きがあったのカモ。することないので音楽でも・・・・・こらまた朝から「第九」かい。

 あーれめんしぇんあーれめんしぇんのあたりは寝てたらしい。機はやがて高度を下げ・・・・・今回耳は大丈夫・・・・・ 高松空港、RW26に着陸。この向きということは・・・・・おーし、いた! トリトンブルーのJA8743。 機を降りて、窓越しに遠くYSをぱちり。と、そこへANA機も到着。わお、羽田で抜かれなかったんだ。 JALの顔を立てたのかは知らないが、こちらへ入って来たその鼻先とYSとを交えて、ぱちり。

 里へ降りるバスの都合上、聊かタイトな行程。そこへ到着の遅れが重なり、そもそもカツカツで組むのが甘ぇーんだよというのは重々承知の上ながら、 ともかく滑走路逆サイの「さぬきこどもの国」を目指す。生憎シャトルバスもすぐには無く、待ってる間に悠々向こうへ着けるので歩くことにするも、 外へ出るなり、ぽつ、ぽつと降りだしやがった。今日はまだ降らなくていーんだよ・・・・・ところで滑走路下を逆サイへ通じるトンネルの道まで、 「さぬき空港公園」とやらを道がぐるりと迂回するようになっているのだが、これをショートカット出来れば、徒歩では結構な時間短縮となる。 事前に色々な地図をひっくり返してみたが、中を突っ切れるのかが不明。空港公園がらみの情報をカチカチと探し回ったものの、園内案内図さえ見つからづ。 国土地理院で公開している航空写真を「13デイズ」よろしく拡大してもみたが、グズグズでさっぱり。結局出たとこ勝負で臨むことになり、 さてさて・・・・・道が通じているかと思えば金網。ここかと階段を降りて行くと、また金網。それも真っ直ぐ突っ込んで切れてる。この、 招き入れておいて追い返す造りが腹立たしく思わず周囲にペンチを探したが、どうもかつては通れたものを、何らかの理由で隔てたような ・・・・・そんな経緯などどーでもよろしいが。とにかくトンネルへ至るルートを・・・・・結局、大回りの半分くらいの回り具合でルート確保。 帰りに備えて時間を計りながら先を急ぐ。

 トンネルを抜け、坂を上がる・・・・・いた。トリトンブルー。機種を滑走路に向け佇む、JA8743。先程降りた飛行機の出発が迫る・・・・・ 滑走路を向いたYSと、出発機の取り合わせ・・・・・そのためだけに、この邪魔臭い脚立がここにあると言ってよかった。 雨を避けて翼の下に荷物を降ろし、ここらでどうかと脚立を立てる・・・・・きーんぐぉぉぉぉぉ・・・・・ん−、どうか。

 土日はYSの中を公開している。そういえば佐賀では叶わなかったが、早速中へ・・・・・と、店番のお兄さん、雨なのでもう閉めますとの由。 ぬお。大急ぎで中を見せてもらう。キャビンのシートが赤い。記憶の中のANK機では柄の入った赤と青と思ったが、その赤の方とも違う。 1つ違いのレジのJA8744に乗った記憶があるが、あれも赤と青じゃなかったかな・・・・・この個体のここへ据えられるまでの経歴を、 あとで紐解いてみようか。

 コクピットでのウハウハ記撮もしっかり済ませ・・・・・窓は開けられづ・・・・・お礼を言ってそそくさと外へ。 YSを囲む金網からも出なくてはならず、翼下の雨宿りも叶わずそばの東屋に退避。とりあえずここで暫く眺めることにしていると、間もなく職員と思しき人が現れて、 店番のお兄さんにお疲れ様か何か声をかけたあと、おもむろに撤収作業に取り掛かった。外にある箱を開けてスイッチを操作すると、ういーんと唸りが上がり、 前方のタラップが畳まれていく。ををを。そういえば後方の扉が入口となっていて、こちらには別にタラップが用意されていたのだが、前方はYS自前の、 まーさーにそのもの。ああ、トリトンブルーの機体でこんな光景をまた見ることになろうとわ・・・・・ 佐賀のJA8733は右舷にタラップを据えて左舷は閉め切っているようだった。 各務原のJA8731は自前のを取り外して別にタラップが据えられていた気がする。所沢のJA8732や但馬のJA8734は、 開けているところを見たことがない。

 公開は1000からだったが、30分かそこらで、今日は店じまい。結局今日の訪問者は、私の他に誰かいたんだろか・・・・・ 間隙を突くが如く中に入れたのは、幸運であったかもしれぬ。シャトルバスを待っていたら、アウトであった。また出発機、その滑走とからめて、ぱちり。 せめて首を上げたところで撮りたかったがぁ・・・。

 京浜電鉄ゆかりの電車をぱちりと撮りつつ、雨宿りがてら「こども館」なる建物へ。やれやれと雨に濡れたカメラを拭いていると、やややっ、 窓にYSの絵が。鉄パイプか何かで形作られたシルエットが、正面からの線図となっている。そして両翼にはプロペラが・・・・・ そこだけ本物! 引いて見るとなかなかにいい塩梅なのだが、撮るとなると超広角必須。階段を上るとトライスターのエンジンがあり、 振り返ると飛行機達がくるくる回るモビール。ここでもモヒカンと思しきYSが、プロペラをぶんぶん回して、飛んでいた。 訪れた時には表の実機しか意識に無かったが、うーむ細々と小ネタが続きますな。

 結局、乗るバスを1時間遅らせた。外には飛行機を模した遊具があり、二宮忠八の玉虫形飛行器などなかなか秀逸と見えたが、その中に、 案内看板に具体的に名前こそ出ていないものの、かーなーりYSチックなのが。エンジン・ナセルの筒状のトンネルなど、 後から見ればまーさーにターボ・プロップ。ナルホドねえ、ぱちり。

 そろそろターミナルへ戻ろうかと思っていると、1機プッシュバックを始めていたので、ダッシュでYSのところへ戻り、滑走とからめてぱちり。 今度はRW08で頭上げてるところが撮れた風。これを名残に、来た道をえっちらおっちら、例によって使い切るアテの無い「イルカ」を求め、 リムジンバスで里へ降りる。ことでん一日乗車券を求め、鉄モードへ移行。京急や京王から流れてきた電車と、旧交を温めるような気分でウハウハしつつ、 しゅらしゅしゅしゅと、こんぴらさん参り。船の神様と聞くけれど、そういえば船ってあまり乗る機会が無い。最近乗ったのって多分、 1年前に水上バス・・・・・まあ、飛行機だって「シップ」と呼ぶんだし。