この章の目的


 七政四餘占星術については、2010年に判田格師の手になる『七政四余』が刊行されました。この書は占術専門の書店以外にも並んでいることが多く、七政占星術の名は以前よりも知られるようになったと思います。これは喜ばしいことです。
 したがって、この章(私の七政の解説のこと)の意義もないかと思いましたが、最近西洋占星術の本を読んでみて、あらためて七政四餘との共通点や異なる点がわかりました。また私も少しばかり進歩しましたので、西洋占星術との比較をしながら、よりわかりやすく説明できるのではないかと思いました。そういうわけで、七政四餘占星術に関するページを今回大きく改訂しようと思います。
 ただ、西洋占星術については私も素人なので、記述が間違っている(といえば七政に関しても間違う可能性がありますが)場合があるかもしれません。そこは遠慮なく指摘していただければと思います。

 七政占星術がいまひとつ普及しない理由として考えられるのは、
  1.実星、虚星、神殺が入り混じり、おそろしく複雑なこと
  2.わかりやすいテキストがなかったこと
  3.研究者、術者が少ないこと
  4.出し方がよくわからない星があること
などがあげられます。
 3、4については、私にとってはどうしようもありません。  2については、『七政四余』(判田格著)をはじめ、近年台湾においても、研究者も増え、わかりやすい本も出てきています。それを参考に、また西洋占星術との対比をしながら、ごくごく初歩的なことから、解説をすれば、何とかなるかと思っています。
 1については、重要な星だけ選別しても、七政星図はそうそう簡単にはなりません。紫微斗数も星の数が多くいやになりますが、それ以上に数が多いのです。それだけは覚悟を決めなければなりません。ただ、星図の出し方は近年ソフトも出ているようですので、ずいぶん楽になりました。その星図をいかに読むかは、ソフトだけではやはりだめで勉強が必要です。
 この章の主たる目的は、星図をいかに読むか、その手順をわかりやすく解説すること、にします。
 他の占術についてもそうですが、私自身は占うこと自体にはあまり興味がありません。その理論構成がどうなっているのか、そしてこれまでの研究者はどう考えてきたか、ということに興味がありますので、やや実践的ではない部分もあるかもしれませんが、それはご容赦ください。
 また鑑定ができるほど知識も力量もないので、それもお断りしておきます。


   作成 2008年 5月19日
   改訂 2012年 3月20日