関節リウマチは、「免疫」が異常をきたし、自分の体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つ。手の指や膝の関節などに炎症が起き、腫れや痛み、関節の変形が生じる。

従来、関節リウマチは根本的な原因を把握することが難しいため、標準治療は「対症療法」、すなわち炎症を沈静化させ、いかに痛みを軽減しコントロールするかが治療の主目的となってた。このために抗リウマチ薬や消炎鎮痛剤、ステロイド剤の投与、関節内ステロイド注入などの薬物療法、そして最終手段として手術療法といったことが行われていた。

その「治らない」とされた関節リウマチの治療を、一変させた生物学的製剤が発売されてから十年。薬は七種類まで増え、治療の選択肢が広がっている。最近では皮下注射薬(自宅でも注射できるということ、従来は通院)の発売が相次ぎ、患者の利便性は向上、選択の幅がさらに広がって来ている。

 生物学的製剤は、バイオ技術(遺伝子組み換え)で作られた薬。特定のタンパク質を体内に入れ、関節の炎症や破壊を引き起こす原因物質の働きを抑える。関節破壊を抑える効果は高く、この種の薬が登場する前には、関節の痛みなどの症状がない「寛解(かんかい)」と呼ばれる状態の患者が一割弱だったのが、最近は四割程度に増えたとのデータもある。免疫機能を抑制するため肺炎などの感染症にかかりやすくなる副作用、体質によって効かない場合もあること、高額なことなどが欠点だが、点滴や皮下注射といった投与法、投与間隔、効く仕組み、抗リウマチ薬の併用の要不要など、それぞれ異なる薬がある。医師と患者が話し合い、体質や生活形態を考慮し、薬剤を選ぶことができる。

初めての飲み薬「トファシチニブ(商品名・ゼルヤンツ)」も今夏、発売された。生物学的製剤と同等に高い治療効果がある反面、感染症の合併が増えるほか、がんになりやすくなる副作用も懸念されている。 従来の注射か点滴に対して「トファシチニブ」は飲み薬で5mgを1日2回服用すればOKで使いやすさは圧倒的だ。免疫機能を抑制するため、生物学的製剤と同様に、細菌やウイルスへの感染を起こしやすくなる副作用がある。さらにトファシチニブで最も懸念されているのは、発がんの恐れだ。厚生労働省の審議会の部会は3月、製薬会社に対し、すべての患者の症例報告を条件に、製造販売を承認した。米国では承認されているが欧州では承認されなかった。

この薬について、日本リウマチ学会は、米国での治験から安全性への懸念を表明している。トファシチニブ使用ガイドライン
 製薬会社は、生物学的製剤以上に慎重に投与するよう添付文書で注意喚起している


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