大六壬用語集

■ はじめに

 大六壬でよく使われる用語をまとめてみました。
 解説が短いので、若干正確さを犠牲にしている説明もありますが、ご容赦ください。
 よみはごく一般的なよみ方を採用したつもりですが、人によって違うことがあります。そもそも中国語の日本語読みなので、どうでもいいといえばどうでもいいのですが。

■ 用語集(五十音順)

【あ行】

よみ用語解説
いえき移易占断八門でいう中伝のこと
いんじゅう引従引とは初伝にくること、従とは末伝にくること。
いんじん陰神十二天将における陰神とは、その十二天将のついている支の天盤支にあたるものをいう。十二支においては、その支の天盤支のさらに天盤支をいう。例えば四課は日支の陰神である。ただ、これも術者によって定義が統一されていないような気がする。
えいよう盈陽三伝が卯巳未の場合。
えんけん偃蹇三伝が子戌申の場合。
おくたくかんこう屋宅寛広三伝が子孫の方、局をなしていて、日支が財であること。

【か行】

よみ用語解説
か、くわ(わる)天盤支が地盤支の上にあること。
あるいは支神に十二天将がつくこと。
かいどてんもん魁度天門亥の上神に戌が来て初伝になること。
かいめい回明三伝が未巳卯の場合。
かかい河魁戌の別名
かん落陥のこと。地盤が空亡である場合をいう。
かんじょうしん干上神日干の上にある支神。一課のこと。日上神ともいう。
かんぼかいかん干墓開関前の季節の土用が墓で初伝になること。例えば春の占いで丑が墓で初伝にある場合。
きけい帰計占断八門でいう末伝のこと
きゃくとうくうぼう踏脚空亡三伝が逆に並んでおり、初伝と中伝が空亡であること。
きゅうぼくなんちょう朽木難雕庚辛または申の上に空亡の卯が来ること。
ぎょういん凝陰三伝が酉亥丑の場合
ぎょうよう凝陽三伝が申午辰の場合
きょくいん極陰三伝が丑亥酉の場合
くうじょうじょうくう空上乗空空亡支に天空がついていること。
けいめい啓明金星の別名
けいわく熒惑火星の別名
けんぞくほうえい眷属豊盈三伝が父母の方、局をなしていて、日支が官鬼であること。
こうさいきこ罡塞鬼戸寅の上神に辰がきて初伝になること。
こうさそうごう交叉相合日干と支上神、日支と干上神が合であること。
こうしゃ交車一課と三課の関係。
こうそう功曹寅の別名
こうよう向陽三伝が子寅辰の場合。およそ初めは凶、後に吉。
こしゃくこい狐借虎威日干を弱める四課三伝を日支が抑えること。
こそ顧祖三伝が午辰寅の場合

【さ行】

よみ用語解説
さいかんししゃ催官使者官鬼支に白虎がつくこと。
さんでんていせい三伝逓生初伝が中伝を生じ、中伝が末伝を生じること。または末伝が中伝を生じ、中伝が初伝を生じること。
しでんかん支伝干支上神が初伝、干上神が末伝であること。干伝支はその逆。
しじょうしん支上神日支の上にある支神。三課のこと。辰上神ともいう。
ししん支神課伝、天地盤中の十二支のこと。
じとん時遁三伝が亥酉未の場合
しふんざいへい支墳財並日支の墓が財であること。この場合は日干は甲乙木となる。
しゃふく
せきふ
射覆かくされたものを占うこと。六壬では技術を磨くためによく行われれる。
じゅうかい従魁酉の別名
しゅつこ出戸三伝が丑卯巳の場合
しゅつさんてん出三天三伝が午申戌の場合
しゅつよう出陽三伝が寅辰午の場合
しゅびそうけん首尾相見旬首と旬尾が一課と三課にあること。
じょう
の(る)
十二支に十二天将などがつくこと。
しょうぎ渉疑三伝が辰寅子の場合
じょうことうてん乗虎登天本命が午であり、白虎を帯びて亥の上に臨むか、また本命が申で亥の上に臨む場合。凶神将、冲合を恐れないが、気がないのを恐れる。主に権威があり辺境を鎮守ずる公侯の命。
しょうさんえん渉三淵三伝が申戌子の場合
しょうほうないせん将逢内戦初伝の十二天将がその支や日干、干上神、地盤支などから剋を多く受けること。
しょうきつ(ち)小吉未の別名
しょうこう勝光午の別名
しょそうきょうこく初遭夾克初伝が干上神や日干から剋をうけ、さらに十二天将からも剋されること。
しんごう神后子の別名
しんしょう神将普通は月将のことをさす。
しんじょくうぼう進茹空亡三伝が順に並んでおり、初伝と中伝が空亡であること。
しんせい辰星水星の別名
せいこせいりゅう正跨青龍本命が子で寅の上にあり、寅に青龍が乗じて吉将多く、群馬(駅馬天馬?)が学堂を生じたり合したりする場合。
ぜんご前後前とは一つ先、後とは一つ前の干や支。子の前は丑、子の後は亥である。日本語の意味と混乱しないように注意すること。
ぜんごひっぱく前後逼迫三伝が皆空亡、落空、官鬼等であること。
せんぽう先鋒占時のこと
そうちょうぜんほう喪吊全逢干上神と支上神に喪門と吊客があること。

【た行】

よみ用語解説
たいいつ
たいおつ
太乙巳の別名
だいえんすう大衍数十二支の数の象意。子午は9、丑未は8、寅申は7、卯酉は6、辰戌は5、巳亥は4。
だいきつ(ち)大吉丑の別名
たいざいせいき胎財生気胎の十二支が財であって、季節に旺じて強いこと。季節に弱いことは死気という。
たいしょう太衝卯の別名
たいようしゃたく太陽射宅支上神が月将であること。
たいようしょうぶ太陽照武月将上神に玄武がつくこと。
だつじょうほうだつ脱上逢脱干上神に子孫があり、さらに干上神が十二天将に洩らされていること。あるいは日干がさらに四課三伝に洩らされていること。
だんかん断澗三伝が卯丑亥の場合
ちこ地戸巳のこと
ちばんしもん地盤四門亥を天門、寅を鬼門、巳を地門、申を人門という
ちょくじ直事占断八門でいう月将のこと
ちんせい鎮星土星の別名
てんこう
てんごう
天罡辰の別名
でんざいかき伝財化鬼三伝が財の方、局をなしていて、干上神が官鬼であること。伝鬼化財はその逆。
てんしょう天将貴人、螣蛇、朱雀、六合、勾陳、青龍、天空、白虎、太常、玄武、太陰、天后のこと。
でんそう伝送申の別名
てんはい転悖三伝が巳卯丑の場合
てんもうじり天網自裏干上神と本命が墓であること。
とうこせいりゅう倒跨青龍本命が子で寅が子の上にあり、寅に青龍が乗じている場合。
とうさんてん登三天三伝が辰午申の場合
とうじ当時季節に旺じること。
とうめい
とうみょう
登明亥の別名
どだかりゅう土蛇化龍本命が巳であり、螣蛇を帯びて寅の上に臨み、前後吉神良将があればよい。この格は多くは貧賎の家に生まれる。

【な行】

よみ用語解説
にちしん日辰日干と日支のこと。辰というと、十二支の辰と日支の場合がある。
にゅうさんえん入三淵三伝が戌子寅の場合。およそこの課は凶である。
にりゅうぎょめい二龍御命本命が子であり、寅が辰の上にあるか、辰が寅の上にある場合、それが課の中にただ一つあるのを貴とする。
にんしんていば任信丁馬伏吟課で三伝に丁があり、駅馬や天馬があること。

【は行】

よみ用語解説
はいれい悖戻三伝が戌申午の場合
はつよう発用初伝のこと。
ひなんとうせい避難逃生凶神の多い三伝四課の中に長生や父母が一つだけあること。難を避けて生に逃る、ということ。
ふぎょうでんしゃ不行伝者中伝、末伝が空亡や天空であること。
へんえい変盈三伝が巳未酉の場合。およそ凶である。
へんきりゅうはい片騎龍背本命が辰で寅が子の上にあるか、または辰の上に寅があるのを片騎という。
へんきこはい片騎虎背本命が申で白虎が乗じて制服されている場合。性格は猛烈であり、近づきにくい。英豪の気風あり。
へんたい変体占断八門でいう年命のこと
ほったん発端占断八門でいう初伝のこと

【ま行】

よみ用語解説
めいいん冥陰三伝が寅子戌の場合。事は明から暗になる。
めいもう溟蒙三伝が亥丑卯の場合
もんこ門戸卯のこと

【や行】

よみ用語解説
ようじん用神初伝、発用のこと

【ら行、わ行】

よみ用語解説
らいきょ来去返吟課のこと
らくかん落陥地盤支が空亡であること。落底空亡ともいう。
りこびかく履虎尾格本命が未かまたは本命が未に臨む場合。吉神良将あれば福、なければ術士吏卒の流。
りつこしゅかく立虎首格本命が酉かまたは本命が酉に臨む場合。恐怖心を抱き、あえて世に出たがらない。
りゅうかどだ龍化土蛇本命が寅であり、巳の上に加われば、本家の蛇とし、さらに螣蛇がこれに乗ずるのをいう。これは賎であるが、冲すればかえってよい。この格は多くは富貴の家に生まれる。
りょうだきょうぼ両蛇夾墓丙日で戌が干上神にくること。丙は巳で戌は螣蛇で墓であるため。
りん
のぞ(む)
地盤にその支があること。
りんしん臨身干上神(一課)につくこと。
れいめい励明三伝が酉未巳の場合
れんまくきじん簾幕貴人昼生まれの夜貴人、夜生まれの昼貴人のこと。




作成 2011年 1月15日  旧版改訂
改訂 2021年 2月27日  HTML5への対応