大六壬編をはじめるにあたって


 六壬は六壬神課ともいわれます。、ここ数年、安倍晴明ブームとともに日本でも一部知られるようになってきました。
 大六壬とは六壬神課の一種です。もちろん小六壬というのもあります。
 私が六壬を始めたころは、占いに詳しい友人に尋ねても、阿部泰山師の一派がやっているらしいというぐらいのことしか知りませんでした。(阿部泰山師は大変な六壬の使い手だったらしいですが、私は泰山の流派ではないのでよくは知りません)
 六壬を勉強している私としては、ブームとはいえ知られるようになってきたのはうれしく思います。
 ただ、2004年2月に日本に帰国したときに、(当時は台湾在住)仕事の合間をぬって、 神田のH書店に行き書棚を眺めていましたが、大六壬に関する書籍は少ないことを改めて実感しました。
 このホームページを作ろうと思ったのは、その書籍の少なさがひとつのきっかけです。

 では、なぜ、大六壬がいまひとつはやらないのか?
 私見では、次の3つの原因があると考えています。

  1.課式の出し方が面倒くさいこと
  2.素人には解釈が難しく、結局、適中率が低くなること
  3.中国、台湾にも六壬をやる人が少ないこと

 3.については、私としてはどうしようもないことです。
 そこで、私の目指すところは、1.と2.の問題点の解消です。
 1.については、六壬課式を出すパソコンソフトがあり、ボタン一つで課式が出せるように出せるようになりました。つまり、1.自体の問題点は解消されたともいえます。
 しかし、どうやってそのような課式になるのか、を知ることは、大六壬を使って占うことに非常に重要だと思います。課式の構造を知ることで、課式の解釈もまた深みが増します。
 とくに、三伝の出し方については、九宗法を単に訳すのではなく、「覚え方のコツ」まで述べて、大六壬を習得しやすいものにしようと努力しています。(これは類書にはないものと思います)
 2.について、結構有名な占術研究家が、大六壬について「結局当たらない」と断じています。
 しかし、私の実占経験からは、適中率が他の占術に比べてさほど低いとは思えません。むしろ、周易や五行易に比べ、象意が明確である分使いやすい占術であるという印象をもっています。(周易と五行易を並べましたが、同じ易とはいえ全く違う占術です)

 以上、私としては、大六壬が日本でも、もっとはやってほしいという願いをこめて、 基礎知識から古典の解説、さらに実占例を入れて、具体的に解説していきたいと思っています。

 第2章ですが、だいたい順に課式の立て方から判断方法まで書いてあります。よって順に読んでもらえればいいと思います。
 筆者としては、「課式の構造」は是非読んでもらいたいです。この項はまだ発展途上の筆者独自の考えですが、これによって大六壬の式盤の読み方が理解できるようになると確信しています。
 付録として課式占いを製作する予定でしたが、プログラムに困難を極めており、というよりは、内容の整理がまだできていません。あしからず。気長にお待ちください。

 ここ数年前から台湾や香港でも大六壬の解説書が増えてきているようですし、大六壬復活となるかもしれません。と、書いたのはもう5年前(2004年)で、その後日本でも大六壬の本は徐々に出てきており、六壬神課をやる占術家が増えてきているようで、確かに復活してきているように思います。


     作成 2004年11月1日      改訂 2011年10月1日