【前立腺がん集団検診、「推奨せず」と厚労省が指針】

新聞報道(9/9読売、8/31朝日など)によれば前立腺がんの早期発見に有効として急速に広がる血液検査「PSA検査」について、厚生労働省研究班(主任研究者・浜島ちさと国立がんセンター室長)は、「現時点で、集団検診として(市町村や職場で)実施することは勧められない」とする初の指針案をまとめた。検診での早期発見による死亡率の減少効果が不明な上、精密検査などによる合併症などのマイナス面が無視できないためだそうです。

がんの集団検診の最大の目的は、検査を受けた集団のがん死亡率を下げることにある。通常、検診は早期発見に有効で、早期にがんが見つかれば、死亡率は下がるとされる。しかし、前立腺がんでは、進行の遅いがんが多く、PSA検診で、自覚症状のない男性のがんを早期に発見しても、死亡率が下がるかは不明だった。そのため、研究班は、国内外のPSA検診の有効性を調べるため約2000本に上る研究論文を検証した。その結果、大半の論文では死亡率の減少が証明されず、減少したとする研究も信頼性が低いと評価した。そのため研究班は、PSA検診の有効性の証明は、「現状では不十分」と判定した。

また検診で発見したがんの27〜84%が、治療の必要のないがんの疑いがありことや、悪性度の高い前立腺がんを自覚症状のない段階で発見しても、現在の医療技術で完治できないことなどが考えられる。精密検査に伴う合併症も、他のがん検診に比べて高いと指摘。治療による性機能の低下、尿もれなども報告され、集団検診として「推奨しない」と結論づけた。 

PSA検診の有効性を調べるため、米国と欧州で大規模な研究が進行中で、研究班は結果がまとまり次第、指針の改訂を検討するとした。また、個人が検査を希望した場合、検査自体を否定するのではなく、検査機関が「治療による死亡率の減少効果が不明であること、不利益について適切に説明すべき」と提言している。研究班は都内で公開討論会を開催し、指針案を成案にし、公表する。

一方、PSA検診を推奨する日本泌尿器科学会は「多くの発見すべきがんが見逃されているのが現状で、甘受できない。」とする見解を公表、指針案に反発している。

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