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ミュージカル「ラ・マンチャの男」〜帝国劇場〜 '02.8.20 (Update '02.9.14)
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(c) 朝日新聞東京本社 |
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この8月19日、幸四郎さんの還暦(60歳)の誕生日に
1000回目の公演を迎えたのは一般紙にも報道され
ご存知の方も多いことでしょう。
その翌日に行きました。
1001回目の公演ということですね。
観ようと思った動機は松たか子嬢が出ていること。
FCで容易にチケットが入手できるという不純なもの(恥)。
3列目の中央、もったいないくらいに良い席で
観ることができました。
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初演は1969年4月4日、70年3月にはブロードウェイのカンパニーに
単独で参加し、主演として60回の公演を英語でこなす。
そして33年が過ぎた。
このことだけで演劇はそんなに見ない自分には、このミュージカルが
言葉にならないくらいの重みを意識してしまいます。文化財的な価値があるのではないか、
と言っても決して大げさではないと思います。
配役が代わり、演出にも手を加え、繰り返して上演され、研ぎ澄まされて完成度が高まるのは、
音楽のライブでは有り得ないことです。
今回は幸四郎さんが初めてご自分で演出を手がけ、3人の男を演じ分け、変身が巧みになったとの劇評がありました。
3人とは詩人・劇作家セルバンテス、狂気の郷士キハーナ、キハーナが夢想するドン・キホーテ。
セルバンテスが教会侮辱罪で地下牢へ投獄され、自分の無罪を証明しようと即興劇を
繰り広げながら、舞台は時と場所を柔軟に行き来していきます。
そこで浮き彫りになるのは、余りにも有名な曲「見果てぬ夢」に象徴される「自分の道を歩き続ける孤独と苦悩」でしょうか。
哲学的な思いを交錯させることもでき、なかなか深いテーマがありそうです。
このミュージカルには他に比べて男性のファンが非常に多いそうです。それも納得。
セットはとてもシンプル、ステージ中央上部からステージへ降りる階段が二つの世界を
分かつ象徴的な意味ももち、ステージ上では小物の移動で異なる場面チェンジをスムーズに
展開していきます。
曲数もそう多くなく、ミュージカルというよりかなり演劇的な感じがしました。
出番は少なめでしたが上條恒彦氏の実力と存在感も立派。過去に浜木綿子、
草笛光子、上月晃、鳳蘭が演じてきた重要なアルドンサ役に、今回は松たか子嬢が扮します。
汚れ具合が足りないとか書かれてましたが、熱演していました。
でも、何といってもやっぱり松本幸四郎さんですね。
歌舞伎界に安住せず、次々と活躍の場を広げている姿は素晴らしいです。
染五郎時代、ベストテン番組で歌っている姿を思い出しました(野バラ咲く道、でしたっけ)。
「演劇を抜いたらバラバラな家族です」と会見で話されていましたが、この一家の行く先を
楽しみにしたいと思いました。
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