コレステロールの診断基準改定

コレステロールは脂質の一種で、血液中に増えすぎると血管壁にたまって血管が詰まるなど動脈硬化の原因になると言われている。ただ、コレステロールと一口に言っても、悪玉(LDL)と善玉(HDL)があり、その作用は異なる。従来の診断基準は総コレステロール(LDLとHDLなどを合計した数値)だったため、善玉が多くても治療対象になるなど問題点がかねてから指摘されていた。

これらを受けて日本動脈硬化学会が診断基準を改定した。ポイントは、従来の指標だった総コレステロール値を診断基準から外し、「悪玉コレステロール」とも呼ばれるLDLコレステロール値で診断することにした点だ。

脂質異常症の診断基準

高LDLコレステロール血症

LDLコレステロール値  140以上

低HDLコレステロール血症

HDLコレステロール値   40未満

高中性脂肪血症

中性脂肪         150以上

 LDLが全身にコレステロールを運ぶのに対し、HDLは余分なコレステロールを血液中から回収し、動脈硬化を進みにくくする働きがある。診療指針作成委員長を務めた帝京大教授(内科)寺本民生さんは「日本人には、善玉のHDLが高いために総コレステロール値が高い人もいるので、総コレステロールではなく、LDLで判断した方が合理的」と改定の理由を説明する。(ちなみに筆者は去年の健診では 総コレステロール315、中性脂肪135、HDL100、LDL187 なので、従来の基準でいえば完璧な高脂血症ですが、新基準に当てはめると LDLが少し多いがHDLも非常に多くて問題なしということになります。こういう事実を昔から知っていたのでここ何十年健康診断を受けるたびに治療を勧められてきたが全く治療はおこなっていません。)

今後はこれまでの名称の「高脂血症」に代わり、「脂質異常症」と呼ぶことになった。

さらに、従来の総コレステロールの基準値(220以上)には、「日本より数倍も心筋梗塞が多い米国の基準値(240以上)より、なぜ厳しい数値なのか」など、疑問視する専門家も少なくなかった。もっとも、今回の基準値であるLDL140以上は、総コレステロールでは220程度以上に相当するので、新基準でも、数値の妥当性への疑問は引きずったままだ。(LDL=総コレステロール−HDL−中性脂肪x0.2 なので総コレステロールを240とするとLDLは160以上で良いということになります。)

 さらに、男性ではコレステロール値が高いほど心筋梗塞が増えているが、女性ではコレステロール値と心筋梗塞にあまり関係がみられない、のに何故男女同じ基準値なのか、という問題もある。こうした事情から、米国の診療指針では、女性の場合、血圧、血糖値などに問題がなければ、コレステロールが高めでも治療せず、LDLが190以上とかなり高い場合だけ治療する、としている。 ところが日本の指針では、女性で55歳以上の場合、望ましいLDLの値(管理目標値)は140未満とされ、この数値以上の中高年女性は治療される可能性がある。米国なら「治療不要」とされる健康な女性たちに、過剰な治療が行われる恐れがあるのだ。 ただし、女性でも糖尿病、喫煙、高血圧などの要素がいくつも重なると心筋梗塞を起こしやすい。日本の診療指針も、これらの要素が多いほど治療の必要性は高いとしている。コレステロール値だけでなく、様々な要素を考えて対処することが大切だ。(参考:2007年6月8日  読売新聞)

核酸の基礎知識はここをクリック

いきいき健康ニュース へ戻る