唐四柱「勉強ノート」 その1


はじめに

 唐四柱も韓国に来るまで知りませんでしたが、「土亭秘訣」と同様、韓国では比較的ポピュラーな占いです。ちなみに唐四柱は「タンサジュ」と言います。ただし四柱といっても四柱推命とは似ても似つかぬ占いで、旧暦を用います。
 旧暦を使う占いについては、私には若干疑問があるのですが(そのことは占術閑話に書いてます)、それはひとまず棚上げにして、とりあえずは唐四柱についてまずは知ることと思い、本を読んでいます。まあ韓国は日本との時差がないので、旧暦も日本とほぼ同じで、時差のある中国ほどの問題はありませんが。
 難しいことはさておき、まずは、唐四柱のさわりをひもといてみましょう。
 次の本を参考にしています。
   唐四柱  金成泳編著  高麗文学社
   唐四柱秘典  修理仙人 韓重洙著  トンバンイン(銅版印?)
   唐四柱大典  李仙岩 全虎日共著  観音出版社
   唐四柱  李修著  同学社
 原文は漢文(韓国人の手になる)ですが、中身は韓国語です。
 ところで、一番上の本は平澤駅のコンコースに出ていた廉価本売りのところで、2万ウォンで買ったものです。(定価は2万5千ウォン)
 上記の参考文献において、吉凶が変わるほどの意味の違いはありませんが、原文は結構違いますし、図柄も違います。この勉強ノートでは、一番上の高麗文学社のものを採用しています。この本の原文が面白いしわかりやすいと思うからです。まさか編集部の創作ではないとは思いますが・・・。
 なお、日本では黒門先生が「韓流占い」(東邦出版)という本で唐四柱を紹介しています。




唐四柱の構造

 唐四柱の構造とおおげさな題名をつけましたが、この項の話はごく簡単なものです。
 唐四柱と四柱推命は違うといいましたが、根本的な違いは、四柱推命が太陽暦に基づく干支を占いのベースとしますが、唐四柱は太陽太陰暦をベースとします。さらに四柱推命は日干を自分としますが、唐四柱は年支を自分とします。
 上で四柱推命は太陽暦に基づくと言いましたが、誤解を招きそうなので注釈しますと、四柱推命で用いる干支は二十四節気に基づくものです。すなわち年の境を立春します。(冬至を年の境とする術者もいますが、その場合でも)それは太陽の運行に基づくものです。しかしながら、唐四柱での年支は、雨水を含む月の朔を年の境とするわけで、月齢に基づくものです。同じ四柱という名前がついていますが、あくまで年月日時の柱があるというだけで、その年月日時の柱は両者では異なるものであるということを認識してください。
 黒門先生の「韓流占い」には、唐代の「達磨一掌金」が朝鮮半島において独自の発展をとげたのが唐四柱だと書かれていますが、それが正しいかどうかは別として、四柱推命以前の古い占いをもとにしているとは思います。生年を自分としている占いには、例えば九星術や六壬などがありますが、それらはいずれも古い占い(の痕跡を残している)と言われています。
 唐四柱はそのような古い占術をもとに朝鮮半島で作り上げられたものと思います。で、四柱推命や七政でいう年支神殺を重視した占術といえるでしょうか。
 四柱推命家には神殺による推命を一段低く見る人もいますが、それは四柱推命内の話なのであり、神殺による占いだから低級と断ずるのはどうかな、と思います。
 それはともかく、唐四柱は貴族も含めた非専門家の間で広まったものです。自分の生年月日を旧暦で出して、神殺などをつけて、その項目を歌訣で見るというきわめてインスタントな(お手軽な)占いです。そういう占いですから、占いの精度としてはどうかなと思うところもありますが、日本ではほとんど知られておらず、その哲理的な背景には個人的に興味があります。
 それらについては、勉強ノートの後半で述べることとして、まずはどんな占いなのかを紹介します。




前世録

 いきなり前世の話ですが、これは年支と旧暦の生まれ月で見ます。この前世が現在の性格や運命に反映されているとするものです。
 下の表で、左が生年で中が旧暦生月です。もちろん生年も旧暦ですので、新暦で1月や2月生まれの人で旧正月前の生まれの人は前年の生まれとなります。閏月の場合の記載はありませんが、閏をとった月で見ていいと思います。
 旧暦を知るには万年暦やウェブサイトを参照してください。なお下の表で正とは1月のことです。
 以下は高麗文学社の原文を用いています。正統的な原文(「唐四柱秘典」)では骨格論と心性論に分かれて書かれていることを合わせたような内容になっています。また若干違うところもあるのですが、どのみちどちらが正しいか(当たるか)わからないので、とりあえずそのままです。

前世\生年
旧暦生月
鼠変鳳凰十一十二
牛変獅子十一十二
虎変金鶏十一十二
兎変老雉十一十二
龍変燕子十一十二
蛇変鴻鵠十一十二
馬変白鹿十一十二
羊変孔雀十一十二
猿変赤鳩十一十二
鶏変朱雀十一十二
狗変青鶴十一十二
猪変鸚鵡十二十一

 見方はわかると思います。例えば子年の1月は兎変鳳凰となりますし、羊年10月生まれは虎変金鶏となります。
 次に前世録本文をあげます。
 なお先にわかりにくい文字の説明ですが、初とは9歳以下のことです。旬とは十歳で、例えば旬之四五というのは14,5歳のことです。同様に、冠は二十歳、立や入は三十歳、井は四十歳、命は五十歳のことです。例えば立六とは36歳です。

「前世録」

鼠変鳳凰、聡明正直、志高心遠、君子之風、見人之難、不借身命
初年之運、有頭無尾、旬之四五、鸚出幽谷、命之七八、可得横財
背暗向明、不入是非、吉星照明、必有蘭慶、文徳出衆、布徳四方

牛変獅子、性守愚直、威勇過人、不屈他人、四世以前、十生九死
旬之七八、一身栄華、冠之五六、膝下之慶、井之八九、北人被害
勧農為業、自手成家、性守固執、間有口舌、高山植水、積少成大

虎変金鶏、先困後吉、古土不利、移郷大吉、六親無徳、間有横財
一呼百答、到処有福、初年之事、有頭無尾、十歳以前、天地有憂
旬之一二、水火操心、旬五六七、意気揚々、於文於武、功業大成

兎変老雉、聡明才足、若無身弱、一経重病、製品理髪、行商亦吉
言行軽易、以此口舌、自大自傲、人多忌我、冠之八九、大通之運
三十以後、枯木逢春、立之三四、冠厄慎之、命年以後、蘭宮生憂

龍変為燕、広大万人、才芸出衆、到処貴人、若非重病、手足有欠
才徳兼備、人皆信望、心雖火急、不嫌他人、旬之四五、籠鳥出網
冠之八九、所営必成、入之五六、身栄財旺、井年之後、万事如意

前生之蛇、今変鴻鵠、自勤自務、衣食平平、心性雖急、不嫌他人
旬之前後、天地有憂、旬之五六、羊変為馬、冠之三四、婚姻之慶
冠後六七、財数大吉、立六井八、千金得之、平生之運、吉凶相半

馬変生鹿、東西奔走、自手成家、食禄大余、到処多友、変化無窮
旬五六七、貴人相逢、冠之三四、水火慎之、冠之六七、春風花開
立之三四、大通之数、井之三四、魚入大海、吉星照臨、貴人来助

前生羊子、今変孔雀、祖業何帰、自手成家、善心積徳、後必富貴
口弁能余、不言他事、旬之七八、草木逢春、冠之二三、非栄即病
冠之七八、身数不平、立之六七、東敗西傷、立四井一、万事如意

猿化為鳩、心直之相、天地無故、赤手成家、忠言逆耳、與人不和
雖逢難事、巧妙変通、困以得財、人難救済、旬之三四、必有喪厄
旬九冠一、登科之数、立之七八、運数大通、井之三四、手弄千金

鶏変朱雀、一身多事、養魚養鶏、工業大吉、勿為軽身、口舌多端
若不文章、風流之人、旬前之運、疾病損財、旬九冠八、困人被害
立之一二、春風牧丹、立之三四、身数大通、命之一二、手籠千金

狗変青鶴、一身自閑、清直生活、名高利薄、外見愚鈍、内蔵明敏
以好直言、不嫌他人、五六七八、落陽之数、旬之四五、井魚出海
立九井運、立志成功、井三命二、意外横財、命之五六、肉畜損敗

猪変鸚鵡、性直青白、言順行篤、万事得意、医師術業、弁護士吉
雖当難処、変化無窮、口弁出衆、兼有高才、十歳以前、身厄常随
旬五六七、春風花発、冠之一二、配宮有栄、立之三四、身帰財旺
立之七八、幽谷回春




十二星

 十二星とは天貴星、天厄星、天権星、天破星、天奸星、天文星、天福星、天駅星、天孤星、天刃星、天芸星、天寿星 の12の星です。この由来はわかりませんが、七政などと共通の由来を持つのではないかと思います。
 十二星の十二支への基本配置は次の表のとおりです。

天貴天厄天権天破天奸天文天福天駅天孤天刃天芸天寿

 それぞれの星の基本的な性格は唐四柱には記載されていませんが、初年運、中年運、壮年運、末年総運、に、それぞれに記載されています。




初年運

 初年運は生年の十二星すなわち基本配置で見ます。
 唐四柱は生年を自己と考え、初年のうちは自己がそのまま表に出てくるという考え方に基づくものと思います。
 ただ、生年で初年運が決まるのなら、同じ年の生まれの人はみな同じということになり、おかしなことになりますが、私は、こういう潜在的傾向を持つという程度だと思っています。
 一応初年運と書いていますので、その期間ですが、おおむね生まれてから結婚するぐらいまで、昔なら20歳前後でしょうが、いまなら30歳ぐらいまででしょうか。
 見方ですが、例えば子年生ならば天貴星ですので、年天貴星の8句を、申年生まれなら年天孤星の8句をみます。

初年運

年天貴星、少年栄華、聡明多智、一聞千悟、先困後泰、晩年太生、
到処得意、名振四海
年天厄星、初年多厄、祖業難守、損財頻繁、古土不利、離郷八字、
胸中隠愁、昼夜不離
年天権星、少年奔走、権在四方、可交千人、若勤学問、官禄之人、
天性清活、有人自従
年天破星、初年成敗、所為之事、有頭無尾、莫信人言、有害無益、
平生所恨、心中不離
年天奸星、多謀之人、以才成功、名振四方、禄在四方、到処春風、
出入公門、偶得銭財
年天文星、名播遠近、若不学文、労心労力、琴瑟和楽、一有離別、
容貌端正、可記姓名
年天福星、早年富貴、莫犯重逢、反不利身、小被人助、毎事如意、
旬之七八、月娥有縁
年天駅星、初年奔走、古土不利、移郷八字、在家有憂、出即生財、
到処有権、名振四方
年天孤星、兄弟分離、塞北帰雁、秋月孤飛、栄中有苦、移居太平、
若無身厄、早失父母
年天刃星、和親避去、又有造化、或為工場、生少用大、損財之数、
平生隠愁、傍人何之
年天芸星、自手成家、順有春風、逆利秋霜、手巧心仁、毎好親旧、
衣食有足、安過歳月
年天寿星、百年孤単、若非独身、許多風霜、性雖無偽、口舌損財、
十人耕之、一人食之





中年運

 中年運は旧暦生月でみます。中年とは昔なら20〜40歳でしょうが、いまなら30〜50歳ぐらいでしょうか。
 これもまた表にしています。前世録とは逆になっているのが面白いです。

月星\生年
-旧暦生月
月天貴十二十一
月天厄十二十一
月天権十二十一
月天破十二十一
月天奸十二十一
月天文十二十一
月天福十二十一
月天駅十二十一
月天孤十二十一
月天刃十二十一
月天芸十一十二
月天寿十二十一

 上の表で月十二星がわかれば下の原文で探します。

月天貴星、四十栄華、莫近女色、損財損名、口弁出衆、到処生財、
此人居地、平野大吉。
月天厄星、立前見害、性多固執、親人自疏、去東之西、風霜重重、
天地情小、自手成家。
月天権星、権多処処、雖有六親、反不女人、多人仰視、到処春風、
千金家産、栄華無窮。
月天破星、兄弟無托、早失父母、不然移郷、先敗後成、一身事煩、
官厄常随、勿事経率。
月天奸星、中年多厄、早不学文、身何不悲、少年之時、花逢三月、
雖無敗殺、千金自散。
月天文星、四十栄華、雖無世業、自手成家、若無栄華、揮涙配宮、
権多処処、衣食自足。
月天福星、処処倉庫、官門出入、近貴之人、大難之中、貴人扶助、
中年之数、財源如泉。
月天駅星、虚度世事、累見貧困、以後安身、居家不安、出他心閑、
一見栄華、必財必禄。
月天孤星、兄弟分離、三歳五歳、水火慎之、六親無徳、一身孤単、
身如浮萍、四海為家。
月天刃星、少年敗家、武術専攻、名振四海、手足無欠、累次重病、
平生凡事、有頭無尾。
月天芸星、早得人心、手巧過人、以此得名、暗裏得燭、意気揚々、
芸術生涯、安過平生。
月天寿星、東西奔走、初年安楽、中運失敗、親人為敵、一被其害、
若非二母、無后奉祀。




壮年運

 壮年運は月十二星と旧暦生日でみます。壮年とは昔なら40〜50歳でしょうが、いまなら40〜60歳ぐらいでしょうか。要するにリタイヤするまでです。
 一番上の行で月十二星を捜し、その列で日にちを捜します。ただし、日にちは旧暦生日を12で割った余りです。たとえば27日ならば、12で割ると2あまり3ですから、三のところで左側の日十二星をみます。

日星\月星天貴天厄天権天破天奸天文天福天駅天孤天刃天芸天寿
-旧暦生日の12の剰余
日天貴十二十一
日天厄十二十一
日天権十二十一
日天破十二十一
日天奸十二十一
日天文十二十一
日天福十二十一
日天駅十二十一
日天孤十二十一
日天刃十二十一
日天芸十一十二
日天寿十二十一

 上の表で月十二星がわかれば下の原文で探します。

日天貴星、千金復来、毎当危処、変化無窮、商業従事、大買得名、
莫嘆配宮、井後栄華。
日天厄星、中年身病、若非身病、官厄慎之、臨海必慎、難免水厄、
托身公門、喜事重重。
日天権星、処処多権、君前受命、文武之才、旱苗逢雨、其色更新、
井之一二、喜事将至。
日天破星、困窮可知、活人救済、養虎為患、事不如意、心思不閑、
平生之事、善無功徳。
日天奸星、坐謀平生、用謨奇妙、非常之人、太極照臨、天恩罔極、
天恩厚重、必及高官。
日天文星、膝下見栄、莫嘆親愁、平生奈何、用心正直、世称君子、
若不登科、妻宮不利。
日天福星、一身栄貴、才芸非常、必為大人、処処得財、諸友相助、
井後之数、独守空房。
日天駅星、商業大利、在家不利、出即快楽、夫婦相別、後必相逢、
禍反為福、得人携業。
日天孤星、多足若無、有雖相論、春林独鳥、才智聡明、毎嘆失手、
井後命運、安旧安席。
日天刃星、傷刀手足、初年困苦、此後太平、祖基不利、移郷為好、
出入酒肆、損財不少。
日天芸星、井後成家、莫誇多子、或疑為僧、神通之才、経国済世、
晩得富貴、家内多厄。
日天寿星、独守空房、若非空房、魂飛青山、天上得罪、人間敵下、
兄耶弟耶、争即必損。




末年、総運

 末年、総運は日十二星と生時支でみます。末年とはリタイヤ後です。総運とは一生を総じての運です。末年と総運が同じということは、終わりよければすべてよし、ということなのでしょうか。
 これもまた表にしています。見方は上の壮年運と同じです。

時星\日星天貴天厄天権天破天奸天文天福天駅天孤天刃天芸天寿
-生時支
時天貴
時天厄
時天権
時天破
時天奸
時天文
時天福
時天駅
時天孤
時天刃
時天芸
時天寿

 上の表で月十二星がわかれば下の原文で探します。

時天貴星、老来栄華、雲捲青天、日月更明、老年之運、屋上加屋、
前後銭庫、左右露積。
時天厄星、東西奔走、他人成親、以後被害、世事不多、画中之餅、
吉運何時、運回末年。
時天権星、以商為業、順有春風、逆即秋霜、一生苦楽、末分大亨、
不屈人下、処世多難。
時天破星、難得交易、初中之年、幾敗家産、老来富貴、子孫満堂、
次々潤屋、末年栄華。
時天奸星、多無称寃、少年之事、有明無実、容貌非常、口利生財、
商業従事、衣食豊足。
時天文星、無後逢祀、莫嘆荊蘭、運也奈何、三人同行、二人盗者、
若非官禄、妻憂子患。
時天福星、末年富貴、前後露積、食客数千、晩年栄華、有子得貴、
経験前日、白髪春風。
時天駅星、商業大利、欲渡江河、臨津無鉛、移舎亦造、先山累遷、
周行天下、以商得財。
時天孤星、末年孤単、毎事多魔、無情歳月、形影相依、何人来助、
孤独難免、富名可期。
時天刃星、一時求乞、莫恨貧窮、不然身危、信斧割足、莫信他人、
弥勒獻功、必成大功。
時天芸星、卒然成敗、六親無徳、赤手成家、托身公門、以才成功、
心性平平、一生近貴。
時天寿星、白首閑暇、十人耕之、一人食之、無事無愁、寿到八重、
若有農業、富貴之命。




兄弟宮

 これから六親論に入ります。まずは兄弟宮です。
 兄弟宮は旧暦生月から生時をみて星を出します。名前は四柱推命の十二運に似ていますし順序も同じですが、出し方は違います。同じ十二支を病星として、死、葬、胞、胎、養、生、浴、帯、冠、旺、衰の順に配します。
 これでは、わかりにくいと思いますので、これまでと同じように表にします。

星\生月十一十二
-生時支
胞星
胎星
養星
生星
浴星
帯星
冠星
旺星
衰星
病星
死星
葬星

 次に歌訣です。絵が紹介できないのですが、雁が飛んでいる絵が付いています。ただその雁の数あるいは向き、姿勢、また背景などがそれぞれ異なっています。

(胞星)洞庭秋月、三雁双飛、六親無徳、誰助我身、克害即孤、貴禄即四、
無禄而四、雖多不和。
(胎星)洞庭秋月、二雁各飛、在於胎中、未出之象、早失天地、累見風霜、
或多兄弟、異腹之人。
(養星)自然家内、骨肉相争、古土無縁、移去他郷、但有南北、和音和同、
滋細論之、二雁各飛。
(生星)洞庭秋月、四雁各飛、雖有多雁、二雁有期、不宜共住、勿事末利、
龍宮致盛、兄弟同栄。
(浴星)天地無情、何守事業、古基不利、他郷顕達、雖多兄弟、中途散尽、
龍王致誠、永受福禄。
(帯星)三雁得気、和気満堂、上下和合、一家太平、莫恨孤独、末年為富、
無端風雨、東西分在。
(冠星)冠字之意、大成之象、兄弟之間、意思不合、雖有四雁、三雁和同、
或有二三、各成其家。
(旺星)前生罪人、還生今世、末年之運、各分東西、常滞之花、四時春風、
如逢月殺、未免孤単。
(衰星)仏前弟子、還生此世、在家多煩、出外心活、雖有三雁、晩得一双、
末運己回、孤独之状。
(病星)若有兄弟、秋風落葉、論其性情、必有固執、兄弟之間、泰山之高、
仁兄賢弟、分手相別。
(葬星)人得希薄、信斧割足、之東之西、別無好事、若有多雁、異腹可知、
晩得旺運、友愛之人。
(死星)異腹即三、不然独身、古基不利、死之回生、風霜累経、親戚反害、
堀地得金、労力成功。




夫婦宮

 夫婦宮は生年から生月をみて出します。前世録と同じですが、夫婦の縁というのは前世から決まっているということなのでしょうか。夫婦宮には、例えば相嫌とか離妻とか、夫婦関係を象徴するような名称が付いています。
 下の表の見方はこれまでと同じです。

夫婦\生年
-旧暦生月
相嫌
隔山十一十一十一
求子十二十二十二
和合
商量十一十一十一
悪逆十二十二十二
保守
入舎十一十一十一
離妻十二十二十二
重夫
重妻十一十一十一
克子十二十二十二

 見方は前のものと同じです。

夫婦宮

(相嫌)夫婦相阻、家門不和、如不死別、生涯可畏、夫有疑妻、妻有疑夫、
若過厄年、末年和平。
(隔山)夫婦隔山、消息杳然、独守多年、古梅回春、悠々我思、何日更叙、
井之以後、吉運自生。
(求子)正室不足、妾為正堂、原無子運、生面多失、悪殺作害、獻功七星、
百年之宮、鴛鴦不和。
(和合)夫和婦順、上下和楽、夫唱婦随、百年琴瑟、井之以後、渇馬逢川、
天縁相逢、致富之命。
(商量)早妻不利、晩娶偕老、若臨劫殺、妻宮不和、夫婦之意、各自有異、
凡事商量、有吉無凶。
(悪逆)夫言不信、諸事多悪、若不有乱、別離可知、事事不成、難成家業、
立運娶妻、可得偕老。
(保守)夫婦偕老、子孫満堂、天縁同居、致富之命、次次潤屋、百年楽友、
井之五七、年運大通。
(入舎)百年恨情、再娶安康、鴛鴦不和、鳩鷺近情、流離他郷、夫婦各分、
一夜狂風、花蝶各飛。
(離妻)此人之性、毎好間寂、一読仙書、又飲清水、花園春暮、両方有月、
晩年栄華、子孫之運。
(重夫)西天日傾、涙送歳月、男即傷処、女即喪夫、子孫無徳、悲涙離禁、
莫恨初年、中後太平。
(重妻)庭前池塘、鴛鴦難和、好勇好色、衣食自足、花柳春城、到処春風、
凡人平生、酒色失敗。
(剋子)子女極貴、妻妾多多、名山祈祷、可免此厄、夫婦難和、離別何免、
末年之数、一身太平。




子息宮

 子息宮は生年と生時でみます。生時でみるのは、四柱推命と同じですね。
 子息宮は一橋から十二橋までの呼び方がありますが、子供の数とは関係ありません。まあ記号みたいなものでしょう。

子息宮\生年
-生時支
一橋
二橋
三橋
四橋
五橋
六橋
七橋
八橋
九橋
十橋
十一橋
十二橋

 子供の数が文章にはありますが、現代は少子の時代なので、子供の数はあてになりません。

(一橋)此人之命、一子之数、諸殺入門、除殺大吉、致誠北斗、三子可期、
喜神慶会、資産豊隆。
(二橋)天寒地凍、晩得回春、陰陽倶精、万物化生、至誠祈祷、五子同楽、
年為安宅、一子登科。
(三橋)庭前宝樹、三枝迎春、北斗主命、宜精獻功、自此以後、二子可貴、
天狗作害、蘭宮不利。
(四橋)春回宝樹、四子同栄、至誠山祭、一子貴栄、一天二地、異腹可期、
一洽甘雨、百花爛漫。
(五橋)心志高潔、月白風清、蘭宮之数、三子同栄、生而多失、間間悲涙、
若不七星、早子難養。
(六橋)或有二三、早子難養、平生所忌、狗肉不食、種徳百年、枝葉茂盛、
至誠祈祷、諸子可賢。
(七橋)天狗来侵、早為防厄、日暖風和、花逢春節、至誠命年、快無意窮、
七星有功、二子可全。
(八橋)子宮稀少、名山祈祷、晩得両男、一子可貴、上下相応、和気自生、
五辛狗肉、切忌勿食。
(九橋)子宮有厄、早子難養、千里沙漠、前途茫然、四方有禄、口舌求子、
至誠祈祷、二子分明。
(十橋)雖多子息、途中損失、枯木生芽、本求難得、鬼殺来侵、防厄操心、
至誠祷厄、可得一子。
(十一橋)浴保蘭宮、名山獻功、至誠感天、二子之数、種豆石田、其何托根、
井後命前、大運当到。
(十二橋)一到殺星、秋風落葉、弱馬任重、雪上加霜、一子栄貴、桂花折挿、
雖有多子、終身四子。




例題

 ここまできたところで、ちょっと例題に取り組んでみましょう。

例 旧暦寅年7月17日子刻

 龍変燕子 年天権 月天孤 日天貴 時天貴
 六親 胎星 重夫 二橋

【鑑定】
 龍変燕子と年天権からみると、才能がありまた人望がある。短気だが人との交際はうまく、学問を進めれば、公務員やサラリーマンになれる。
 親兄弟はいないか頼りにならない。ひとりで生きていくことになる。世間をうまく渡ることができるが、割と変化に富んだ人生を歩むことになる。晩年は富貴を得る。
 初婚はうまくいかず再婚で上手くいくか、さもなくば晩婚。子供はいないか頼りにならない。晩年によい子を得る可能性がある。


 さて上の例題は、実は私自身です。才能や人望があるかはわかりませんが、短気でサラリーマンになっているところはまずあたっています。
 親兄弟が頼りにならないということはないですが、18歳以降はずっと親元から離れて暮らしているのは事実です。同じ会社にずっと勤めてますが、人とは違い職場を転転としているのは確かで、そういう意味では変化に富んだ人生です。晩年富貴を得られればいいですね。希望がわいてきます。
 初婚ですが、晩婚というほどではありません。子供はいないのでそのとおりです。
 以上、何となく当たっているような当たっていないような。いくつもの事柄、いろいろな解釈が可能なので、これだけでは当たるか当たらないかを判断するのは難しいと思います。


 以上で基本的な運を終わりました。その2では神殺について取り上げます。


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