〜 high touch 〜 
 '00.10.27(Fri)
 東京国際フォーラム
(Update '00.10.30)


(全てメモと記憶により書いております。)

昨年の第1回にひき続き、会場を東京国際フォーラムに移しての第2回。
今回のテーマは「high touch」。 「この数年、携帯電話やインターネット、電子メールなどさらに加速度的に身近になった テクノロジー。利便性の反面、不必要に振り回されがちにも見える生活のなかで、 そういったものと共存しながら、人間が本来体のなかに持つ力を思い起こし、質の高い コミュニケーションをはかっていく手がかりとしてのGROOVEを提供したい・・・」
(「GROOVE DYNASTY 実行委員会」プレス向け資料より)
そんな思いがはっきり伝わってくるライブでした。


19時15分、透けたスクリーンの向こう、ステージ上に5台のドラムセットが浮かびあがり、 5人のドラマーにスポットライトがあたり、(1)フュージョン系の演奏でスタート。 左より村石雅行さん、林立夫さん、村上"ポン太"秀一さん、沼澤尚さん、真矢さんの面々。 その後ろ、一段高いステージにも錚々たるたるミュージシャンが並びます。 左より難波正司さん(keyboard)、松原秀樹さん(bass)、BIG HORNS BEEのブラス隊、是永巧一さん(guitar)、 森俊之さん(keyboard)、中央でヴァイオリンを弾いているのはLUNA SEAのSUGIZO氏。 スクリーンが上がると一段と歓声が増す。私の前の列は"LUNA SEA"ファン軍団らしく、 キャ〜キャ〜と実にうるさい。(静かな場面でも平気でしゃべる無神経さにはあきれるばかり。)

続いて各ドラマーと他のミュージシャンとのセッションへ。 (2)まず村石さんにSUGIZO氏、トランペットも加わり、宇宙的なサウンドの曲。村石さんのプレイは 小刻みなドラミングで、全体的に宇宙を疾走するような、広がるイメージのする曲。 (3)真矢さんと女性ボーカルの組み合わせ、これは何と相川七瀬嬢。ロック色の強い曲で、China Roadという歌詞が聞こえましたが 題名分からず。相川嬢はこの曲のみで退場し、次に(4)村石さんが加わり、コーラス隊も登場。DJ風のアナウンスでメンバー紹介(一部)。 (5)ドラムは村石さんだけになり、ハーモニカをフィーチャーした曲。 これら全て題名も知らず説明しにくいのですが、音響の良さもあり、低音がズシンズシンと 腹に響いてきます。体が振動しそうな程。このビート感はやはりこのイベントの醍醐味でしょう。

ステージ右サイドに小さく薄いドラム(二つ並んでいるタイプ)が2台置かれ、林さん&沼澤さんが並ぶ。 ポン太さんも加わり、ドラム合戦の様相の(6)。アコーデオンも入っての村石さん、真矢さんの(7)は かなり激しいリズムがビンビン来ます。照明もグルグル回って、前半の山場も近い感じ。 一転、ドラムスはポン太さんだけになり、登場するのは黒いドレスに身を包んだKEIKO(GLOBE)嬢。 Jazzyな曲(8)をムードたっぷりに歌いますが、上手いのやらヘタなのか良く分からないメロディーに音程。 分かろうとしつつ、余りのスタイルの良さに感心しながら、気が付いたら曲は終わっていました。 これまた1曲だけで、KEIKO嬢はおしまい。少しもったいない感じもしてきます。
(9)はBIG HORNS BEEのブラス隊をメインにフィーチャーして、輝くようなリズムあふれる曲。 そしていよいよ大貫妙子さんの登場で、さすがに拍手が大きくなります。林さん&沼澤さんのドラムで の(10)は聞いたことのある曲、でも題名が思い出せません(何度か彼女のコンサート行ってますが)。 でもアレンジが普段と全然違う。このシンガーも独特の声で、他にない世界を持っていますね。 途中からポン太さんも加わって曲が終了。ここで当ライブ初めてのMCが大貫嬢より。

 「お招きいただきありがとうございました。なかなか迫力のある演奏ですね。
 ドラムを勉強している人も来ていると思うので、ドラマーの方にどうしてドラムを選んだか  聞いてみましょう。」とインタビュー。
・沼澤さん:気がついたらドラムを・・・
・ポン太さん:根が自虐的だから(笑)
・林さん:兄がドラムをやっていて・・・

  首をかしげながら大貫嬢、続いて2問目へ。「ドラムを楽しく続ける秘訣を3つ教えて・・・」
・沼澤さん:
 初めてドラムの前に座った感動を忘れない。無理しない。仕事に行くって感じで。
・ポン太さん:
 自虐的で(笑)、助平になること(?)。人に愛を感じる優しさをもつこと、ってか?(笑)
・林さん:
 最初の感動を忘れないこと。一度やめること(大爆笑)。

 多少違っているかもしれませんが、こんな感じでキャラクターが伝わってきて会場を沸かせます。
 続いて、これも題名が思い出せませんという曲で(11)
 「太鼓は音楽の元。心から尊敬しています。日本の音楽の最先端で活躍し続けて欲しいと 思います。」とエールをおくり、このコーナー最後の曲は(12)「色彩都市」。久しぶり! (ワタクシメ、大貫妙子さんを、この後今年中にあと2回聴くことになってます。。)

 BGMが流れ始め、ステージはやや暗くなり、セッティングチェンジが始まります。 中央には大きなタペストリーが降りてきます。書かれたデザイン文字は「TIN PAN」。 やがて拍手と歓声が沸き、左より鈴木茂さん、林立夫さん、細野晴臣さん勢ぞろい。 久保田麻琴さん、アコーデオンの高橋佑子さんも加わって「こんばんはTIN PANです」と細野さん。 これまた題名分からずの曲(13)。いかにも彼らのサウンドって感じ。

 「20年ぶりです」と紹介があり小坂忠さんが登場して(14)。このあたりの曲はほとんどなじみがないのですが 練熟の味というのでしょうか、キャリアで十二分に聴かせてくれますね。渋さすら感じる世界。 (15)は小坂さんの新曲「I believe in you」、そして衣装を替えた大貫妙子さんが再登場し(16)。 「スニークプレビューです」と細野さんが言われたように、12月の復活コンサートでタップリ 聞いて下さいということでしょうか、ここで「TIN PANコーナー」は終了し、今夜のライブもいよいよ 終盤に近づいてきました。

 (17)最後のヴォーカリスト、宮沢和史さんが登場、沼澤さんのドラムで歌い始めます。途中から村石さん、 真矢さんも加わり、ラテン風味タップリで、いかにも宮沢さんが追求しているサウンドという感じ。 小さ目の体をくねくねと動かし大熱唱。「Beautiful Songs」の時は病み上がりのようで、 少し不調だった宮沢さん。今夜はパワフル。私は「風になりたい」くらいしかなじみがなく、 この曲でも今夜に合いそうだと思いましたが。。

 続いてはマルコス・スザーノ氏と沼澤さんの二人がメインで2曲(18)(19)。マルコス氏はブラジル新世代 のリーダー的存在だそうで、今夜はエレキタンバリン(?)を鮮やかに駆使して、なかなかリズミカルで土の香りもする 世界を堪能させてくれました。 宮沢さんが戻ってきて(20)。これは更に熱が入ったエネルギッシュな曲で、顔じゅう口だらけの(汗) フルパワー全開でございました。この盛り上がりはいよいよラストが近いと思わせます。
 そして再び5人のドラマーが勢ぞろいして(21)。本編終了。

 歓声が沸き、アンコール開始。林さん、ポン太さん、沼澤さんで(EC-1)が始まります。他の二人も途中で 加わり、コーラス隊、ブラス隊も更に雰囲気を盛り上げながら、もう1曲(EC-2)。 一旦、全ミュージシャンが引き上げて、お揃いのTシャツを着てドラマー5人のみでWコール(EC-3)。 演奏後はステージ前に並んで、肩を抱き合う姿は去年と全く変わりません。
 終了は21時40頃でしょうか。


 去年、5人のドラムをバックにユーミンが歌った「SALAAM MOUSSON SALAAM AFRIQUE」は大感動もので 一生忘れないと思います。今年はそれに比べて若干地味な味わいでしたが、それでも素晴らしいライブでした。 フルオーケストラ級の芳醇な厚い重低音、同じドラムという楽器が奏でるハーモニーを堪能できました。 「打ち込み主体の流行のサウンドを否定しているのではなく、共存しつつその「GROOVE」の融合を 大きくサポートしていこう」という主催者の趣旨は十分に、体にじかに伝わってくるものでした。 若い観客が目立ち、彼らも楽器本来のエネルギーを感じていたことでしょう。
 客席・ステージにはTVカメラが入っており、WOWOWからの花束も飾られていました。もしかしたら同局で の放送があるかもしれません。