★これこれ、これぞ逗子の雰囲気
17時に職場を脱出、開演ギリギリの18時40分に会場入り。
遠くに江ノ島が見え、目の前は太平洋、バックにはリゾートマンションに囲まれ
ヤシの木が点在する会場内は客で埋まっていて、開演を今か今かと待っています。
今日はブルーブロックの50列でございます。
★ステージは3階建て
高さが少しずつ異なった鉄骨の柱が、Wの文字のようにそびえるメインのセット。
左右には釣鐘を下げたような、これも高さが異なる半円球形の照明が見えます。
中央の大階段(段差が大きく急勾配に見えました)を上がると2階にもステージ。
後で分かりますが、更にその上に3階のステージ、という仕掛けです。
★Yの曲はやはり・・・
18時50分、場内に流れていた音楽が消え、バンドメンバーの姿が見えると
さりげなくイントロが流れ始め、やんやの拍手が巻き起こります。
こ、これは、(1)灼けたアイドル です。
軽めのサウンドはアメリアッチ風でしょうか、大階段の左側前列、左から田中さん、
中川さん、後列左に村石さん、武部さん、大階段右側前列に左から市川さん、コーラス隊、
その後ろにパーカッションの小野かほりさんという配置。
白のカウボーイハットとスパンコールを散りばめたショートパンツルックでユーミン登場。
かすかに炊かれたスモークが海風に乗ってステージをかすめていきます。
「こんばんは。3年ぶりの逗子。帰って来たって感じです。ここから見える海も建物も空も
全然変わってないみたい。思い切りやります!」と歌の後に元気良く第1声です。
★逗子らしい曲が続いてゆきます
(2)瞳を閉じて では照明がピンク色に変わり、薄暮の景色の中
実にロマンティックなムード、(3)Cowgirl Blues では、黒のTシャツ
(インナーと言うのか)に白スラックスのコーラスが前で出て来て手拍子をパフォーマンス。
投げ縄の格好と、ガンポーズに機械的に反応してしまいますネ。
(4)夕涼み では大階段を上がって2階ステージへ。
ここで4名のダンサーが登場。色違いのレース地のヒラヒラしたスカートに、
上体には白いモノを胸のあたりで結んでアクセントを付けた衣装。
ティナさんが中央でスキャットを見せ、中川さんも2階のステージでギターを奏でていると、
ユーミン早変わりで再登場。
ダンサーと似たヒラヒラドレスに変身。オレンジ色の照明が当たっています。
★最初のMC
大階段を降りてきての最初のMC。(ニュアンスを書いてます)
「日も暮れてまいりまして、とてもきれいです。ご存知かと思いますが、少し前まで
"Frozen Roses"ツアーをやってました。これはすごく長くて、長いだけでなく、
パフォーマンスだけというのがとても大変なことで、限界までやったというか、
終わると廃人同然でした。
逗子が出来るかって思ったんだけど。声も壊れる寸前、幻聴が聞こえたり、
医者にもかかったりして、寸前のところでセーフでした。
でも逗子をやるっていうモードになったら、精神的にも肉体的にも復活して、
冬の苗場、夏の逗子はリハビリの場だとあらためて思えました。
次はご当地ソング、もろ湘南の曲です。」
(5)天気雨 。
ステージを照らす照明にも模様が入り、間奏でも軽くスイングするユーミン。
だんだん調子が出てきたようです。
(6)よそゆき顔で 。
このあたりになるとすっかり闇に包まれてきて、鉄骨への照明が本当に綺麗です。
めったに聴けない曲で、懐かしい感じもしてきました。
この曲の終盤、歌い終えるとユーミンを先頭にバンドメンバーを引き連れ、
ステージを下りて、ブルーブロックの最前列の前を行進、オレンジブロックの
先頭あたりへ移動すると、そこには特設ステージが!
★素晴らしい新曲、静寂の観客席
その特設ステージにはピアノが置かれ、ユーミン、メンバーが揃うとゆっくり上昇。
「今回新しい試みとして、弾き語りとアンプラグドを一緒にやります。
これからおおくりするのは新曲なんですけれど、一応インフォメーション。
9月20日に発売。日本テレビのシドニーオリンピックのテーマです。
"Frozen Roses"ツアーの最中に作ってレコーディングしました。自分を励ます意味もあり、
タイトルは(7)"PARTNERSHIP"です。」
東京国際フォーラムではスキャットだけだった新曲が今、ベールを解かれ
ついにお目見えです。
「あなたの目にあしたの空がうつるなら 私はきっと土砂降りの中ついてゆこう・・・」
場内はこのステージ部分にだけ照明があたり、空には三日月がぼんやり、
客席は静まりかえっています。
こういう逗子の雰囲気は初めてで、とても新鮮な感じがしました。(Cf.日刊スポーツ記事)
ノリだけが野外ライブの醍醐味じゃないですよね〜。
それにしても自分の席からは、照明塔の足に重なってほとんど表情が見えないのにガックリ(泣)。
東京国際フォラームの紹介の時に、「2番が盛り上がっていくのですが」と語っていたように、
後半、グッと力強いメッセージを込めて盛り上がるラブバラード。
ダウンロード試聴版はワンコーラスだけですから、ここで聴けた方は感激もひとしおでしょう。
そして、ひき続き、カップリングとなる(8)So long long ago 。
愛にさすらってきたこれまでを綴ったような歌詞だったと思います。
ギターサウンドの効果か、とても土の香りのする、カントリーフォークロックっぽい感じでした。
★いよいよ・・・
特設ステージにはユーミンだけとなり、始まる(9)航海日誌 。
実は新曲の前からステージ3階には巨大モニターが下から出てきていたのですが、
それまでは何も映ってはいませんでした。
この静かな曲の2コーラス目、ユーミンがプールへ移動し、水面上のスライディングステージに
乗る頃になると、やっとモニターにも映像が映りだします。
いつの間にか水面上には小さな明りが点々と灯されているのです。
それはプールの脇のほうに線状に、そして円形となって水中を移動しているのも
見えてきます。8名のシンクロチームの登場です。
モニターにはその明りがぼんやりと、そう、まるで灯篭流しのように映り、
ユーミンの姿がオーバーラップして、すごく幻想的でございました。
プール中央の円形ステージに立ち、次なる曲は(10)Sweet Dreams 。
この曲って、結構今までも派手目な演出が多かったですが、今回もピカイチの派手さかも。
後半のサビのあたりで、ユーミンの乗った円形ステージが上昇、喝采を浴びる仕掛けです。
(Cf.スポニチ記事、トーチュウ記事。)
そのステージには、シンクロのスイマーも腰をかけ、メロディーに合わせてパフォーマンス。
一気にステージが華やかになったようです。
★早くもライブは中盤へ
1階ステージに戻って始まる(11)天国のドア 。
鉄骨の照明がリズムとシンクロして点滅を繰り返し、光のストリーミング。手馴れた演出です。
ギター隊が2階ステージへ移動して演奏、1階ステージではコーラスが一人づつスキャットで
見せ場を盛り上げます(実は衣装チェンジの時間稼ぎ?)。
ダッダッダンと心臓の鼓動のようなイントロが響き、オッ、やはりこれは・・・
巨大モニターに網目のシャッターのような画像が映ると、そこには4名のダンサーが。
キビキビとしたダンシングで始まる(12)WANDERERS 。
鉄骨の上部と1階ステージ前に松明(たいまつ)点燈。屋外ならではのワイルドな演出。
ユーミンはピッチリとしたセイラー服みたいな襟が付いた濃紺か濃緑のパンタロンスーツに帽子。
余り動かないユーミンをダンサーの激しい動きと、新しいモニター映像が十二分にカバーします。
今回おニューの映像は内燃機関のエンジンピストンの動きをCGで表現したような感じ。
今までのスターウォーズばりの光の疾走シーンに取って変わるもので、結構曲に合ってます!
間奏部分、グッと盛り上がる時も、ピストンはフル稼働の動きを見せ、最後は爆発シーンで幕。
とにかく、ダンサーの動きはスゴいです。2階ステージから1階へは、消防士が出動する時に
降りてくるのに使うような、棒を伝わってスルーッと降りてくる。とにかくカッコいいですよ。
★2番目のMC。(ニュアンスを書いてます)
風は強くないものの、どこか油煙のニオイも流れる中、2番目のMCへ。
「5年前にはダンサーにシンクロをやってもらいました。」シャングリラで本家のシンクロの方と
競演し、そのスゴさを再認識したというような内容だったと思います。
「逗子は犠牲者が出るんですよ。
市川サン、猛特訓してギターを弾きながら水の中に沈んでいったり、
火の粉を浴びながら演奏したり。
前回はお客さんも大変。グリーンブロックでは高波が押し寄せて、粋な演出と思いました。」
はい、これ、ワタクシメも実体験してまして、ここで紹介されてうれしくなりました。
あれは、「14番目の月」の正に一番盛り上がる時に、ドバーっと水が頭上より降ってきて
あせりつつも異様に盛り上がったのです。
客の「キャー〜」という叫びが今も脳裏に残っています。
実にタイミングが良い上、ちゃんと塩味なので(!)良く出来た演出だと思ってました(笑)。
その後のオールナイトニッポンでも紹介され、自然現象だと知り、またまたビックリでした。
「ステージが水びたしになることもあり、漏電しちゃってビリビリして、お迎えが来たように・・・。
一番すごかったのは「天の橋立」と言うのか、だいぶ前に舞台が上へ上がっていく時に、
舞台の片方がズレて必死にしがみついたりしたこともありました。
悲惨なモノほど思い出に残っているのが不思議です。
バカなことをいっぱいトライしてみたいと思います。やめる訳には行かないです。」
★ついに終盤へ・・・
「逗子で歌ってみたかった曲です。」との紹介で、(13)青い船で 。
星が降るように光が舞うような感じの鉄骨への照明が、曲に合っていて、
こういう静かな曲もイイモンです。
続く、(14)Nobody Else 。鉄骨の電球も点燈。
イントロを聴くと、何となく自分もクルクル回ってしまいそうな(笑)。いつの演出だったかな?
ここで噴水が初登場。と言うことはあの曲も近い(?)。
今回は1階ステージの真中より水が吹き上がっています。
この時、透明ビニールのカーテンを閉めて、楽器や演奏者へ水しぶきがかからないように
動き回るスタッフの姿が見えました。大変ですね〜。
元気良いマーチ風のイントロが流れ出し、(15)カンナ8号線 。
これも自動的に行進スタイルでカラダが動きそうになりますね。(今夜はハイな気分なようで)
何か足りない、、と思っていたら途中からダンサーがYMマーク入りの旗を持って登場。
曲の進行に合わせて、ユーミン、ダンサーは再びオレンジブロック前の特設ステージへ。
とにかく元気なユーミン、ステージへ戻って始まるは(16)埠頭を渡る風 。
噴水に松明が加わり、演出装置も全開って感じ。
サビになると、クルクル回りながら歌う。ウ〜ん、これも一緒に回りたくなりませんか??
ここのところずっとそうではなっかたでしょうか?この曲って本編ラストの曲ですよね?
終了と同時に、花火がステージ裏よりドーンッと何発も打ち上げられます。
頭の上で火の粉が散っていく様はきれいでもあり、はかなさもあり。
アッという間に終わってしまいました。
★アンコールでまたまた見せます・・・
本の少し待つと、モニターに水面模様のような画像が映りだし、その中央にユーミン登場。
今度は上体にモヘア状の小さなヒラヒラが付いて、少しドレスアップした感じ。
シャングリラですっかりメジャーな曲となった(17)人魚になりたい 。
シンクロの映像の前に立って歌うユーミンは、まるで竜宮城のお姫様。
間奏部分で大階段を降り始め、2コーラス目には水上の円形ステージへ。
シンクロの演出はシャングリラと同じように見えました。
あの連続バック転も見事に決まりましたが、客の反応はイマイチで拍子抜け。
シンクロがこれだけでは勿体無いと思っていると、始まりました(18)COBALT HOUR 。
既に夜もどっぷりと更けてはいますが、何となくこの空間にハマる曲ではないでしょうか?
遠くの海辺の明りもきれいに見えて雰囲気最高潮!
さきほどまでのドレスを脱いだユーミン、腰とヒザにキラキラ光るビーズ飾りを付けた
人魚姫のようなコハダ状のピッタリスーツに変身しています。
(Cf.スポーツ報知記事、サンスポ記事。)
ここでシンクロの方々の紹介。一人づつの紹介と同時にパフォーマンスが加わります。
アナスターシャ・シゾーワさん、エレーナ・ウシークさんがシャングリラに続いての
ご出演のようです。
★オーラスは"Carry on"
ユーミンが1階ステージに戻り、まだまだ行きます(19)14番目の月 。
"FRツアー"を思い出します。ちょっと休んでの演奏再開というアレンジもそのまま。
この曲はいつやっても盛り上がります。
いったんステージが暗くなって、ステージのユーミンだけにスポットがあたり(20)Carry on 。
何か決まり過ぎた選曲とも思えますが、熱唱の表情がモノクロ大画面に映し出され、
だんだんこちらもジーンと胸が熱くなり、ユーミン、スタッフ全員に感謝したくなってきます。
最後は3階のモニター前まで上がっていき、歌い終えると、シンクロのスイマー、メンバー、
コーラスが二人ずつ登場、各自それぞれのパフォーマンスをしながらユーミンと握手、
1階ステージへ降りてきます。
う〜ん、シンクロの方々、スゴくスタイルが良く、水色のTシャツも決まっていますね。
武部さんが最後に登場、ユーミンと抱き合ってのシーンの後、全員が1階ステージに
勢ぞろいして、深々と客席におじぎをして、ついに初日は終わってしまいました。
終演は20時47分頃だったでしょうか。約2時間といったところです。
★何かヘン、もう一歩のところも
何しろメンバー紹介がシンクロの方だけっていうのはおかしいと思いました。
せっかくのシンクロチームの演技も、本当に良く見えた方はどれ程だったのでしょう。
シャングリラはアリーナ(室内)で、プールが良く見える席も逗子マリとは比較にならない程
多かったはず。この巨大なブルーブロックのスタンドも、プールからは遠く、
傾斜もそれほどではなく、生のシンクロは全く見えないと言って良い状態でした。
計算違いということはないとは思いますが。
モニターの映像もシンクロシーンを完全には映していないような感じがしました。
そして、私の回りは意外と盛り上がっていないのが面白くありませんでした。
選曲的には、緩急色々で逗子のムードには合っていたと思いますが、願わくば、
もう一歩の盛り上がりが欲しいとも思いました。
それにしても、わずか4公演にこれだけのパワーの注入。今までの演出経験も活かされていて
手を抜かないスタッフの努力には感心せざるを得ないところです。
新曲発表のプロモーションとしても最高の出来だったのではないでしょうか。
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