研究業績一覧[2011年以降]

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2015年(平成27年)6月現在
加藤晴子


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(学術論文)

論文14● 中日両語の叙述の視点と動作の方向性
単著 2011年(平成23年)3月 古希記念論集編集委員会編『横川伸教授古希記念 日中言語文化研究論集』70−83頁 白帝社

“来”“去”と「くる」「いく」の対応状況からの論考をもとに,中国語の俯瞰する視点と日本語の作中人物に一体化する視点の違いを示した上で,そのような視点の違いによって,「やりもらい」に代表される動作の方向性の扱い,「思考・感覚」を表わす動詞の主語の扱い,動作の「形重視」対「作用重視」などに見られる中日両語の違いを説明しうる可能性を述べた。

論文15● 日中両語の所有者を示す連体修飾語の現れ方
単著 2011年(平成23年)8月 〈漢日語言対比研究論叢〉第2[車+[口/耳]] 84−95頁

日本語の小説『越前竹人形』を題材に,所有者を示す連体修飾語の現れ方を調査し,中国語訳文との相違点を整理した。両語とも主語や主題と所有者が一致することが不明を避ける要因である。ただし中国語では主題が頻繁に切り替わる分,連体修飾語がより多く現れる。一方日本語では所有者を示さないことで全体に一貫性がもたらされる他に,語り手の視点や大きな範囲の文脈,現実世界の常識などに依拠して所有者を示さないことがある。

論文16● 中国語の小説を構成する文の叙述のタイプ
単著 2012年(平成24年)7月 『東京外国語大学論集』第84号 85−100頁

中国語の短篇小説を材料に,小説を構成する文の叙述のタイプ分けを試み,指示の枠組みに着目した小説の分析方法を確立することを目的とする。その過程で,時間や空間を指示する成分やモダリティ的要素が,指示の基点に沿って,どのように配置されるのかを確認する。これは同時に,各文の視点のありかを特定する手順を明確にすることになる。また,文の叙述のタイプや話法の問題が,いずれも指示の問題として捉えうることを示す。

論文17● 中日対訳小説にみる作者の作中人物への介入度
単著 2014年(平成26年)12月 『東京外国語大学論集』第89号 99−109頁

日本語対訳のある中国語の小説から,作者による作中人物の内面描写部分を取り出し,中国語原文と日本語訳文を比べて,作者の作中人物への介入の程度が変化すると感じられる箇所に注目,人物およびそれ以外の事物・位置・時の指示の仕方,知覚・思考動詞の使われ方,価値判断を示す成分の現れ方などがどのように介入度に変化をもたらすかを整理・考察した。

論文18● 事象を具体化する表現形式
単著 2015年(平成27年)3月 大東文化大学大学院外国語学研究所『中国言語文化学研究』第4号 45−54頁

叙述の具象性と述語の形式との関係およびテンス標識の有無との関係について,井上優による一連の論考を紹介し,沈家[火+宣],大河内康憲らの研究との関連に言及した上で,中日両言語でのこれら関係の違いが,動詞多用と名詞多用の違いを生むことを述べた。


(学会口頭発表)

発表11● 中日小説における文の叙述タイプと視点を示す要素
第四届漢日対比語言学研討会 2012年(平成24年)8月19日 湖南大学外国語與国際教育学院

中国語の小説中の文の叙述タイプを5つに分けることを提唱,5つのタイプ別に,視点を示す要素である“這,那”,“来,去”の現われ方,それらの日本語訳との対応,および,主語の人称,日本語訳での時制について,それらの現われ方を見た。以上を通じ,小説中の視点の考察に,指示体系による叙述タイプの分類が役立つことが確認された。

発表12● ヴォイスとその周辺 〜中国語〜
東京外国語大学語学研究所定例研究会 2012年(平成24年)12月5日

中国語の受動表現,受動者主語表現,処置表現,使役表現を比較し,動作の結果を表す要素の有無がそれぞれの表現の成立に関わることを示す。さらに受動表現の成立には,「迷惑の感情・被影響感」の有無も関わることを述べる。

発表13● 作中人物の内面描写の中日対照
第五届漢日対比語言学研討会 2013年(平成25年)8月22日 福建師範大学外国語学院

小説において作者が作中人物とどの程度一体化しているか,特に作中人物の内面描写部分を取り上げ,中日の対照を試みた。具体的には,@文中での人物の指し方,および,A思考動詞・知覚動詞などと前後の文脈との関係に基づいて「介入度」を定め,中国語小説と日本語対訳とで対照した。その結果,中国語より日本語のほうが介入度が高い傾向は見られるものの,同等のものも少なくなく,中国語のほうが高いものもあることがわかった。

発表14● 従情態副詞上考察作者與作品中人物的関係
第六届漢日対比語言学研討会 2014年(平成26年)8月21日 中国人民大学

中国語の三人称小説を題材に,モダリティを担う副詞的成分を取り上げ,それらが@会話文のみならず,地の文にも同様に分布していること,A地の文に現れた場合,そのモダリティの担い手は作者とは限らず作中人物であることもあること,を明らかにし,@Aから,地の文においても作者は一定程度作中人物に一体化し,その人物に成り代わってモダリティを表出していることを述べた。


(学術報告)

報告6● 通過分析日本學習者學漢語的難點探討漢語的特點(上)(下)
単著 2012年(平成24年)10月,2013年(平成25年)4月 香港中文大學普通話教育研究及發展中心『普通話教研通訊』第31期5-8頁,第32期8-12頁

香港中文大学普通話教育研究及発展中心での2012年8月の講座の内容をまとめたもの。日本人中国語学習者による中国語によく見られる文法的誤りや不自然な表現を取り上げ,その原因を日中の言語の違いに求めた。

(著書・学習参考書・教材)

著書4● 東京外国語大学中国語教材 文法
共著 2011年(平成23年)1月31日(第1版),2013年(平成25年)2月28日(第2版),2015年(平成27年)3月9日(第3版) 東京外国語大学中国語研究室

(著者)三宅登之,加藤晴子(概要)中国語初級〜中級初めに学ぶべき文法事項を,例文と解説,練習問題によって習得できるようにした。(担当)全体の構成,本文,文法事項の整理・説明,練習問題の作成を三宅登之が担当し,全体の修正,単語表の作成を加藤晴子が担当した。

著書5● 日本語ライブラリー 中国語と日本語
共著 2014年(平成26年)5月25日 朝倉書店

(著者)沖森卓也,蘇紅,相原茂,曹泰和,顧令儀,今井俊彦,加藤晴子,三宅登之,張勤(概要)中国語と日本語の関係を,言語の構造から運用までさまざまな面について概括的に論述する。(担当)1.代名詞(代詞)pp.1-8,2.動詞・形容詞pp.11-18,コラム@動作とそれに関わる事物との関係pp.9-10,コラムA中国語の「動詞+補語」と日本語の複合動詞pp.19-20

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