UNDER GROUND story

第一章

「・・・・・あれ、ここ何処?」
「う〜ん、何処だろうねえ。」
「うわっ!びっくりした。誰かいるの?誰?」
「うるさいなぁ、大声出さないでくんない?おまえこそだれなんだよ。あのさ、俺、かなり眠いんだよね。まぁ別に君が誰でも、俺には関係無いけどさ、眠りたいんだよ。俺。あっち行ってくんないかなぁ?」
「あっちってどっち?」
「あっちはあっちだよ、自分で探してくれよ。」
「そんな事言われてもここ暗くて、何も見えないじゃん。ここ何処?そんでもって、君誰?」
「ちょっと、どっか行ってくれよ。」
「どっかって言われても・・・・」
「・・・・じゃ、一回だけ答えてやるよ。一回だけだぞ。な。そしたらどっか言ってくれ。」
「分かったよ。どっかって言われても何処に行けばいいのか分からないけど。」
「俺は・・・・・俺は、俺は?誰なんだろう?」
「分からないの?」
「分かるよ!俺は・・・え〜と、お前ではない誰かだ!で、ここは・・・う〜んと・・・そうだ!ここは暗闇だ。そうそう、暗闇、暗闇。そうだった。ここは暗闇だ・・・・・・・ったん・・だよ。おっけー?分かったか?じゃさよなら。機会があったらまた会おうぜ。じゃあ、俺は寝る。お休み・・・」
「ちょっとぉ〜!」
「ううぅうううるせえええぇぇぇんだよぉおおおお〜!一体何だってんだよ〜、俺が何かしたか?何もしてない。おまえが勝手にやってきて、俺の大事な睡眠を、じゃましてるんじゃないか〜!どっかいけ〜!どっかいけったら、どこかにいってしまえ〜!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あら・・・・・どっかいったの?もうどっか行っちゃったの?・・・・・・何だよ。・・・・寝よっと。」
「いるよ。」
「うわっ!!何だよおまえ!びっくりするじゃないか!いるんならいるっていえよ!」
「・・・いるよ。」
「分かったよ。じゃあどっかいけ。」
「ねえ」
「なんだよ!!って俺、何回言ってるんだ・・・。」
「何か、光るもの持ってない?懐中電灯とか、マッチとかさ。」
「光るもの?・・・ってなんだ?」
「だから、懐中電灯とか・・」
「懐中電灯って?」
「マッチとか・・」
「マッチって?」
「え?」
「えっ?って?・・・何?」
「知らないの?」
「何を?」
「マッチとかさぁ」
「近藤雅彦?」
「違うよ。・・・・ねえ、ふざけてる?」
「ふざけてない。真剣に、マッチは近藤雅彦しか知らない。」
「うそ」
「ほんと」
「マジで?」
「マジで。」

<つづく>