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Panoramic Photography

スイングレンズ式35mmパノラマカメラで撮影(水平画角130度)
Marunouchi, Tokyo


7.パノラマカメラはどのように写るか

広角度の範囲を一度に写し込めるパノラマカメラは
普通のカメラと違って独特な写り方をします。


均一な画角分布の撮影画面
写る範囲はスーパーワイド
パノラマカメラの樽型歪み
歪みの目立たない撮影方法





 均一な画角分布の撮影画面

35mm一眼レフカメラ(28mm広角レンズ)
フィルム面の画角分布 / 水平画角65度
Grid 28mm

ワイドビュー式35mmパノラマカメラ(30mm超広角レンズ)
フィルム面の画角分布 / 水平画角94度
Grid 30mm

スイングレンズ式35mmパノラマカメラ(29mmレンズ)
フィルム面の画角分布 / 水平画角130度
Grid 29mm
左上図は、35mm一眼レフカメラに28mm広角レンズを付けて撮影した画面の画角分布をシミュレーションしたものです。画角分布はフィルム面(画面サイズ:タテ24mm×ヨコ36mm)で5度ごとに計算しました。 画面の端にいくほど歪みが大きくなる広角レンズ特有の描写特性が解ります。

左中図は、ワイドビュー式35mmパノラマカメラ(画面サイズ:タテ24mm×ヨコ65mm)に30mm超広角レンズを付けて撮影した場合のシミュレーション。 このパノラマカメラのフィルム画面は35mm普通カメラの画面を横に伸ばしたワイドタイプ。長辺方向の歪みはさらに大きくなります。

これに対して、フィルムを円弧状にセットするスイング式35mmパノラマカメラ(画面サイズ:タテ24mm×ヨコ65.5mm)では、左下図のように画面長辺方向の画角分布は原理上均一で等間隔になります。短辺方向の画角分布は普通カメラと同じです。






 写る範囲はスーパーワイド

35mm一眼レフカメラで撮影(28mm広角レンズ)
水平画角65度
Shibaura, Tokyo
スイングレンズ式35mmパノラマカメラで撮影(29mmレンズ) 水平画角130度
Shibaura, Tokyo
上の2枚の写真は、同じ場所から35mm一眼レフカメラとスイングレンズ式35mmパノラマカメラで撮影したもので、比較のために同倍率サイズで画像を仕上げてあります。 このパノラマカメラでは、28mm広角レンズ付き35mmカメラのほぼ2倍の範囲が写っています。 前項の画角分布シミュレーション図と照らし合わせて見てください。




 パノラマカメラの樽型歪み

スイングレンズ式パノラマカメラの撮影では、普通カメラ以上に構図に気をつけます。 特に、ビルの壁面、看板などの平面的なものを直接写す場合や、それらの被写体が直線状に並んでいる状態などを写すときは注意しなければなりません。 下図は、普通カメラとスイングレンズ式パノラマカメラについて、無限に広がる平面を正対して写した場合の撮影画面をそれぞれシミュレーションしたものです。
普通カメラで平面を撮影した画面
Normal Grid
スイングレンズ式パノラマカメラで平面を撮影した画面
Panoramic Grid

普通カメラやワイドビュー式パノラマカメラはフィルム1コマが平面状にセットされているので、文献の複写にも利用されている通り、平面的な被写体を撮影すると完全な相似形に写ります。 ところが、フィルムが円弧状にセットされているスイングレンズ式パノラマカメラではキワモノ的な写り方をします。

前項の写真のように、放射状に奥行きのある被写体を写した場合は、スイングレンズ式パノラマカメラでも画面上の歪みはほとんど目立ちません。 しかし普通カメラと違って、平面的なものやヨコに延びる直線状のものを撮影すると、画面の中央部が膨らんで写る樽型歪みがハッキリ表れます。

これは、広角度な範囲に渡って近距離から無限遠まで自然な距離感を一枚の写真に再現できるスイングレンズ式パノラマカメラの特徴なのですが、一般的な風景写真としては違和感のある描写特性になります。

スイングレンズ式
パノラマカメラの樽型歪み
Rainbow Bridge, Tokyo





 歪みの目立たない撮影方法

スイングレンズ式35mmパノラマカメラで撮影(29mmレンズ) 水平画角130度
空や海などの空間を大きくとると樽型歪みはほとんど分からない
Tokyo Port

スイングレンズ式パノラマカメラの独特な写り方は、見やすい写真を撮る上で構図の自由度を制限することになります。 でも、ガッカリしないでください。 プロのフォトグラファーに敬遠される樽型歪みは、ほとんどの場合、撮影時のフレーミングを工夫することで目立たないようにすることができます。

その方法は水準器を見てカメラを水平に構えることと、水平線(地平線)で二分される上下の空間に、ヨコ方向へ延びる直線状の被写体をなるべく持ってこないことが基本になります。上の写真を見てください。前項の垂直パノラマ写真と比べると、樽型歪みはまったく気になりません。

描写特性を知り撮影テクニックを駆使することがパノラマカメラ撮影の奥深い醍醐味であり、アマチュア・フォトグラファーの楽しみでもあるわけです。




released : July 15, 2001

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6.パノラマカメラは要らない