前立腺がんの新治療法『高密度焦点式超音波治療(HIFU療法)』

前立腺がんについては当HPでも何回か取り上げていますが、今回は新治療法『高密度焦点式超音波治療(HIFU療法)』です。
最近では早期発見される前立腺がんが増えてきました。早期のがんは手術で完全に取り除くことが可能です。手術に対しては経験も重ねられ、その効果も確認されています。しかし、問題がないわけではありません。例えば、入院期間は3週間くらいになります。出血も少なくありませんし、術後に尿失禁が残ることもあります。高エネルギー焦点式超音波治療法(HIFU)は、そうした欠点を克服できる可能性があります。  
HIFUの原理は、太陽の光をレンズで集めて一点だけを高温にするように、超音波を一点に集めて高温にするものです。この高温になる点を前立腺にもってくるように肛門の方から歯ブラシ状の器具を挿入し、焦点を調節して、がんを治療するのです。超音波の発生や誘導はコンピューターで制御し、同時に医師がモニター画面で監視します。  
HIFUの特長は、まず入院期間が短く、4日くらいで済むことです。また、体を切ることはありませんし、出血したり、尿失禁が起こったりすることも非常に少ないのです。要するに体の負担が軽いのです。また、治療の繰り返しや、再発がんの治療も可能です。ただし、保険適応がありませんので、自費診療(約数十万円)となります。

治療が難しいといわれている腎臓がんやすい臓がんへの応用も開発されていますが、前立腺がんはHIFUによる治療効果が最も高いといわれています。早期前立腺がんには安全で効果的な治療であるといえます。

療法の比較
■ 手術療法
開腹し、前立腺腫瘍を摘出する手術が一般的です。術中の出血とそれに伴う輸血、直腸損傷、細菌感染、手術後の肺塞栓、勃起障害、尿失禁などが問題となります。また、2〜4週間程度と入院期間もやや長くなります。

■放射線療法
欧米では、早期前立腺がんの治療として選択されることが多い治療法です。国内では、合併症があり、手術の危険性が高い患者に用いられることが多いようです。 ただし、正常な臓器、すなわち膀胱や直腸にも障害がでる危険性があります。具体的には、出血性膀胱炎、直腸炎、膀胱直腸瘻、尿道狭窄による排尿障害、貧血、勃起障害などがあげられます。また30回程度にわけて照射するので、1ヶ月以上の入院または連日通院する必要があります。治療後5年から10年後に合併症を併発する場合もあります。

■ホルモン療法 ほぼ一生涯続けなければならず、全員勃起障害になること、肝臓障害、糖尿病悪化の危険性があること、医療費がかかる(3割負担で年間20万円を超える)ことが問題となります。

■HIFU療法 現在は保険適応外のため自費治療となりますが、短時間の入院で治療が可能で、重大な合併症が少なく、治療後の痛みもほとんどありません。又勃起障害も他の治療に比べれば比較的少ないと言われています。 またHIFU治療は以前に放射線治療や内分泌療法を受けていた方でも問題なく、しかも繰り返し実施することが可能です。もちろん他の治療同様、全く再発しないという保障はないので経過観察は重要ですが、早期前立腺がんに対する治療法としては、非常に効果的で、しかも患者様に優しい治療といえます。

合併症について
■術後直腸損傷(0.1%程度) 治療中の熱で直腸にもやけどがおこり直腸に穴があいた例が報告されています。
■術後尿道狭窄(30%) 焼いた組織は一時的に炎症を起こし、尿道を圧迫するので尿道カテーテルをつけたまま退院し、2週間後外来で抜去します。 治療により尿道にも熱が加わりますので、治療後(カテーテル抜去後)に尿道が狭くなる場合があります。この場合は尿道ブジー、尿道切開手術経尿道的前立腺切除手術などによる治療が必要です。
■術後男性機能低下(30%) 勃起を制御する神経も熱により損傷を受けることがあり、術後に勃起しなくなることがあります。
■カテーテル抜去後の尿失禁(5%) 尿道括約筋が熱による影響を受け、尿失禁が続く場合があります。
■尿路感染症(10%−20%) カテーテル留置に伴う膀胱炎、前立腺炎、精巣上体炎などの感染症が発生することがあります。

以上いずれもインターネット上で公表されているものを参考にまとめました。 どの療法にするかは、後遺症も合併症も皆無というわけでもなさそうですので、ご自分でも良く調べて、医師ともよく相談して下さい。まだ実施可能な病院は限られているようです。

<参考> 
筆者の兄がHIFUを受け、退院後に送ってきたメールをつけておきます。
個人差は当然ありますし、おそらく悪いことは書いてはいないとおもいますが参考にして下さい。
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無事手術(2時間半)を終えて 3時半ころ帰宅しました。 
経過は順調です。 実は、君が心配するので言ってなかったけど、今回の手術は前立腺ガンの手術でした。 わたしの場合、早期のガンで、転移もしていなかった。 
わたしが受けたのは、この間 XXさんがあまり良くないといってらした超音波の手術で、これは身体を全く切らないので、切開、全摘手術など、他の手術法と比べて手術後の身体の負担が圧倒的に軽いのです。XX君は切開手術で3週間プラス3週間、友人のXX君も切開で3週間の入院で、いまだに調子がもひとつといっています。
わたしは6日に入院、8日に手術して、麻酔が覚めるまですこしだるかっただけで、9日からは全く体調は普通で、普通に歩けるし、熱もなし。 きょうは列車で帰ってきたけど、家の中では全く普通にしています。しかも 効果は他の方法と同じというのですから、これで直ってしまったらまさに極楽です。 
この手術法は 北里大の先生が開発したもので、学閥の関係で少数の北里系の病院でしか実施されていないのであまり知られていなかったけど、最近急にマスコミに取り上げられ始め、身体への負担がほとんどないことからブームになりかけています。 わたしが八王子の病院に、この先生をはじめて訪ねたときは、手術日は2ヶ月先、といっていたのが、其の1ヶ月くらい後で最終的に決めたときは なんと4ヵ月待ちで、----一部省略。 
8日の先生のお話では、その後も全国から先生を訪ねる患者が増え続け、いまでは 八王子で先生の手術を受けるには 来年の1月まで待ちということだった。 退院後は 身体は全く普通の状態なので、自転車乗り以外は ゴルフ、山歩きなど運動も何でもOK 、でも しばらくは静かにして経過を見ようと思っています。 ご心配ありがとうございました。
XXさんにもよろしく。 
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