核酸の有用性(第2回)('03/11発行)

免疫賦活作用

最近、哺乳類の免疲系細胞の表面にある受容体が、細菌などの塩基配列を認識し、免疫系が、賦活されることが明らかになりました。つまり、消化吸収されなくても、腸に到達した低分子の核酸により腸管粘膜に存在する免疫系が賦活される事を意味します。一般に、経口摂取する食物の中の核酸の含有量は1%にも満たないが、腸に到達する核酸の種類や量をコントロールする(例えば、摂取する核酸含量を単鈍に増量する)事により、抗アレルギー効果や抗腫瘍作用等がコントロールできる可能性が出てきたわけである。実際、森永乳業などによる各種の動物実験でも、無核酸食にサケ由来の核酸を添加した場合、液性免疫(Th2系)の抑制と相対的な細胞性免疫(Th1系)の賦活が同時におこり、抗アレルギー効果や抗腫蕩効果が期待されることがわかっています。このような、Th1/Th2バランスシフトは、他の核酸素材でも類似の報皆がされていまして、主に核酸成分による生理機能と推測されています。今後、経口摂取される各種の機能性食品素材(例えば、各種きのこ等)に関しても、生体側の直接認識分子候補(主に、腸管免疫系を介する)として益々注目されています。

細胞死抑制作用

最近、無核酸餌(NF)と、無核酸素材に核蛋白(NP)、DNA,RNA、プロタミン(PT)等をそれぞれ添加した餌をマウスに与え実験した結果、脳神経の細胞死が、NP,PTを与えた場合に予防される事を明らかになっている。つまり、虚血性の神経細胞死予防効果は、核酸ではなくプロタミン含量に依存していたわけである。さらに、同じ実験で無核酸食動物に比較して、NPやPT添加で、血中アルギニン量や尿中窒素酸化物含量が増加していました。

重症ストレスに対する生体防御能の向上

機能性食晶の効能を評価する場合、特定の生理活性物質指標だけを観察していても結局のところ生体防御に対してどれだけ寄与しているかがはっきりとしない。そこで、2週間にわたり、無核酸餌、1.2%核蛋白添加、2.4%同添加1、通常の餌、の4種類を与えたマウスに、毒物を与え、各群の生存率を観察した結果を図4に示します。

その結果、無核酸群の致死率が最も高く、摂食量や体重変化、その他臓器機能に大きな変化がなくても、ストレス耐性が落ちている事が明らかであった。この傾向は核蛋白の添加で改善した。しかし、過剰量と思われる添加では再び致死率が上昇しています。

前号と今号のまとめ

これまでに、サケ由来の核蛋白食の健康医学的、予防医学的な有用性に関して、(1)核蛋白水溶液の遺伝子の酸化損傷抑制効果。(2)細胞性免疫賦活作用(液性免疫抑制作用)。(3)虚血性脳神経細胞死予防効果川(4)重症ストレス耐性の向上、等を明らかにしました。

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