The Session at Stellar Ball  


 * Live Report(Update:'05.04.13)
 * Return


画像=K 品川駅前にいくつもそびえたつプリンスホテル。 その本館、新館、エグゼクティブタワーを次々に抜け、 プリンスシネマの次に突然現われるアクアスタジアム入口。 そばの桜の木には今が見頃と花が咲き誇っています。 駐車場入口のような通路を入ると、目に付く小さいメリーゴーラウンド。 その隣りにステラボールの入り口がありました。 画像=K

 放送局等の関係者や井上陽水さん、矢田亜希子さん他からの 寄贈のお花がいくつも飾られているのを横目に中へ入ります。 天井が高い(11m)。そして広い(アリーナ面積680平方m)。 クッション付きのパイプ椅子がズラリ(1列60席、SA〜M列)。 横に広い会場です。
 場内には英語のユーミンソングが流れています(「Over The Sky」から?)。

☆メンバー登場
照明が暗くなり、ステージ右側よりミュージシャンが次々登場。 服装はみなさん基本は黒。最後にユーミンが登場し拍手が高まります。 Gジャンにベージュの3段フレアースカート、グレーのブーツというカジュアルルック。 「こんばんは。ステラボールのオープニングにようこそ。 照明以外に演出はありません。17曲 + α です。 勝手にやれといわれてもテレちゃうんですけれど、 リラックスして楽しんで下さい。」

画像=K
Guitar
Mr. Dean Parks
*Image from
(c) S-Scale.org
 前列左よりコーラス、ディーン・パークス氏(G)、ユーミン、 ニール・ステューベンス氏(B)、ダン・ヒギンス氏(Sax)、 後列左より正隆氏、浜口茂外也氏(Perc)、ヴィニー・カリウタ氏(D)、 武部聡志氏という位置関係。

(1) Now Is On
 ロックテイストで始まった1曲目。
 楽譜を見ながら淡々と演奏するミュージシャン。
 そのサウンドは締まってメリハリ感があるように思え
ました。
 客は成り行きが分からず、固唾を飲んで緊張している
ようです。
画像=K
Bass
Mr. Neil Stubenhaus
*Image from
(c) Blue Desert
画像=K
Drums
Mr. Vinnie
 Colaiuta
*Right Person
*Image from
(c) official site
(2) セイレーン
 ギターのイントロが実に印象的。照明が青に変わります。
 サーフィンをする仕草を見せるユーミン。
 曲の流れと共にサックスも加わり、より力強く盛り上がる
アレンジに 気分も高潮してゆきます。
(3) 思い出に間にあいたくて
 つかの間の静寂の後、イントロからいきなり曲の世界に引き込まれます。 思わず身体が揺れてしまいそうなほど、リズムの刻みが小気味良い。 コーラスのフォローもピッタリ。
 Wキーボードも叙情感を増してくれます。
画像=K
Sax
Mr. Dan Higgins
*Image from
(c) danhiggins.net

☆ここでMC
 「みんなのほうが緊張していない?こんなに近いので遠まきって感じ?」
 「VIVAツアーの真っ最中で、苗場もあったし(苗場も)別メニューでしょ。 これまた今日、明日と別メニュー(拍手)。 いったい何をやろうかということで、こういうメンバリングになりました。 毎年いつものように参加しているL.A.のレコーディングメンバー、 ツアーメンバー、ジョギングメンバー(浜口氏のこと)混成でお送りしています。」
 そして各ミュージシャンを次々に、最後に正隆氏を紹介して、
「(正隆氏を指差して)あの人が呼びよせたんですよ。 このグルーブを楽しんでいって下さい。」

画像=K
(c) デイリースポーツ社
(4) 生まれた街で
 イントロのギターにゾクッとし、間奏部のフルートにまたゾクッとする。
4月4日に来日、リハは3日というのに息はピッタリ合っているのがスゴいと思う。
(5) 雨のステイション
 アルトサックスのイントロが流れ、ビームスポットが幾筋も交差。
この曲はユーミンのお気に入りの曲ですね。
(6) つばめのように
 スポットライトが点滅し、演奏にビート感が加わります。
間奏のギター、サックスが心地よく響いてきます。
☆再びMC
 「ライブハウスは1974年に新宿ルイードに出たのが最後で、 今日は初めてのこと(慣れないってことね)が多くて。。 ステラボールとは私が名づけました(拍手)。
ミラーボールもイメージできるかもしれませんね。 苗場のブリザーディウムも私が付けたんですよ。
画像=K
 まだ子供の名前は付けたことがないですけど(笑)。 まあアルバムタイトルと考え方は同じかな。
色々なアーティストが利用すると思います。 音響とか照明とか、ツアーに長年参加しているチームが作ったので ダントツにいいと思います。」

(7) Midnight Train
 ジャズテイストのイントロにコーラスのスキャットが加わり、 ミラーボールに照明があたり、カウガールツアー以来久しぶりの曲です。 今井君もタンバリンを持ち、グルーブ感タップリの演奏に酔いそうです。 ここでもフルートが実に印象的。
(8) 恋の苦さとため息と
 生のストリングこそありませんが、小刻みなドラミング、ベースサウンドは CDの音に更に近づいて、もう見事としか言えません。 金管のアレンジは変えていたようですが。
(9) 一緒に暮らそう
 ユーミンは明るくジャンプしつつ歌いますが、手拍子はいま一つ不足気味。
 間奏部ではツインキーボードの効果で一層華やかな感じ。
(10) 手のひらの東京タワー
 豆電球が点灯、ステージ上に星空が現われ、照明も青く変わります。
 いつか聞きたいと思っていた曲。ご当地ソングでもあります。
 鳥肌が立つ思いでした。
(11) 最後の嘘
 (2)と同様、次第に盛り上がってゆくアレンジの妙。

☆ユーミンとコーラスを残して、メンバー退場。
「ではここで1曲アカペラで。今井君がアレンジしました。」
(以下、今井君)
「今回、初めてアカペラのアレンジをしました。 武部さんに持っていったら30点と言われたりして。。」
(12) ホームワーク
 歌詞はユーミンだけが歌います。
 コーラスはシュビシュワ〜とスキャットだけ。
 お客は手拍子で、意外と盛り上がりました。

☆MC(新曲ご披露)
「初めてついでで、次にお送りするのは新曲です。
 来週木曜日9時からオンエア「夢で逢いましょう」の主題歌です。
 同じ木曜のNHK「探検ロマン世界遺産」のテーマもやっています。
 その『あなたに届くように』が8時から流れ、9時からも流れ、 働き者でしょ?(笑)
 年が明けてからツアーと併行して曲作りをしていました。
 この曲は最愛の娘を嫁に出す父親の気持ちで。 目に入れても痛くないほどの(入れようとしても
入らなかったそうですが、笑)。 結婚式の時に親が泣いちゃうような歌を作って下さいと言われて。
 結婚とは限らず、巣立った人、巣立たせたことがある人の心境を 想像して聞いていただければと
思います。」

〜会場配布チラシより(抜粋)

(13) ついてゆくわ
 静かめな出だしから、ちょっと難しいメロディーながら、
後半歌い上げてゆき、盛り上がる曲。
『さようなら大事な人 ありがとう思い出たち
 あなたを愛する私が選んだ夢についてゆくわ』
 この歌詞が心に残ります。
(14) 恋は死んでしまった
 (1)(4)(6)に続き「Frozen Roses Tour」を思い出します。
 ビート感あふれる演奏、点滅するビームライト。
 マイクスタンドを持って回るユーミンはロックしてますね。
 ギターの後奏はソリッド感というのか、とにかくスゴかった。
(15) 守ってあげたい
 どんな公演でもユーミンとお客さんの交歓の場面となるようです。
画像=K
(c) 報知新聞社
☆MC
 「(お客さんに)全員ハッキリ顔が見えて、今日来た人の顔は忘れない。
 ここで練習したときにはジェットコースターもタダで乗れて、
 魚はいいな、泳いでいるだけでお金取れて(笑)とか。
 予想通り、こっちが楽しんじゃいました。」

(16) Cowgirl Blues
 客も総立ち、いつものツアーの熱狂が戻ってきました。
 本編ラストに近づき、力を振り絞って歌うユーミン。
(17) 残されたもの
 一転して静かな世界へ。
 ステージ後方より強力なライトが当てられます。
 サックスの響きが悲しげに聞こえます。


☆本編終了/アンコール
 全員が一列に揃ってひとまず退場、すぐさまアンコールを求める手拍子が起き、 しばらく続くと、
グランドピアノが運ばれてきてどよめきが起こります。
 そしてピアノがもう1台。とするとこれは。。。
 そしてユーミンが正隆氏、武部氏と共に登場。
 ユーミンは「Cowgirl 2005」の刺繍入り白いインナーに、  はき尽くしたように古着っぽくアレンジされた白のパンツ姿にお召し替え。

「今日の企画はいかがでしたか?(大拍手) 異人たちも超忙しい人たちだから、こうして一同に合うのは 貴重なセッション。そしてこの二人もです。 これも私の人徳かな〜(笑)。」

(EC1) 春よ、来い
 照明がピンク色になり、花びらが舞うようにも見えるミラーボールの光。
(EC2) 卒業写真
 軽めのアレンジ、間奏ではスイングした感じでした。

☆ダブルコール
 ステージ脇へ3人が消えるやいなや巻き起こるアンコールの大手拍子。
 そして今度はギターのディーン氏と共にユーミン登場!
「さらにアンコールに甘えさせていただきます。
 せっかくL.A.から来てくれたから、この曲はこういう機会に生のディーンの
ギターでなら気持ちが分かってもらえると思います。」
(EC3) Called Game
 楽譜を見ながら淡々と演奏するディーン氏。ベテランの味。
 澄んだギターの調べが、歌の切なさをいっそう引き立てます。
 シーンと静まる場内。そして大拍手。

☆トリプルコール(9日)
 トリプルコールを求める手拍子は止みません。
(8日はまずユーミンが再登場。手を振って消えるも再びメンバー全員登場。
 もう1曲かと相談しているようにも見えましたが、退場でお開き。)
 全員が登場すると同時に、スタッフはピアノを片付け始め、 客席の熱気は最高潮。
「2日だけで終わっちゃうのが寂しくて。 拍手をもらわなくてもやろうと思っていました。
 せっかく来たんだから働いてもらわなくちゃ、冗談ですよ。」
 そしてもう一度、メンバーを順々に紹介。
 来日組はみなユーミンとハグしてます。
 その仕方も一人一人個性的。
 最後は「音楽監督 武部聡志、人生監督 松任谷正隆」と。
(EC4) Cowgirl Blues
 本編の時とはアレンジが異なり、重低音を効かせてややスロー。
 勝手に名づけて「Slow Beat Version」。
 何やら盛り上がり過ぎて細かい所は覚えていないほどです。

 全てを終えたメンバーは満面の笑み。手を振るステージと客席。
 次々とステージ脇へ消えて行くメンバー。
 「ありがとう」と声をかけなかがらステージを去って行くユーミン。
 ユーミンの前を歩くのはいつも正隆さんでした。
 2時間と少々の音楽空間は興奮の余韻を残してアッというまに閉幕。

画像=K
終演後の会場入り口付近にて('05.04.08)
 と、ここまで書いてきて思うこと。
 演出がない分、ムダがなく研ぎ澄まされたような演奏に意識は集まり、 音響の良さも手伝って、知らず知らず
心地よさに酔ってきます。
 このスタイルなら、どんな曲でももっと聴いてみたいと
思わせます。
 音の記憶を再現するのは難しく、なかなか文字では
書けないもどかしさ。
 その場限りというのが、セッションの醍醐味だと思い
ますが、 できればもう一度聴いてみたくなります。
 確かにお客さんの方が緊張していたかもしれません。 ステージとどのように向き合ったら良いか手探りしているような感じで。 選曲は今回のメンバーにふさわしい曲が選ばれたように思います。 普段からユーミンバンドに管楽器があれば、より奥行きの あるサウンドになると思っており、今回の貴重な公演は本当に大満足でした。

☆全て記憶とメモにより、MCは2公演分をブレンドして書きましたが、 もちろんこれで全てではありません。
(もっとたくさん語っています)
☆間違い勘違いご容赦願います。
 つたないレポでお恥ずかしい限り。Thanks!!
画像=K
終演後の会場入り口付近にて('05.04.08)