疲労と老化の原因は共通

 「現在疲れていますか」という質問に、大体60%の人が「疲れています」と答えるそうです。これは昨年の大阪地区での調査です。そして半年以上続く慢性疲労が39%でした。20年前の総理府の統計では慢性疲労が20%ぐらいでしたので、かなり増えたことがわかります。現代社会はめまぐるしく動き、そのストレスで慢性疲労が増えているのかもしれません。

 疲労を病気の前段階「未病」ととらえる考え方もあります。病気になる前に水際で食い止めた方が医療費削減につながり、健康寿命を延ばすことにもなります。

文部科学省も疲労の研究の必要性を認め、1999年から6年間、26の大学や研究機関が一緒になって研究をしてきました。

私はこの研究を主宰しましたが、結局のところへ疲労と老化の根本的な原因は共通で、細胞の機能が衰えて、エネルギー代謝が低下するためだということがわかってきました。エネルギーというのは、単に活動する為のエネルギーというだけでなく、壊れた細胞を修復する為にも必要なものです。

 エネルギー代謝が低下するのは、細胞を正しく機能させるための成分が不足するからです。それを補えば疲労や老化に対処できます。エネルギー代謝に不可欠な成分は五つあります。ビタミンB1、パントテン酸、コエンザイムQ10、αリポ酸、Lカルニチンです。この5つの成分は、炭水化物(ブドウ糖)や脂肪などの栄養素を細胞内でエネルギーに変えるために働いています。

ブドウ糖をとり込む段階で働くのがビタミンB1とαリポ酸で、脂肪をとり込む段階で働くのがLカルニチンとパントテン酸です。最終的にエネルギーを発生させるときに活躍するのがコエンザイムQ10です。この5つのうち、自分の体内で作れないものはビタミンB1とパントテン酸で、何らかの形で摂取する必要があります。コエンザイムQ10、αリポ酸、Lカルニチンはもともと体内に存在しているのですが、加齢とともに作る能力が落ちていきます。

これらをアンチエイジング(抗加齢)を目的にとっている方もたくさんいると思います。5つの成分は、もちろん、バランスの良い食事でとるのが1番ですが、現在は十分な量をとるのは難しい面もあります。そういう場合は、医薬品あるいはサブリメント(栄養補助食品)での摂取ということが考えられますが、医師、看護師、管理栄養士に相談し、安全で無駄のないとり方を心がけて下さい。

 読売新聞 健康セミナー(現代人の疲労と老化を考える)の基調講演より

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