2001年7月6日(金)7日(土) 幕張メッセ イベントホール 覚え書き
(Update '01.8.9)

(粗いメモとおぼろげな記憶を元に書いてます。)

*7月6日(金)

 ついにやってまいりました、ツアー初日。
 昨日とは異なり、開演間近になっても続々と入場客が途絶えません。 アリーナ席フロアー、スタンド席フロアー、2か所のグッズ売り場も 長蛇の列、「ビーニールトートバッグ」は間に合わず横アリ以降での発売とか。 ギリギリに入場、今夜はアリーナ北東D列9x番での鑑賞です。

 18時43分、場内が暗くなり、いよいよ開幕!
 荘厳な感じのインストルメンタルが流れ、移動照明が光線を回転させながら 細い柱づたいにゆっくり上昇していきます。 と、ステージ中央にスポットライトがあたり、村石さんと小野かほりさんが 向かい合ってのドラムの競演へ。やんやの拍手で盛り上がる頃、 ステージ上にはメンバー、コーラスが勢ぞろいして、いよいよユーミン登場。 北西ブロックあたりのステージ下よりお姫様ルックで登場、 (1)「7 TRUTHS 7LIES〜ヴァージンロードの彼方で」

 頭部には宝石(シルバー系のガラス玉?)のような輝く飾り、
 黒っぽいドレスがエレガントに少し広がっています。
 ちょっと歌いにくそうな所もありますが、腕を振り振り
 ガッツポーズ(?)で会場をわかせます。
 客席は当然のように総立ちでございます。
(c) ぴあ(株)

 いったん真っ暗になり、続いて(2)「ダイアモンドダストが消えぬまに」。 海中を思い起こさせるような青緑色の照明に変わります。 「acacia tour」へようこそ、と短いあいさつの後、早くも(3)「あなただけのもの」へ。 この曲では、ステージ外周を歌いながら何周もして、全方向のお客さんにアピール。

 ステージ中央のドラムセットがステージ下へ消えていくと共に、 スポットライトが当たって市川さんのギターソロが聞こえてきます。 最初の衣装チェンジをしてユーミン再登場、曲は(4)「110°F」。 かつてのABBAのような(?)スパンコール付きのパンタロンスーツ。 このあたり、立つべきか座るべきかで悩み始めるワタクシメ。 コーラスの振りもなかなか揃っておりました。 再び場内が暗めに変化し、(5)「夕涼み」へ。 ユーミンの影が場内の壁に映り、花びら模様の照明がくるくる回ります。 ステージ下からの風になびくユーミンの髪。

 そしてやっとMC。
 「あらためてこんばんは。こうやってステージに立つと、去年あんなに79ステージも やったのに久しぶりな気がします。シャングリラ以来2年ぶりのアリーナ、 4年ぶりのセンターステージ、そして一番久しぶりなのは20年ぶりの夏の ツアースタート。季節感が好きで今回は夏の選曲をしています。 夏は一番表情豊かな季節ではないかと思います。 生ぬるい夜明け、カンカン照りの日中、夕立ち前の雲、雨上がりの虹、 流星の夜、そんな季節感をいっぱい表現しています。 去年のFrozen Roses(冬のツアー)とは正反対かもしれませんね。 自信作なので喜んでいただけると思います。」という感じです。

 CMでも聴いたことがあると思います、と(6)「Summer Junction」。 このへんはジックリ聴く感じで、立つ客は少のうございました。 強烈なビートサウンドに乗って雷のように照明が点滅し、ステージ上からは 流れる雲のようにスモークが噴出して始まる(7)「LATE SUMMER LAKE」。 柱のライトが上下し、ビームがぐるぐると回ります。 いったんステージからは消えるユーミン、市川さん、中川さんのギターの イントロが響き、またまた衣装チェンジで登場。 今度はヒラヒラとフリル状のものがついたワンピースです。 ステージ中央に立って歌うは(8)「哀しみを下さい」。 右手にマイク、曲に調子を合わせるように左手でリズムを取る姿も。

 早くも中盤、ステージ転換も素早く、アンプラグドのコーナーへ移ります。
 「ここらで恒例の(高齢化ではないですよ(苦笑))アンプラグドスタイルで。」 メンバー紹介は、アンプラグド責任者:中川さん、さおオヤジ1号:市川さん、 さおオヤジ3号:田中さん、コーラス補強要員:今井クン、という具合です。 ギターのネックのことを「さお」と言うことから、こんな呼び名が定着(?)したとか。 「用賀の周辺にメンバーも住むようになり、サンダル履きで集まったりしています。 でも"高いサンダル"ですけど。」と少し寒いギャグも。。 曲は(9)「acacia」(10)「幸せになるために」。 しっとりと、アダルティーな雰囲気、ハモり具合もますます順調という感じでした。

 ステージを元通りにする間を使って、次のMCへ。
「ツアー期間中にネットラジオというのやります。金曜日の11時から土曜日の深夜3時までです。 オールナイトニッポンの頃(時間帯)になると禁断症状が出てしまいます(笑)。 オンデマンドで「松任谷由実 はじめました」というもので、大川さん、丹羽ちゃんとか こわれたオトナが参加しています。ネットだとコードがゆるいので言いたい放題。 評判が良ければ定例的に続けるかもしれません。お楽しみに。」というような感じです。 次の曲紹介に入り、「最初は大地真央さんに作った曲で、アルバムに入れる際には あやうくボツになりそうになった曲です。」とFMでも言っていたネタを披露しての (11)「Lundi」。 ここでも観客は静かに聞き入っている感じ、カラダは揺れているけれど。。 場内暗くなり、小刻みに点滅し揺れる照明が雨らしい感じを醸し出して 続いて(12)「瞳はどしゃ降り」へ。 コーラス、ユーミンはビニール状の暑苦しそうな(?)レインコート。 今井クンの紫色のコートがやけに目立ちます。 間奏部、ステージ中央にコーラスも集まり、カサを使ってのミニダンスシーン。 振り付けはまるで懐かしい名画「雨に歌えば」に似ている感じですね。 曲が終わり始めると同時に、6連リング外側から3ツ目のリングからスクリーンがゆっくり降りてきます。 なかなか壮観、何が起きるのでしょうか、興味深々、最初見たときはドキドキしましたが。

 (13)「SAVE OUR SHIP」。 交信音が流れ、スクリーンにその中からユーミンの姿が投影されて歌い始めます。 丸い映像が2,3か所に、時々映す位置を変えながら。 途中、中より照明がコーラスやメンバーの姿を映すという場面もありました。 歌い終わると、シンセサイザーのサウンドの中、被っていた帽子を放り上げ、 ユーミンは着替え始めます。 これがスポーツ紙を飾った「生着替えシーン」。

 背中に何やら装置めいた物を付けた宇宙服を着て、ヘルメットを付け、 グローブ(手袋)もつけていきます。 そしてサウンドの高まりに合わせて、ゆっくり全身が浮いて遊泳を始めます。 宙返りとまでは行かないのですが。 更にサウンドが高まったところで、スクリーンは暗くなり、そして上がっていくと、 ステージ中央にはグランドピアノ、そして衣装替えをしたユーミンが座っていて ピアノ弾きがたりへ移るという具合です。

 ここが今回のライブの中で一番退屈だったですね。
 いよいよ「スターゲイザー」のコンセプトの世界の始まり、と思わせる この曲は嫌いではありませんが、まずそもそも長い曲(6分24秒)。 ご本人の歌う姿を見られるのならまだしも、スクリーンでは長くて間がもちません。 その映像だって単調極まりないものですよね。 スクリーンが下りて上がるまで、計ったら9分30秒ほどもありました。 スクリーンに投影されていたのは始めはユーミンご本人だそうですが、 最初からダミーでも気がつかない訳で、その努力も観客には伝わってこない。 まあ途中からダミーに入れ替わったのは良いとしても、スクリーンが消えてからそれが上がり ピアノの前に座る姿で登場するまでがホンのわずかで、「あ〜やっぱりダミーなのねン」 と分かるのもまあ仕方ないでしょう。 でも意外性はあまりないし、演出の意図が良く分かりません。感覚がニブいと言われてもしょうがないけど。 この後がピアノの弾きがたりではね〜。 雰囲気につながりが感じられなかったのです。

 さてさて、ピアノ弾きがたりです。これがFrozenの味わいを残しつつ、ということか。 ピアノはフレームの上に乗っていて、ピアノの足が浮いているのが見えます。 今度の衣装は皮の上下、ジャケットには丸いバッジがたくさん付けられ、 裾のほうには本ツアーの文字やら色々と描かれています。>ツアーパンフご参照(汗)。 まずは(14)「PARTNERSHIP」。ピアノとユーミンはゆっくり回転します。 静まる客席に歌声が切なく響いていく雰囲気はなかなか良いと思いました。 そして(15)「ひこうき雲」。CDで聴くのとは格段に歌声が変わっているのは明らか。 確か、この曲ではピアノは回転していませんでした。

 拍手と共に曲が終わり、緑色の光線が放たれピアノはいつのまにかステージ下へと消え、 メンバー、コーラスが全員白い服装で勢ぞろいし、(16)「Age of our innocence」。 途中、中川さんがステージ中央でユーミンと向き合いながらの演奏などがあり、 曲も後半へと移る頃、「I've beleieve in love」のリフレインと共に リング中央の太陽輝き始めます。
 外側のリングがライトの点滅を繰り返しながら、ゆっくり下降を始めます。
 その光はまぶしく、リングが重なりながら傾いていきます。
 本ライブ、最高の見せ場の始まりでしょう。 一瞬、これは一体なんなのだろうと思わせる瞬間です。
 あっけにとられているうちに、(17)「青い船で」。 上下に動きを付けられる4つのリングが微妙にその上げ下げを繰り返し、 幾重にも交差して見えます。 まるで宇宙船の窓から太陽系の空間を眺めているような錯覚を起こさせます。 身体も揺れてきそう、酔いに似た感覚を引き起こさせます。 曲の内容にもマッチして、正に一大スペクタクルシーンです。 不覚にも涙が出てきてしまいました。。

 やっと気分が高まってきたところでMC。
「花の命は短くてと言いますが、花の名前のついたこのツアーもあっという間に  終わってしまうでしょう。」と何やら寂しげなトーン。  今井君がサックスを持っての(18)「MIDNIGHT RUN」へ移ります。  ここではユーミンを先頭にコーラスやメンバーも一連体となって、 ステージ外周を回ってまいりました。市川さん、中川さんがステージ中央に集まり、 ギタープレイも楽しませていただきました。
 (19)「カンナ8号線」、いよいよ本編もラストの曲です。
 お決まりの手拍子も軽やかに、盛り上げ曲の効果はやはり大きいと思いました。 メンバー、コーラスの紹介があるかと思ったら、この曲の間にはありませんでした。 そして一同退場です。

★アンコール

 黄緑色のTシャツでユーミン再登場、胸には大きくYの文字。
 タイトスカートには「acacia」のロゴがクッキリ。
 客席より「可愛い」の声も飛んできます。
 まずは(20)「情熱に届かない〜Don't Let Me Go」
 イイ曲で好きだけど、ここでの印象はとても地味に聞こえてしまいます。
 柱の照明がイントロと共にスーッと下降して始まる(21)「天国のドア」
 リングの照明が目一杯に活躍します。
 ステージ上には丸い照明が回転するようにビームを投射し、リングも
 全体が一体となって斜めに降りてきて目に焼きつかせます。
 市川さんもステージ中央へ。
 (c) デイリースポーツ社

 これって結構聴く曲ですが、自分的にはあまり盛り上がりません。(汗)
 そしてオーラスは(22)「acacia」
 アンプラグド版とは違う味わいとはいえ、「またですか?」という感じはぬぐえませんでした。 ここでは今井君はバンジョーをかかえておりました。 曲が終わり、メンバー、コーラスの紹介がここで行なわれます。
 全員がステージ中央に集まり、手をとりあっておじぎをして、北西ブロック側に退場。
 退場の通路は盛り上がっているんだろうと思っても、全く見えない。
 20時54分、何かあっけなく期待のツアー初日は終わってしまいました。

*7月7日(土)

 この日はスタンドDブロック最前列。目の前がPA席。
 やはりこの会場は小ぶりなのでしょう、センターステージが目の前で、 いつでも出演者が見えるかなりの好位置でございました。 ただコーラスはほとんど背中しか見えず、というのは寂しいものがありました。
 今日初めて気が付いたのが、カンニングボックス(?)。
 村石氏の後ろあたりに何やらボ〜ッと白く光る文字があるではないですか? ナンと歌詞が表示されておりましたです。 反対側にももう1機あったりして、それはどうだか分かりません。 全ての曲の時に歌詞が出ていた訳ではないので、その曲の時はクチパク(?)かどうかは定かではありません。
 「七夕スペシャルバージョン」もありかと期待したりしましたが、何も変化ナシでした。


◆幕張公演を終わって・・

 何かですね〜、物足りなさを感じてしまう初公演でございました。
 自分では「シャングリラ」「Frozen Roses」共に、最初の数曲の流れや演出を とても気に入っていたのですが、今回は「つかまれなかった」ということです。 ニューアルバムから10曲(「acacia」は2曲として)も多すぎ、 というよりアルバムを半分シングル発表曲で埋めて14曲入りにした時点で、 ライブとしてメリハリを出しにくくなったのではないでしょうか。 まあダンサーがいないセンターステージという振れこみでしたから、地味目だとは想像してましたが。 過去のライブと比較しても意味がないのかもしれませんけど。 「臆面もなく」というか「てらいもなく」というか、バリバリの派手な演出だった 過去2回のセンターステージが懐かしく思い出されます。
 「何も分かっておらん!」とお怒りのメールも届きそうですが、正直な感想を書きましたです。