肝臓がん治療 広がる「ラジオ波」 体に負担少なく 保険適用で

 肝臓がんで亡くなる人は年間3万4000人と言われていて、がんの中では、肺がん、胃がん、大腸がんに次ぐ多さです。B型肝炎やC型肝炎が進行して、肝硬変からがん発症へという患者さんが多いのです。中でも150万人の潜在患者がいるとされるC型肝炎は、肝臓がんの原因の8割を占めています。慢性肝炎や肝硬変で肝臓そのものが弱っているうえに、肝臓のあちこちにがんが現れたり、再発を繰り返したりするのも、肝臓がんのやっかいな点です。

治療法は、従来の手術に加え、おなかの外から肝臓に針を刺してラジオ波という電波の熱で患部を焼くラジオ波治療が、2004年4月に保険適用になり、局所麻酔でできることもあって、急速に普及しています。そのほか肝臓に栄養を運ぶ血管をふさいでがんを兵糧攻めにする肝動脈塞栓(そくせん)治療、肝動脈から抗がん剤を注入する治療といった、独特の治療法が用いられます。

 一般にがんの大きさが3センチ以内と小さく数も3個までなら、手術かラジオ波などの局所治療のどちらも可能ですが、大きさが3センチより大きくなると、手術か肝動脈塞栓治療が行われることが多いようです。がんが4個以上と数が多いなら塞栓治療か抗がん剤治療が一般的です。

 ラジオ波治療は10年ほど前に導入された、電波の熱でがんを焼く治療で、従来行われていたアルコール注入法やマイクロ波で焼く方法に代わり、針刺し治療の主流になっています。局所麻酔で、1個のがんを焼くのにかかる時間は10〜15分ぐらい、入院も1週間程度と手術に比べ短いです。今では手術の2倍以上の治療が行われています。体に負担の少ない治療を求める高齢患者の増加や、04年にラジオ波治療に保険が適用されたことが、背景にあります。

 病院によっては、「がんの大きさが3センチで3個以内」という基準にこだわらずに、大きさや個数の適応範囲を広げている場合もあります。塞栓治療との併用をはじめ、腹腔(ふくくう)鏡の利用や、腹部を開き直接肝臓に針を刺して行う場合も一部にはああります。

 肝硬変が進んでいて手術やラジオ波治療の対象にならない場合、肝臓移植が選択されることもあります。

 ウイルス性肝炎が主な原因である肝臓がんは、再発をくり返すのがやっかいな点で、手術でがんを完全に取りきっても2年で5割、5年では8割が再発するそうです。

 とは言え、肝臓の機能が保てれば、治療は何度でも繰り返すことが可能です。がんが出れば、その都度たたく、肝臓がん治療は“もぐらたたき”に例えられるます。

(参考:2008/02/04 読売)

核酸の基礎知識はここをクリック

いきいき健康ニュース へ戻る