毎度おなじみ、ツアータイトルが紗(しゃ)のスクリーンに映されステージの前を
覆っています。今回はアルバム「musee」(本当は二つ目のeの上に’があります)発売に
関連した同名ライブツアー、その新宿公演初日でございます。
自分でもMCで、「歩いて10分のところなんです。つけてこないでね(笑)」という程、
近所にお住まいの真梨子さんのご町内ライブ。
今夜の観客の年齢層は高いです。「しっとりムード」とMCで言われる程。
今回は3月に出た2枚組みベスト盤と新作「musee」からのナイスセレクション。
ニューアルバム収録9曲のうち7曲も歌ってくれました。
場内が暗くなり、1曲目のイントロが流れ出すと、紗のスクリーン越しに、
ステージ奥に真梨子さんがスポットライトを浴びて浮かび上がります。
曲(1)のイメージに合わせてステージ奥のスクリーンに雲が流れたり、月夜の場面などが
映し出されています。スクリーンを多様するのがよくある演出パターンですね。
新しい趣向があったのは、歌詞をそのままスクリーンに映し出した(15)。
スライドかと思ったら、曲が進むにつれて、文字が重なったり、変形したりして、
ビデオ映像を処理していたんですね。効果的だがあまりしょっちゅう使えない演出。
今回の新作は自身でもお気に入りだそうで、私も本当に良い曲がつまっていると思います。
タイトルの「musee」は美術館の意味。絵にも様々なタッチ、画法があるように、
この新作の味わいもラテン調(11)あり、ムード歌謡調(12)あり、歌い上げ(15)ありと
バラエティ豊か。
それでいて、シッカリとベスト盤からもヒット曲を選んで、うまく調和していたと思います。
いつもは終盤に持ってくる「for you」を中盤に設けながらも、最後はライブから生まれ
ベスト盤収録にまで成長した(?)(16)で締める構成もワンダフルでございました。
とてもバンドの余興とは思えない程の「HENRY BAND PLAY」は今までの集大成とでも
言えそうな複雑かつ豪華なもの。
タップダンスにケルト風ダンス、ドラム&シンバルの連打とか、それはそれは見事なもの。
いつも可哀相なのが、ちょっと髪の色が白いからと年寄り扱いされる
キーボードの小松崎さん。
本当は真梨子サンのダンナ、ヘンリーさんが最年長なんですよね(若く見えます)。
CDとは違ったバージョンが見られるのもライブの素晴らしいところです。
今回もベスト盤メドレーのようなところで、フルート合奏、サックス合奏といった
ジャズっぽい味付けもあり、儲かった気にさせてくれました。
色々と趣向を凝らし、変化をつけようとしている選曲・演出の中、
落ち着いた変わらない統一感もうれしいもの。
先に書いたスクリーン映像の多用、垂直的なデザインのセットと照明の当て方とか。
MCも基本パターンは同じですが、更にお話しが長めになり、親しみやすくなりました。
ここ2、3回は母親を亡くした話が深刻なイメージを出していましたが、
この夜も出てきたとはいえ、時が過ぎてまた前向きな気持ちが現れていました。
「この歳になると長い目でみてくれる友達が欲しいです。
私って第一印象がダメ、暗いんですよね。いつまでも友達でいて下さい」とあいさつして
幕が下りました。とってもあたたかな、ファミリー感覚のするステージでした。
ただ、今までずっとあった、紗幕にキャスト、スタッフロールが映画のように映される趣向が
今回なくなったのは寂しい感じがしました。
そうそう、そういえば「今夜は徳川秀忠公が来られてます。」と
客席にいる俳優・西田敏行氏の紹介がありました。
終演後、控え室へ行く氏の姿を見ました。本の一瞬ですが。
ということで、次回は「府中の森芸術劇場(9月2日)」。
ファンクラブ先行でチケットが取れ、年末公演も申込み中。
*本日の曲目(カッコ内は収録アルバム名)
(1)デルタ(musee)
(2)迷い鳩のように(MELLOW LIPS)
(3)ごめんね・・・(RIPPLE)
(4)はがゆい唇(Lady Coast)
*WOOD WIND ENSEMBLE
(5)とまどい小夜曲(Lady Coast)
(6)桃色吐息(Triad)
(7)そっとLovin' you(Couplet)
(8)Silent Love(musee)
(9)恋ことば(two for nine)
(10)for you・・・(Dear)
*HENRY BAND PLAY
(11)ボニータ(musee)
(12)黙秘権(musee)
(13)背中から撃たないで(Triad)
(14)幸せのかたち(musee)
(15)Painter〜アグリジェントへ戻りたい
(16)グランパ(Eternally)
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EC1 ハッピーエンドは金庫の中(RIPPLE)
EC2 フレンズ(two for nine)
EC3 貴方と(musee)
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