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Panoramic Photography

35mm一眼レフカメラで撮影(100-300mmズームレンズ)
Her Shy Glance


5.パノラマ写真を仕上げる

パノラマ写真はデジタルフォトにして楽しみましょう。
コーヒーを飲みながらノートパソコンでパノラマ観賞なんてしゃれてますね。


「正統派」パノラマ写真のプリントは覚悟がいる
パノラマ写真はデジタルフォトが適している
デジタル化はフォトCDが簡単
フィルムスキャナーを使う
フォトレタッチソフトで仕上げる
ノートパソコンで観賞する




 「正統派」パノラマ写真のプリントは覚悟がいる

パノラマ写真は印画紙にプリントして楽しむことが多いと思います。 パノラマ切換付き35mmカメラで写した、いわゆる「パノラマサイズ」のパノラマ写真は、パノラマプリント(タテ89mm×ヨコ254mm)がサービスプリントになり、1枚50〜70円で仕上がります。 この値段は専用の自動プリンターがラボ(現像所)に備わっているから実現できるわけで、正統派のパノラマカメラで撮影した「フルサイズパノラマ」のパノラマ写真になると様子が変わってきます。

スイングレンズ式35mmパノラマカメラのフィルム画面サイズは、タテ24mm×ヨコ58〜65.5mmと長辺方向が長くなります。 この「フルサイズパノラマ」は一般の35mmフィルム用自動プリンターでは処理できず、サービスプリントではなく「手焼きプリント」になります。 この画面サイズはロールフィルムの6×6判または6×7判用のプリンターを使用し、キャビネサイズ(タテ127mm×ヨコ178mm)の手焼きプリントは1枚300〜400円。 もちろん、横長のパノラマ画面以外は白くマスキングされて仕上がります。

プロ指向の中判パノラマカメラで撮影したフィルムのプリントではさらに大がかりになり、プロ専用のラボで処理することになります。 プロ写真家はポジフィルムで撮影することが多いのですが、大きい画面サイズを活かしてネガフィルムで撮り「ベタ焼き(密着プリント)」にして楽しむこともできます。 いずれにしても、大伸ばしが効き微妙な色調が表現できる中判サイズのプリントでは思い通りに仕上げることが難しく、時には自分で暗室作業をする覚悟も必要になります。




 パノラマ写真はデジタルフォトが適している

パノラマ写真では、印画紙のプリント仕上げはフィルム画面サイズが大きくなるほどアマチュアには手が出せなくなってきますが、写真をデジタル化するとこれらの問題が解決するだけでなく、いろいろなメリットがあります。 フィルム上のキズやゴミによる見苦しい画面、露出不足やピンボケによる不鮮明な画面、紫外線による変色やかぶりなどをパソコンで修正できます。 同時に、CG(コンピュータ・グラフィックス)の領域に入るような挑戦的な加工も可能です。

手軽にデジタルフォトを撮影できるデジタルカメラが普及してきました。 撮影した画像をパソコンに直接読み込ませることができてたいへん便利です。 パノラマ写真のワンショット撮影にデジタルカメラを利用する場合は、フォトレタッチ(横長サイズの画面加工を含む)を考慮すると内蔵CCD(撮像素子)が200万画素でも不足することが多いでしょう。

画素数の少ないデジタルカメラを使用して、合成パノラマ写真を作成するのも面白いと思います。 カメラを水平方向にずらしながら撮影した複数の画像をフォトレタッチソフトでつなぎ合わせるのです。 この場合、水準器付きの三脚を利用してカメラを適当な角度毎に回転させて撮影すると、まっすぐ横に並んだ画像が得られます。

デジタルカメラでも撮影レンズの広角側では、画像の「つなぎ目」が不連続になりやすく、創作的な修正を加えた合成が必要になります。 つなぐ枚数がさらに増えることを覚悟で、望遠側で撮影すればつなぎやすい画像が得られます。 この方法で全周撮影すれば、360度の合成パノラマ写真も作れます。 メーカーの広告では、附属ソフトなどで簡単にパノラマ写真が作れるように宣伝されていますが、フォトレタッチを念入りに行わないと満足できるパノラマ写真には仕上がりません。




 デジタル化はフォトCDが簡単

スイングレンズ式35mmパノラマカメラで撮影(水平画角130度)
Ecchujima Park; Ecchujima, Tokyo
35mmフィルムに写した画像をデジタル化するにはフォトCDがいちばん手軽です。印画紙プリントの「焼き増し」と同じように、撮影済みのネガフィルムまたはスライドフィルムを写真店に持ち込んで頼めます。もちろん、フィルム現像と同時に依頼することもできます。

フォトCDは、Windows95/98にも採用されているコダックの色管理技術を使用してコンパクトディスクに100枚の写真を高画質に記録します。フォトCDでは、35mmフィルム画面一コマを2048×3072ピクセルでスキャンし、5種類の解像度を持ったデータとして圧縮記録します。原板は35mmフィルムの「フルサイズ」とAPSカメラで使用するカートリッジフィルムの「H〜Pタイプ」に対応、もちろん35mmフィルムの「パノラマサイズ」も可能です。

しかし、スイングレンズ式35mmパノラマカメラで撮影する「フルサイズパノラマ」のフィルム画面サイズは、フォトCDでは残念ながら扱っていません。フォトCDにこだわるならば、4×5判サイズまでのフィルム画像を最大4096×6144ピクセルで記録するプロフォトCDという、ワンランク上のプロ向きデジタルフォトシステムを利用することになります。プロフォトCDのファイルはPhotoshopで読み込めます。




 フィルムスキャナーを使う

銀塩フィルムで撮影した写真をユーザーサイドでデジタル化するにはスキャナーが必要です。印画紙にプリントした写真を取り込むときはガラス板の原稿台が付いたフラットベッドスキャナーや、原稿をローラーで送り込むシートフィードスキャナーを使います。フィルム画面を直接取り込めるフィルムスキャナーでは、手軽に高画質のデジタルフォトを作ることができます。

ほとんどの35mmフィルムスキャナーは、35mmフィルムだけでなくAPSカメラで撮影したカートリッジフィルムからも取り込めるので、「パノラマサイズ」や「Pタイプ」のフィルム画面をそのままスキャンすることができます。しかし、スイングレンズ式35mmパノラマカメラで撮影した「フルサイズパノラマ」の画面サイズは、35mm標準画面サイズの2コマ分に近い大きさがあり、スキャナーの読み取り範囲から外れてしまいます。

この場合、「フルサイズパノラマ」の1画面を半分ずつ2回に分けてスキャンすることになります。2枚の画像を同画質にして後でつなぎやすいよう、1回目スキャンの設定条件(解像度、カラーバランス、トーンカーブなど)を必ずロックしておきます。2回目スキャンは画像濃度などが再設定されないようプリスキャンを外して(AEロック)行います。

MOディスクやハードディスクの保存容量に余裕があれば、マスター画像はできるだけ高解像でスキャンして保存しましょう。しばらく経ってから再スキャンしようと、原画像のフィルムを探すのはたいへんですから。

もちろん、スキャン画像はなるべくフルカラーで高画質のファイル形式に保存します。ポピュラーなJPEGは圧縮率の高いファイル形式ですが、加工と保存を繰り返すと画質が変化するので、マスター画像は最高画質で保存しておいた方が安全です。使用するフォトレタッチ・ソフトの画像形式で保存すれば(PhotoshopではPSDファイル)、画質は変化せず加工データも同時に記録されるので後から再加工する場合に便利です。

35mmフルサイズから中判サイズや4×5判サイズまで取り込めるフィルムスキャナーも市販されているので、中判サイズのパノラマ写真もデジタル化ができます。ただし、このスキャナーはプロ仕様のためちょっと高価です。




 フォトレタッチソフトで仕上げる

スイングレンズ式35mmパノラマカメラで撮影(水平画角130度)
Yellow Leaves In The Rain; Marunouchi, Tokyo
Photoshopはプロ仕様ですが、アマチュアにも使いこなせるすぐれたフォトレタッチソフトです。複数の画像を1画面に合成するパノラマ写真の作成では特にレイヤー機能が使いやすく、画面のつなぎ合わせ時にカラーバランスや明暗の違いなどをきめ細かく補正して、「つなぎ目」を目立たないように処理できます。

ほとんどが一画素ごとの微妙な修正と加工が手作業で必要となるフォトレタッチは、たいへん手間がかかります。焦らず時間をかけて取りかかりましょう。スムーズに作業が進めるように、普段から絵心と色彩感覚を養っておくことも必要ですね。意外と気が付かないのがディスプレイ表面の汚れ。ときどきキレイにしましょう。

画像を扱うフォトレタッチソフトでは作業に多量のメモリーを使うので、増設メモリーはできるだけ大きくします。メモリー容量が不足すると、ハードディスク上の仮想メモリーへ頻繁にアクセスすることになり、快適なスピードは出ません。また、マウスやスライドパッドよりもペン入力タイプのタブレットを使用すると細かい部分のレタッチ作業が楽になります。これは必須アイテムです。




 ノートパソコンで観賞する

スイングレンズ式35mmパノラマカメラで撮影(水平画角130度)
Cherry Framing; Ichigaya, Tokyo
デジタル化したパノラマ写真はもちろんプリンターに出力することもできますが、パソコンのディスプレイで観賞する方が色再現がきれいでベストです。 アルバムに整理した写真を見るような手軽さで観賞するには、ノートパソコンがいちばん向いています。 ノートパソコンの携帯性を活かし、お気に入りのカフェでコーヒーを片手にパノラマ写真を楽しむなんて素敵ですね。

ブラウン管ディスプレイの色表現にはおよびませんが、A4サイズ・ノートパソコンの液晶ディスプレイ画面サイズは13〜15インチで、フルカラー映像が表示できるTFT液晶は動画再生を含めて充分な性能になりました。 液晶ディスプレイは画素がタテヨコに規則正しく並ぶ構造のため画面歪みがなく、映像の相似性はたいへんすぐれています。 最近の液晶ディスプレイは視野角がかなり広くなりましたが、正しい色彩再現の表示にはできるだけ正面から見るようにします。




updated : May 3, 2000
released : March 20, 1997

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