久しぶりに青山劇場へ。今回は「浪人街」。
舞台化は不可能と言われた30分におよぶ大立ち回り。そして豪華キャスト。
その中にはお松(たか子)さんも。これでは見ないわけにはゆきません。
舞台前と花道脇の座席の上にはビニールシートが置かれ、
「水がかかる場合がありますので…」との注意書きもあり、
まるでユーミン逗子のブルーブロック前方状態。それはいかななるものやら。。
オハナシはとても分かり易いもの。
時は文久3年(1863年)、ペリー来航10年後の江戸の町。
官の職場をリストラ され浪人となった荒巻源内(唐沢寿明)は、
巾着切りのお新(松たか子)に金を貢がせてはのらりくらりと酒浸りの毎日。
そんなお新に惚れている権兵衛 (伊原剛志)、
権兵衛の親友で酒が大好きな赤牛(中村獅童)。
彼らをメインに、江戸の下町で起こった連続夜鷹殺しを巡り、
いやおうなしに 決戦の時が近づいていく。
色々な人間模様もあるわけですが、見所はやはり最後の悪党組と源内+ 権兵衛連合の
大立ち回りということになるのでしょう。
正にチャンバラ。
20〜30名を相手にバッサ、バッサと斬りまくるそのシーン。
時々、黒澤明監督の「椿三十郎」なみに身体から血しぶきが吹き上がります。
決戦の場の神社の池に、次々に倒れて行く男達。
飛び跳ねる水しぶきをよけるためにビニールシートが置いてあったのでした。
それにしても確かに俳優陣もスタッフも豪華そのもの。
唐沢寿明さんには今まで余り親しみを感じませんでしたが、
多様な役を 演じられる人だと思いました。
中村獅童さんは元気ハツラツ、笑いを取る破天荒な役柄にピッタリ。
お松(たか子)さんは、まあ彼女でなくてもやれる役でちょっと残念だったかも。
成宮寛貴君のファンも多かったようですが、出番は多くはなかったです。
鈴木一馬さんは悪党にしては優しい感じが抜けきらず。
居酒屋の主人役は大ベテランの田山涼成さん。
セリフの通りと存在感はさすがでした。
田中美里さんを1月のPARCO劇場で、客として来ていたのを見かけましたが
抜けるような肌で、お美しい方です。
最後のカーテンコールで出演者が勢ぞろいした後で、
一人一人が唐沢さんの指示で順番に一言づつコメントするのも面白いアイデアでした。
人情の機微を感じながら、一気にラストまで駆け抜ける大衆娯楽の雰囲気 あふれる舞台。
それはそれで楽しめたのですが、これでS席12,500円。
体感型の演劇としてはちょっと(かなり)お高いですね。
WOWOW(9月23日21時)でご覧いただけます。
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