肺がんとEGFR検査

新聞に肺がんの新しい検査方法が掲載されていました。
製薬会社の広告ページでしたが、皆様の参考になると思いますので掲載いたします。
検査についてはお医者様とよく相談なさってください。

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肺がんは世界各国で増加していて、どの国でも最も多いがんの一つです。いま、この記事を読んで下さっている方の中には、肺がんと診断された方、そのご家族も数多くいらっしやると思います。そして医師から”EGFR遺伝子変異検査を受けませんか“と言われた方もいらっしやるでしょう。ところが、「EGFR遺伝子変異検査」について調べてみても、医学解説書には載ってないし、インターネットでも専門家向けの記事ばかりです。困った方も多いのではないでしょうか。

 「EGFR遺伝子変異検査」は、肺がんの患者さんに対して、ごく最近利用可能になった新しい検査で、健康保険で認められています。また、高感度な検査方法の導入により、がんの確定診断時に採取した組織や細胞などを使用して簡便に検査できるようになつています。検査の結果、肺がん患者さんの30〜40%は、「変異陽性」と診断されます。日本を含め、東・南アジアのタバコを吸っていない女性に変異陽性が多いことが分かっていますが、男性やタバコを吸っている方などにもみられます。変異陽性の患者さんには、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFRTKl)を使用した治療が効果を示し、今までの治療薬だけを使用した場合と比べて良い治療ができる場合があることが分かってきました。「EGFR遺伝子変異検査」は、肺がんの治療をしていく上で、欠かせない検査になってきたのです。

 EGFR遺伝子というのは、聞き慣れない名前ですね。いったいそれは何なのでしょうか。肺がんとどんな関係があるのでしょうか。まずがんとはどういう病気なのでしょう。 がんとはなにか、という質問は、医学部学生の試験問題にも出てきます。難しいですね。知っているようでいて、実はよく知らない人が多いと思います。我々の体を作っている細胞の1つが、あるときがん細胞と言われる危険な細胞に変化します。がん細胞は制限無く増える性質を持っていて、どんどん増えて回りの臓器をダメにしてしまいます。また、転移と言って体中のあちこちに飛んで他の臓器もダメにしてしまいます。がんはどういう病気なのか、と聞かれたら、勝手にどんどん増えるがん細胞ができて、それがいろいろな臓器をダメにする病気と答えると満点です。

 では、なぜ制限無く増えるがん細胞ができるのでしょう。我々の細胞には必要なときに増え、不要なときは増えないような仕組みがあり、それは細胞の設計図となる遺伝子(DNA)に書き込まれています。肺がんの患者んのう30〜40%の患者さんでは、肺のある細胞でEGFRという遺伝子にキズが付き(変異が起こり)、設計図がうまく働かなくなってがん細胞になったと考えられます。このような患者さんでは、肺がん細胞を取って「EGFR遺伝子変異検査」で調べると、EGFR遺伝子にキズが付いているのが分かります。

 EGFR遺伝子にキズが付いている肺がんでは、キズが付いているEGFR遺伝子を抑えればがんが良くなるのではないか、と思いますよね。その通りです。キズが付いているEGFR遺伝子を抑える薬がEGFRTKIです。EGFR遺伝子変異陽性、つまりEGFR遺伝子にキズが付いている肺がんの患者さんにはEGFRTKIが効く可能性が高いことが、ここ最近の臨床試験で次々と報告されています。そして、EGFR遺伝子にキズが付いていない肺がんではEGFRTKIは効かないことが多いようです。

 現在、肺がんの治療法は次のように行います。

1.手術でがん細胞を全部取りきれる場合は手術を行う

2.手術で全部取りきれない場合は化学療法と放射線療法の併用、または化学療法

を行う

 手術だけで十分な患者さんの場合は、EGFR遺伝子変異検査を行う必要はあり

ません。手術でがん細胞が取りきれてしまえば、それで十分だからです。化学療法を

行う患者さんの場合は、EGFR遺伝子変異検査を行ってEGFRTKIが効果を示す可能性があるかを調べてもらうといいでしょう。

2009/12/27 読売新聞 アストラゼネカ株式会社広告より転載)

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