コエンザイムQ10の基礎知識
1.酵素とは
2.補酵素とは
3.コエンザイムQ10も補酵素だ
4.コエンザイムQ10とは?
   (もともとは医薬品です。)
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1.酵素とは?

人間の体は、約60兆個の細胞からできており、それぞれの細胞は食物から取り入れた栄養素を燃やして、生きていくために必要なエネルギーを作り出しています。しかし、人間の生命活動は消化だけではなく、呼吸をしたり、筋肉を動かしたりと多様です。そのすべての生命活動のための化学反応に「酵素」は活躍しています(化学反応の触媒ですね)。酵素はたんぱく質からできていますが、ミネラルに巻き付いた構造をしているものもあります。中心になるミネラルの種類やたんぱく質の巻き付き方によっていくつもの種類があり、現在発見されている酵素は約3,000種です。消化を助ける消化酵素以外に、代謝酵素や食物酵素などがあります。

CQ10、コエンザイム酵素にはこんなものがあります。

消化酵素

食物から摂取したデンプンをブドウ糖に分解するアミラーゼ、たんぱく質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ、脂肪を脂肪酸に分解するリパーゼなどがあります。

代謝酵素

吸収された栄養を体内の細胞に届けて効果的にはたらくのを助けたり、毒素を汗や尿の中に排出したり、体の悪い部分を修復するはたらきがあります。

食物酵素

加熱されていない食べ物や発酵食品には酵素が含まれています。例えば、生の野菜や果物、肉や魚にも含まれているし、みそや納豆などの発酵食品にも含まれています。

2.補酵素とは?

消化や代謝、はたまた食品の中に含まれて発酵を助けるなど、さまざまなはたらきのある酵素ですが、酵素だけではスムーズに働けない酵素もあります。そこで、登場するのが「補酵素」です。 例えば、体内でAが酸化されてBになる(Aから水素が取り除かれる)という酵素反応が起こる場合、Aの水素を引き取る相手がいなければ、酵素やAがたくさんあってもBを生成することはできず、そこで反応は止まってしまいます。この水素の引き取り手が「補酵素」というワケなのです。
ある種の補酵素は、主に食事で摂取したビタミンからつくられています。

コエンザイムCQ10補酵素としてはたらくビタミンたち

ビタミンの中でも、特にBのビタミンは、体内で代謝に関与する補酵素の構成材料として重要な生理機能を持っています。
例えば、ビタミンB1は糖質代謝の補酵素として、ビタミンB6はアミノ酸やたんぱく質代謝の補酵素として、ナイアシンは酸化や還元などの脱水素酵素としてはたらいています。
これらのビタミンがなくては反応がストップしてしまうくらい重要な補酵素です。

3.「コエンザイムQ10も補酵素だ!

みなさんは「Q10」という言葉を聞いたことがあるでしょう。「コエンザイムQ10(コーキューテン)と呼ばれる物質も補酵素で、人間の生命活動になくてはならない存在なのです。厳密には、ビタミンの定義(「微量で体内の代謝に重要な働きをしているにもかかわらず自分で作ることができない化合物」)には当てはまらないためビタミンではありませんが、ビタミンと同じようなはたらきをするため、「ビタミンQ」とも言われています。

CQ10「コエンザイムQ10」には別名がある!

英語で酵素のことを「enzyme」といい、これに補うという意味の「co」が付いたものが「coenzyme=補酵素」です。また、コエンザイムQ10は、別名「ユビデカレノン」とか、「ユビキノン10」と言われ、その語源はラテン語の「Ubuiquitous(普遍的に存在する)」からきています。

コエンザイムの構造式

4.「コエンザイムQ10ってどんなもの?

体内の生命活動のために酵素が潤滑にはたらけるよう、助けるのが補酵素の役目です。コエンザイムQ10もそのひとつで、黄色からオレンジ色の結晶状の物質で、匂いはなく水にはほとんど溶けません。
このコエンザイムQ10、実は人間が生命活動を営むために必要なエネルギーを作り出すのに重要な関わりがあります。体内でエネルギーを作り出しているのは、全身の細胞に含まれているミトコンドリアという小器官で、1細胞当たり50200ほど含まれています。このミトコンドリアは、人間の生命活動に必要なエネルギーの約95%を産生する一大エネルギー工場なのです。そして、このミトコンドリアにコエンザイムQ10は多く含まれ、エネルギー産生に一役買っているのです。
また、コエンザイムQ10は人間の体内のすべての細胞に存在しますが、その濃度は部位により異なり、心臓には多く含まれており、不足すると心臓に影響が出やすいとも言われています。

部位別コエンザイムQ10の量

コエンザイムの量

 

 

 

 

 


CQ10コエンザイムQ10とアミノ酸、どこが違うの?

アミノ酸とはたんぱく質を構成している最小の物質で、約20種類あります。人間の体を作っているたんぱく質は約10万種類あると言われているが、すべてわずか20種類のアミノ酸でできています。コエンザイムQ10はビタミンに近いはたらきをするビタミン様物質で体力向上、美肌効果など、メリットは似ていますが、別々の物質なのです。

CQ10どんなふうにエネルギー産生するの?   

体内のエネルギー工場である細胞内のミトコンドリアでは、どのようにエネルギー産生が行われ、コエンザイムQ10がはたらいているのでしょうか?

人間が筋肉を収縮させたり、呼吸をしたり、何か考えたりするには必ずエネルギーが必要です。そして、そのエネルギーを得るために食事をします。それは、車が走るためにガソリンが必要なのと同じです。
そして、食事から摂取したエネルギーは、すべて化学エネルギーとして供給され、このときのエネルギーが「ATP(アデノシン三リン酸)」と呼ばれるものです。

糖質やたんぱく質、脂質などの栄養素をエネルギーに変換する回路には、それぞれ「解糖系」「TCA回路(クエン酸回路)」「電子伝達系と呼ばれる3つがあります。
食事から摂取した糖質は、ブドウ糖になり、解糖系と呼ばれる経路によりピルビン酸まで変化します。さらに、このピルビン酸はTCA回路に入り、電子が発生し、発生した電子は電子伝達系に送られ、酸化されて水になります。この酸化の過程で発生する大量のエネルギーを利用してATPを合成するのです。その時に必要なのがコエンザイムQ10です。
ここでコエンザイムQ10が不足するとエネルギー工場のはたらきもストップしてしまい、エネルギーが産生されなくなるため、コエンザイムQ10は欠かすことのできない存在なのです。

コエンザイムなぜ、不足するの?

これほど欠かすことができないコエンザイムQ10ですが、不足してしまうことがあります。

原因1.加齢

コエンザイムQ10は、体内での合成と体外からの補給という2つの方法で供給されていますが、体内で合成されるものは20歳をピークに40歳ごろからどんどん減少していってしまいます。特に、心臓や肺などの臓器での減少が目立ちます。

原因2.食生活

イワシやサバなどの青魚やウナギ、牛に多く含まれるコエンザイムQ10ですが、さまざまな研究により健康維持や老化防止のために目安として13060mgの摂取が推奨されています。しかし、30mgコエンザイムQ10を摂るためには、イワシなら6匹分、牛肉ならなんと950gも必要なのです。実際、食事だけではなかなかまかなえず、上手にサプリメントなどで補給するのも賢い方法です。

原因3.病気

病気にかかってしまうと、血中のコエンザイムQ10の量が減ってしまうことも確認されています。例えば、健常者の心臓の血中コエンザイムQ10濃度は0.81.0μgmlであるのに対し、心臓疾患者では0.5μgml以下。そのほか、糖尿病や肝硬変などの病気でも血中コエンザイムQ10濃度は低くなっているのです。(資料提供:日清ファーマ)

加齢によるコエンザイムQ10量の減少         加齢によるコエンザイム量の減少食物中のコエンザイムQ10の量
      食物中のコエンザイムの量 

コエンザイムCQ10コエンザイムQ10、もともとは医薬品だったのです!

1950年代初期

ユビキノン発見

1974

世界ではじめて医薬品としてコエンザイムQ10を販売

1980年代初期

延べ600万人の心疾患患者が使用

1991

一般医薬品として薬局薬店で販売を開始

2001年 

厚生労働省がコエンザイムQ10を食品としても位置付ける

コエンザイムQ10は、日本ではもともと心臓疾患の医療品として使われてきました。2001年の食品規制の緩和により健康食品として販売されるようになり、私たちの身近なものになってきたのです。
アメリカではすでに10年ほど前からコエンザイムQ10のサプリメントが販売され、サプリメント以外にもスポーツドリンクや歯周病予防の歯磨剤、基礎化粧品なども発売されています。


疲労と老化の原因は共通(h18/10追加)

「現在疲れていますか」という質問に、大体60%の人が「疲れています」と答えるそうです。これは昨年の大阪地区での調査です。そして半年以上続く慢性疲労が39%でした。20年前の総理府の統計では慢性疲労が20%ぐらいでしたので、かなり増えたことがわかります。現代社会はめまぐるしく動き、そのストレスで慢性疲労が増えているのかもしれません。

 疲労を病気の前段階「未病」ととらえる考え方もあります。病気になる前に水際で食い止めた方が医療費削減につながり、健康寿命を延ばすことにもなり

す。文部科学省も疲労の研究の必要性を認め、1999年から6年間、26の大学や研究機関が一緒になって研究をしてきました。

私はこの研究を主宰しましたが、結局のところへ疲労と老化の根本的な原因は共通で、細胞の機能が衰えて、エネルギー代謝が低下するためだということがわかってきました。エネルギーというのは、単に活動する為のエネルギーというだけでなく、壊れた細胞を修復する為にも必要なものです。

 エネルギー代謝が低下するのは、細胞を正しく機能させるための成分が不足するからです。それを補えば疲労や老化に対処できます。エネルギー代謝に不可欠な成分は五つあります。ビタミンB1、パントテン酸、コエンザイムQ10、αリポ酸、Lカルニチンです。この5つの成分は、炭水化物(ブドウ糖)や脂肪などの栄養素を細胞内でエネルギーに変えるために働いています。

ブドウ糖をとり込む段階で働くのがビタミンB1とαリポ酸で、脂肪をとり込む段階で働くのがLカルニチンとパントテン酸です。最終的にエネルギーを発生させるときに活躍するのがコエンザイムQ10です。この5つのうち、自分の体内で作れないものはビタミンB1とパントテン酸で、何らかの形で摂取する必要があります。コエンザイムQ10、αリポ酸、Lカルニチンはもともと体内に存在しているのですが、加齢とともに作る能力が落ちていきます。こ

れらをアンチエイジング(抗加齢)を目的にとっている方もたくさんいると思います。5つの成分は、もちろん、バランスの良い食事でとるのが1番ですが、現在は十分な量をとるのは難しい面もあります。そういう場合は、医薬品あるいはサブリメント(栄養補助食品)での摂取ということが考えられますが、医師、看護師、管理栄養士に相談し、安全で無駄のないとり方を心がけて下さい。
読売新聞 健康セミナー(現代人の疲労と老化を考える)の基調講演より



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