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MOMENT TO MOMENT
アドバルーンの効果
2006年3月5日16時05分 池袋

日曜の昼下がり、やや霞む青空にぽっかりと浮かぶアドバルーンを見つけた。 垂幕広告を望遠レンズで覗くと、新築マンションの見学イベントであることが読み取れた。 気球の高度は約50m、現地までの距離は1kmほど。 アドバルーンそのものが懐かしく、散歩がてらに出かけてみた。 街中で揚がる気球は建て込むビルにすぐ隠れ、連続して目に入ることはないが、見つけようとする意志があると適度にビルの隙間から見えてくる。 ほとんど道に迷わず短時間で現地へ到着。 アドバルーンは仮設ランドマークの役割を見事に発揮した。

不慣れの土地へ行く場合、カーナビ機器や携帯電話でのGPS利用は便利だが、バーチャルな表示画面を見ることに気を取られ、アクセス途中の道順を憶えることはほとんどない。 建物で見え隠れする気球をひたすら目標に現地まで歩くと、移動する自分の位置が途中の街並みを含めて立体的に頭に入り、地域周辺の空間認識が自然と身につく。 歩くこと自体が思考や記憶の活性化につながることもある。 このアドバルーンを見ながら現地を訪ねた顧客にとって、自分で得た地域情報は物件購入の決断時に大いに役立ったことだろう。

東京では屋外広告の制限が厳しくなったせいか、近ごろアドバルーンを見たことがない。 中高層ビルの建て込みで、地上から見える空の面積が狭くなったことも大きな理由の一つ。 気球を利用する広告は大都会ではすでに過去のものになってしまったのだろうか。 垂幕広告そのものは300mも離れると肉眼では読めなくなるが、中距離から目的の場所へ誘導するランドマーク効果は大いに見直すべきである。 ヘリウムガスを充填する現在の気球は爆発の危険がなく、強風さえ吹かなければ安全で省エネルギーな広告媒体なのだ。



data
camera : Minolta alpha-7
lens : TAMRON SP AF
         200-500mm F5-6.3
exposure : F16 , 1/125 sec.
film sensitivity : ISO 100

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updated : January 3, 2007
released : April 4, 2006

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