卵巣がん治療のガイドライン作成

 日本婦人科腫瘍学会(理事長:植木大阪医大教授 http://www.jsgo.gr.jp/)は、卵巣がん治療の標準化を目指した初の指針「卵巣がんの治療ガイドライン(金原出版 1800円、税別)」を作成しました。 医療機関の間での治療レベルの格差縮小や、病気について患者と医師が相互に理解を深めるのに活用します。

 
指針では、手術による卵巣の全摘出と抗がん剤の併用を基本としていますが、10〜20代に多い卵巣がんの一種「胚(はい)細胞腫瘍」については、片側の卵巣を温存することを推薦しています。胚細胞腫瘍では、患者や家族へのインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)を経て、片側の卵巣などを温存する手術を「推薦」しています。抗がん剤の使い方も上皮性卵巣腫瘍とは異なっています。病巣の拡大を見落とす恐れがあることなどから、内視鏡手術については実施しないことを求めています。 卵巣がんの9割以上を占める上皮性卵巣腫瘍については、二つある卵巣や子宮などを摘出し、抗がん剤を使用することを基本としています。抗がん剤は、プラチナ製剤のカルボプラチンとタキサン製剤のパクリタキセルの併用を「強く推薦」しています。

 巻末の資料集には抗がん剤の副作用一覧も掲載しています。指針は治療の進歩に合わせて2―3年おきに改訂する予定で、同学会は「診療指針の普及により、卵巣がん治療の安全性と成績の向上を図りたい」としています。卵巣がんは、食生活の欧米化などにより、患者が急増しており、年間約6000人が発病しますが、早期発見が難しく5年生存率は約30%と治療が困難ながんの一つとされています。
 がんの治療指針は、これまでに胃がん(http://www.jgca.jp/guideline/)、食道がん(http://www.esophagus.jp/)、肺がん、乳がんについて作られており、卵巣がんが5番目となります。

'05/04追加 
 卵巣がんの抗がん剤治療は、タキサン系とプラチナ系製剤の併用が標準です。1990年代に始まり、従来と比較して、5年生存率が5〜10%向上しました。抗がん剤を適切に使いこなせる医師に治療を任せたいが、抗がん剤の専門医は少ない。お産や不妊治療が専門で、副作用の予防や対処法をよく知らず、わずかな副作用で治療を中断したり、投与量を減らしたりすることもあるといいます。最適な抗がん剤治療の確立を目指すNPO法人「婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構」は加盟施設一覧を掲載しています。
 先に述べたように日本婦人科腫瘍学会
治療格差をなくそうと、卵巣がんの治療ガイドラインを作成しています。作成に関わった東北大の八重樫産婦人科教授は「指針で治療の目的を確認できる。患者さんもぜひ手にとってほしい」と話しています。
婦人科がんを専門にする医師を選び、病気について学ぶ、それが鉄則です。(読売新聞2005/04/11)


PET/CT 30病院すでに導入
 小さながんでも、迅速に発見できる最先端の画像診断装置「PET(ペット)/CT」を導入する医療機関が急速に広がっています。国内向けに機器の販売が始まったのは昨年末ですが、すでに全国30箇所の病院が導入しています。PET/CTは、増殖するがん細胞が糖分を大量に摂取する性質を利用して、放射性物質を含んだ糖を注射し、身体や臓器の放射線強度を測定してがんを発見するPETとCT(コンピューター断層撮影)を組み合わせた装置です。PETだけ、あるいはCTだけでは見つけにくい1cm未満のがんを発見できるといわれています。PET検査は、がんや心臓病の疑いのある患者さんに保険適用されていて、PET/CT検査もこれに準じています。ただ、治療の必要のない微小な病変が多く見つかる問題点も指摘されていて、病変の見極めが課題となっています


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