狭心症 広まるCT検査

心臓CT検査とカテーテル検査との違い


最近、コンピューター断層撮影(CT)による狭心症の診断法が広まってきました。

最近ではCTに避けられない放射線(X線)被曝(ひばく)を少なくする技術開発も進んでいます。

■入院不要で撮影数秒

 静岡県に住む50代の男性は2009年、胸の痛みを感じて、千葉西総合病院(千葉県松戸市)を受診しました。心臓CT検査を受けて冠動脈が狭くなっている部分があることが判明し、その日の内に手首から細い管(カテーテル)を入れ、狭くなった冠動脈の内側を金属の細い筒(ステント)で広げる治療を受け、翌日退院しました。
 三角和雄院長(循環器内科)は「心臓CT検査によって狭心症の症状がある患者さんをすぐに調べ、悪いところを見つけ次第治療できます」といいます。 これまで、治療方針を決める検査は、冠動脈のカテーテル検査が一般的でした。
 三角院長が挙げる心臓CTの「四つのメリット」は、
 (1)動脈にカテーテルを入れないから安全
 (2)動脈に針を刺さないから痛くない
 (3)外来ででき入院が不要
 (4)患者の経済的負担が少ない、などです。
ただ、カテーテル検査の場合、検査の際に狭窄部分がみつかり治療可能であれば直ちにステントを措置できるケースもあります。

 この病院では、カテーテル検査だと5万〜10万円ほどになるが、心臓CTの費用は他の検査や診察を含めて公的医療保険の3割自己負担で2万円ほどで済みます。 従来のカテーテル検査では、針を刺して腕の動脈からカテーテルを入れて冠動脈に造影剤を流してX線撮影するので、多くの場合入院が必要となる。
 CT検査では、造影剤を腕の静脈に注射して冠動脈の状態を調べます。この数年で普及したX線検出器を64列以上配置した機種の登場で、細かい冠動脈の画像も撮れるようになったきています。同病院は256列の機種を導入しています。
 CTには弱点もあり、脈拍が速いか、不整脈があると心臓の画像がうまく撮れない。そのため、脈拍を遅くする薬を使う病院も多いが、最新のCTでは改良が進み同病院では薬を使わなくても、不整脈の患者の画像を撮れるようになってきている。


■被曝量を減らす試みも

 心臓CT検査はX線を使うため、患者の放射線被曝が避けられない。被曝線量は1回10ミリシーベルトを超える場合が多く、病院で受ける検査の中では低くはない値です。冠動脈カテーテル検査では、5ミリシーベルト程度ですみます。
 3月の福島第一原発事故による放射線の健康影響が問題になっていることで(年間20ミリシーベルトで計画的避難地域指定です)、医療による被曝をなるべく減らしたいと考える人も少なくなく、新しい技術の導入して心臓CTによる被曝を大幅に減らす試みも始まっています。

 江戸川病院(東京都江戸川区)では、心臓の拍動に対応して必要なタイミングでX線を照射する技術の導入や、患者ごとにX線の強さを細かく調整する工夫で被曝線量を減らしました。
 慶田毅彦・循環器内科部長と診療放射線技師の佐藤英幸さんによると、2010年1月〜11年7月に行った心臓CT検査で、従来の方式で撮影した場合は被曝線量が平均12.5ミリシーベルトだったが、新しい技術を使うと平均1.7ミリシーベルトと、8割以上減らせたそうです。患者によっては1ミリシーベルト以下にできたケースもあります。ただ、不整脈がある患者さんは、この技術ではうまく撮れず、新技術を利用できた患者は全体の約半数でした。

 桜橋渡辺病院(大阪市北区)は今年4月、あるCTメーカーが開発した被曝を減らす最新技術を全国に先駆けて導入した。従来の被曝量は12ミリシーベルト程度だったが、心臓全体の状態を見る場合でも2〜3ミリシーベルトに、狭くなった冠動脈の状態を見るだけなら、0.25〜0.5ミリシーベルトになるという。
 小山靖史・心臓・血管センター画像診断科長は「子どもや若い人などでは特に線量を減らす方法を選べます」という。


 心臓CT検査は全国の大学病院や循環器内科がある主要な病院などに広く普及しているが、設置されているCTの性能や検査の実施数はまちまちです。医療機関によってはホームページやパンフレットで検査の方法や費用などを説明しているので参考にしてください。 (朝日新聞デジタル 2011/10/26 を参考にしました。)


参考例
関西ろうさい病院

アール・ティ 2010/05号 心臓CT検査の現状と今後の可能性 


核酸の基礎知識はここをクリック

メシマコブの基礎知識はここをクリック

いきいき健康ニュース へ戻る