で、台風25号である。当たり年・・・・・という表現が憚られる程に、今年は豪雨やら地震やら大停電やらの災害続きなのだったが、24号が列島縦断しやれやれと一息ついたのも束の間、南の海の渦巻きが見る見る発達してきた。 予想進路では24号より大回りに、朝鮮半島を横切り日本海を進むらしかったが、日を追っても中心線が殆どブレず、あとは暴風域なり強風域なりの規模、それと時間的なタイミングの問題・・・・・どうも連休直撃らしい。 一度上陸するなら勢力も弱まりそうなものだが、日本海の海水温も低そうなのだが、暴風警戒域がそこで窄まる様子もなく、能登半島が暴風域に引っ掛かりそうな勢い。さあどうする。
台風は予想の速度を速め、10/6〜7の間の夜のうちに走り抜ける様子だったが、とうとう能登空港が、10/7 の空の日イベントの中止を発表した。イベント当事者にして2日前になるまで、 その内容すら何らアナウンスを出さないのでおかしいと思っていたが、ギリギリまで判断を待ったのか・・・・・しかし未定すら発しないんじゃ、ただの更新忘れと思うだろー。 ともあれ当日は台風一過だったにしても、前日からの諸々の設営・・・・・地元の歌や踊りのイベントも併催・・・・・を考えれば直撃に等しい話で、中止は止むなしか。
JAA の方はというと、やりまーすと言ってるまま。こちらは2日間だから、全部中止はないということか。
で。
肝心のエアロラボの YS-11 である。当のエアロラボからは何らアナウンスなし・・・・・高松にいた頃には、空港の催しに合わせてエンジンかけたりしていたようで、今回それを期待して訪ねようという算段だったのだが、 空港の催しは中止になってしまった。エアロラボ単独で何かやるなど、考え難い・・・・・しかし、能登空港というより JAA に居候の身、JAA の催しの中では、どうか・・・・・少なくとも JAA 航空祭の情報には入ってないが。 とはいえ JAA も 当日ハンガーから専用エプロンから開放されるし、YS-11 程の機体が丸ごと隠れるような死角は、恐らく無い。実機との対面は最悪遠目にでも、果たせる可能性は大と見た。
となれば予定通り決行である。朝一の ANA747便に乗って、ブロッケンだー富士山だー富山湾だーと堪能しているうちにアプローチ・・・・・と、ぐいっと左に曲がり今度はぐいっと右に曲がり、さらにぐーっと反転して、 RW07で降りた・・・・・反対側と諦めていたターミナル前が見え、まずは JAA の YS が 1機、ターミナルを過ぎ JAA の前に差し掛かると、いた! エアロラボの YS-11。会場内のように見えたが、傍に寄れるのか??
降機し荷物を受け取るなり、まずは送迎デッキへ。JAA の側を望めば、エアロラボ機と、JAA の2機、揃ってこちらを向いている。目を凝らすとエアロラボ機の周囲には人がいないようで、展示ではなく、 ただそこに駐機されているだけ、なのかもしれなかったが、ともあれまずは、3年半ぶりの再会を果たす。乗ってきた機の返しを見送りがてら、それとからめてぱちり。
レンタカーの手続きを済ませ、クルマはそのままに荷物だけ分けて、JAA の会場へ・・・・・ここへは2年ぶり。JAA の教材機を一目、というのが 2年前の動機だったが、目的も果たして、もうここへ来ることもないだろうと、 思っていた・・・・・エアロラボ機が飛来するまでは。つまりは、僅か 2年でのまさかの再訪、というのが正直なところであって。
校舎を通り抜けハンガーを抜けると、いた。元 JA8709 現 N462AL、エアロラボの YS-11。ロープが張られた向こうで、近寄ることは叶わなかったが、展示なのではなく、どうもやはり、普段からそこに駐めてありそうな雰囲気。 JAA の 2機と絡めるにはちと離れ過ぎていたが、まずは今日の「エキサイティングフライトショー」の主役、「REDFOX Airshows」の真っ赤なピッツとからめて、ぱちり。
あれこれ撮って回っているうちに、「エキサイティングフライトショー」の時間。JAA の軽飛行機とモーターグライダーが飛び、ピッツ・・・・・今回クラウドファウンディングで呼んだそうで、パイロットの高木雄一氏も、 ここの OB である由・・・・・ていうか 2年前も観てる・・・・・に、火が入った。抜かりなくその鼻先と、エアロラボ機の垂直尾翼を絡めて、ぱちり。あくまで主役は YS-11(笑)。
ピッツは滑走路を西へ進み、折り返してくる・・・・・実況では低く離陸するような話に聞こえたので、入間でブルーインパルスと毎度絡めているように、JAA の YS の横顔と絡められないかと、エプロンの後ろの方で、陣取る。 やがて反転しこちらへ向かって、滑走を始める。地面を切っても低空スレスレのまま来る。これは・・・・・ナイフエッジ・テイクオフ・・・・・と呼んだかな・・・・・低空のまま90°近くバンク、 六方を踏むような格好でスモークを引いて、手前の YS の鼻先の高さを、過ぎって行った。すげえ。
そして演技に入るピッツ。昇って降りてクルクル回って・・・・・やーなんか、入間航空祭くらいしか行かないもので、展示機との大らかな距離感といい、こののんびりとした中で見上げる複葉機の演技、 素朴に、エアショー、という感じがなんとも心地好く。
お昼は学食でカレーなど食べて、午後は観閲式と・・・・・学年やクラス毎なのか、制服姿の学生が行進してきて、グラウンドに整列、そこをジープ(!)で学長さんが観閲・・・・・一連の流れで、 防大あたりのキレッキレの所作からすれば、ごっこ遊びに見える感は否めないが、学長さん、好きなんだろうなあ(笑)。
そんなこんなで午後もピッツの演技観て、YS の機内で学生さんのお話など聞いて・・・・・機体中央の床下に油圧ポンプがあって、これが結構な騒音を発するとのことで、今更ながらに、 12年前に搭乗した際に聞いた騒音の謎が解決。学生さんありがとう。昔乗ったんですよ〜なんて話も煙たがられるだけだろうから、程々でやめておく(笑)。エアロラボは、特に今年の航空祭には参加していない由。 能登空港の方のイベントは、それ自体中止になったからなあ。
ピッツの演技の後はもう今日は飛ぶ機がないことから、エプロンが大々的に開放され、エアロラボ機の傍まで寄れる。台風が迫っているというのに、昼頃からはもう晴天で、西日の色味を帯びつつある中、 3機の YS 達をぱちり、ぱちり。航空祭終了ギリギリまで粘ろうかと思ったが、雲にかかってしまった・・・・・むうう。
滑り込みで夕暮れのゴジラ岩など見て、翌日。
昨夜のうちに通り過ぎた台風25号の余韻で、昨日とは打って変わって東映状態で波を被るのゴジラ岩見て、禄剛崎灯台やら、蛸島駅跡やら回って、またまた能登空港。イベントのスケジュールが判らないうちに押さえてるから、 2日間まるっと空けてあるのである。まず能登空港の送迎デッキへ上がると、昨日はこっちにいた、赤ロゴの JAA の YS が JAA エプロンへ戻っていて、エアロラボ機と併せ、なんと4機も揃って見える。 往時の鹿児島や丘珠を思わせ・・・・・機数で言えば空自入間基地所属機がもう少しいるらしいのだが、FC の 1機以外は電子戦機である故、任務で出払っているか、いても人前には出てこないから、 これだけ揃うのは日本ではここだけ、と言い切って差し支えあるまい。
ではではと、その 4機の集う JAA へ移動。昨日とは違う並びで、ぱちりぱちり。風は穏やかながら晴れそうで晴れず、今日も予定のピッツの「エアロバティックパフォーマンスフライト」は暫く空の様子を見ていたが、 行けるとなって、またまた昇ったり降りたりクルクル回ったり、撮るでもなくそれを見上げる。それも終わって、大方観るものは観ただろうかと、空港ターミナルへ戻って、4機の YS と定期便など絡め、今回の能登空港訪問を締め括る。
一目だけでも、と訪ねたのが 2年前。これで終わる筈だった・・・・・そこへエアロラボ機の飛来である。3年前に羽田より見送り、高松にいる間とうとう訪ねることも叶わず、かくなる上はとの再訪。 高松時代にそうしていたように、エンジンを回したり、物販もしたり、そんな期待を抱きつつあれこれ手配をしたのだったが、台風がらみで空港のイベント自体が中止、詳細が明かされぬままの中止だったので、 実際のところどんな予定だったのか、そもそもエアロラボが参加したのかは、分からない。故に、再会は果たせたとはいえ、未練も残る・・・。
旧福浦灯台、北陸鉄道内灘駅を寄り道しつつ、小松でクハ489・・・・・これも 2年前に訪ねるも丁度化粧直し中だったもので意外や早くの再訪・・・・・撮って、また翌日。
航空プラザ。
またまた YS-11シミュレータに挑む。開館から 30分くらい回っていたが、申し込むとこの日の 1番だった。人気無いんかいな・・・・・案内されるままに行くと、教官が待っている。2年前とは多分違う人。 初めてですか、と最初に訊かれ、前回の体たらくからして流石に経験者ですと答えるのも憚られ、大体初めてですと答えたが、大体というのもおかしな話では、ある。それはさておき機長席に座り、まずは教官の説明。 フラップはコレねコレを引っ張ってココまで出してスロットルを全開で何ノットで機首上げして何フィートまで上がったらスロットル戻してココでギアアップねレバーはこれフラップ戻して旋回はこうやって進入はフラップココまで出して滑走路の端に突っ込むつもりでスロットル閉じて機首上げ ・・・・・と立て板に水でやられ、飛ぶ前にして頭ン中真っ白(汗)。
いざ始めれば、案の定・・・・・前回よりは、状況を把握する余裕が生まれてたか。やはり 1日貸切で飛びたい。教官は元ファイターパイロットだそうで、マルヨンとファントムを飛ばしてたらしい。 前回の教官はハチロクとマルヨンと言っていたが、たしかに年恰好は一世代若そう。舵の重さなんてこんなもんですかーこれは大変ですねーなどと話してるうちに、次の予約が入ったらしく、シミュレータを後にする。 しかし素朴な疑問として、航空プラザは入場無料の上、YS-11シミュレータはたったの¥500、この後訪ねた粟津公園の尾小屋鉄道ガソリンカーも無料だし、小松市ってのは潤ってるのか。コマツが凄いのかやはり。
その後は鉄やらクルマやらでぶらぶら過ごし、ANA758便で帰途につく・・・・・新幹線より安いんだもんなあ。で、なんだかんだで、どっぷり YS-11 な連休なのであった。こんなのはもう無いであろう・・・・・と考えるところだが、 能登に限っては、どうなんだろな実際。