昨夜このメールを書いてから寝て、今朝起きたらテレビのニュースで筑波が映っていてびっくり。
自宅に電話したらこないだと同じぐらいでどうもなかったとか。
おいしいもので胃袋が満たされるとき、生きててよかったと感じるものです。
やはり食べ物のことを思うとき、中国とフランスは外せません。
駅前のよろず屋にボジョレの売れ残りがありました。6.8ユーロと、よろず屋なので結構いい値段がついていて、去年の11月から立ったままたなざらしになっていたやつで、保存状態などおかまいなしです。普通の店では2週間で売り切れているはずです。ちなみにこのクラスだと3〜4ユーロ程度が相場でしょうか。さっき行った大型スーパーマーケットではCote du RhoneのAOC銘柄で6本6ユーロという目玉商品が積んでありました。あんまり買っている人はいませんでしたけど。単に寝酒にするだけなので何でもよかったのですが、今年のボジョレは日本で3本ぐらいはのんだのですが、こんな味だっけ、と思うくらい今飲みつつあるこの売れ残りの方がうまい。
円安ユーロ高と日本のデフレのおかげでかつての割安感がなくなってしまった。昨年のイギリスほどではないにしろ、日本で格安のホテルチェーンが増えている一方で、パリの個別経営のホテルが大手チェーンに買収されて値上がりしている。その分アメリカ風にこぎれいに改装されて英語が通じるようになっているのだが、ぼろホテルで安くあげていた人間にとってはちょっと淋しくなる。懐も。
今回は毎日比較的早く仕事が終わっているので、連日深夜に及んだ前回よりはだいぶ楽です。
それで長文を書き始めました。お暇な方はおつきあいください。
今回は2週間弱で間に週末が一回しかないのですが、それでもがんばって一通りいつものように食べに出かけました。
実はおいしさの極めつけは朝市で、宿泊所には台所も冷蔵庫もないので、何も買わずに見るだけなのですが、十分に食欲をそそります。週貸しの賃貸マンションを借りて、あの食材たちを思う存分食したいところですが、さすがに仕事の出張ではそこまで暇くさいことはできません。筑波では産直の野菜と魚のお世話になっていますが、それにもましておいしそうです。
日曜日は中世博物館をみてきました。展示物がほとんどキリスト教に関するものでキリスト教徒でないのでありがたみがわかりませんでしたが、中世の古い教会の建物を使っているので、建物だけでも見応えがありました。パリには何度も来ていますが、結構その度に観るものが見つかるものです。
バレンタインデーは日本ではチョコレート屋ですが、フランスでは花屋の稼ぎ時で、どの店も早朝から目一杯仕込んで、客を待ったり予約を届けたりしています。
日本にもあるのかもしれませんが、東京の百貨店に長らく行ったことがないので、たぶん知らないだけだと思いますが、パリの百貨店のエスカレーターの脇のガラスの腰板の間に発光ダイオードが挟み込んであり、透明電極で配線してありました。それだけの仕掛けですが、透明な空間に星や模様が点滅するのがきれいでした。
インターネットのおかげで毎日日本の新聞が見られるわけですが、なんだかやたらに殺人事件の記事ばかりが目につきます。日本の治安が悪くなったと言っても、犯罪率は欧米に近づいただけで、まだ大幅に越えるような事態にはなっていないはずですが。昨日発表になった人口統計ではフランス人は6217万人で、279.300人の自然増とさらに10万人の移民を受け入れて膨らんでいますが、それでも相変わらず、日本の半分くらいか。従って殺人事件は日本の半分ぐらいの件数があるはずですが、その割には新聞に載っている件数があまり多くないように感じるのは、みんなの関心がないから記事にしないだけか、それともプライバシーの問題とか、あるいはマフィアが圧力をかけているのか、よく知りません。お茶飲み話に聞いてみようと思ったのですが、殺人という単語にはrが二回入っていて、発音が悪くてうまく通じませんでした。
フランスではパリの人は不親切で冷たくて意地悪とかと言われ、実際日本人がアメリカ人に期待するような愛想の良さは全くありませんが、それでも多少のおせっかいはあります。
1. サンジェルマンの交差点で大きな音がしました。振り返ってみると、誰かが車を中央分離帯にぶつけたらしい。ぶつけた車はバンパーが丸ごと外れて、あたりには安全地帯の表示灯が外れて転がっていました。ぶつけた車はちょっとバックして脱出するとそのまま行ってしまいました。と、一人の青年が、それらの破片を端に寄せて片付けていました。彼はぶつけた車の関係者でもなければ後続の車に乗っていたわけでもなく、ただの通りすがりの歩行者のようでした。
2. 日本食料理店の前で日本人の家族連れが日本語で話しかけていたのですが、中国系とおぼしき店員がフランス語で二階に席が空いているから入れとまくしたてるばかり。何となくその横を通り過ぎてしまいましたが、通訳をしてあげるとか、フランスで日本人がいる日本食料理店はそんなに多くないことを説明してあげるとかしてあげればよかったかと、ちょっと反省。「スンレストラン」とか「すレバー」とか寿司の寿の時が左右逆になった看板を見れば、およそ日本人がいる気はしませんが。
前回も書いたかもしれませんが、おなじことはフランスのイタリア料理店でも言えるそうで、同僚のイタリア人曰くメニューや張り紙にイタリア人なら絶対にやらない誤記があると、イタリア人が一人もいない店だとわかるとか。もっとも、かつてイタリアで国際会議があったときに、ピザがおいしくないとがっかりしている外人に向かってフランス人が、おいしいピザを食べたければフランスに来いと言っていたことがありましたが、たしかに本国では前菜という位置づけでしょうか、チーズとトマトソースだけのシンプルなものがほとんどで、日本人がイメージするソーセージーやらツナやらポテトやらがてんこもりのやつはイタリアでは見かけませんでした。話がだんだん脱線していきますが、そういうわけでフランスに来るとピザも必須メニューの一つです。かつて住んでいた「イタリア門」近くのアパートのそばにできたピザ屋は、職人の腕は良かったのですが、恐ろしく愛想の悪いマダムのせいか、一年前には消滅して、跡地はコンビニにかわっていました。コンビニといっても日本のように夜中や日曜日にやっているわけではありませんが。それで今年は「イタリア広場」あたりを少し歩き回ってみました。地名のせいかピザ屋は何軒も見つかりました。そのうち一番高級そうな店に入ってみました。高級といっても所詮ピザなので、1枚千円程度です。でも赤い布張りのレトロ調の椅子に座って蝶ネクタイの給仕のサービスを受けると、ピザでも何となく高級な感じになります。直径30cmで、これが一人前で、これより大きいのも小さいのも出てきません。いつものお気に入りで、ハムとキノコのいっぱい乗ったやつにしました。以前の店よりちょっと具の量が少ないかな、と思いつつも、やはりフランスのきのこはおいしいです。絶妙な焦げ具合は職人の腕の見せ所。薪の薫りが香ばしい。フランスではちょっと気の利いた店なら大抵薪の窯を使っています。
入るときに冷蔵ケースの中のケーキ(といっても日本のようにスポンジは入っていなくて全部がクリームでできているのですが)が気になっていて、デザートに注文を取りにきたときにおすすめは?と聞いたら、リンゴの焼き菓子が絶対、というので、聞いた手前それにしました。冷凍食品などでもよくあるアップルパイを想像して、全然期待できそうもありませんでしたけど。ところが注文を聞いた職人がピザ生地をちぎって伸ばし始めたのでもしやと思いました。で、登場したのは薪の窯で焼きたてのリンゴのタルトにアイスクリームが乗っかって、カシスソースにカラメルという超豪華版。見た目も味も芸術でした。
3. モンパルナスタワーの下はあの形のせいか、ピル風がすごい。大人3人が楽に入れそうなキャスター付きの巨大なゴミ箱が風に吹かれて坂をおりていきました。どこまで行くんだろうと野次馬根性で見ていると、カーブを曲がりきれずにあえなく転倒。ま、横倒しになっていればそれ以上転がっていくこともないので、けが人が出ることもないだろうと、通り過ぎようとしたら、私と同じ歩道を向かい側から歩いてきたマダムが押しはじめた。さすがにここで見過ごしては男がすたるので、いっしょになって道路の端に片付けた。マダムはメルシーといって去っていったが、別段私が感謝されなければならない立場ではない。しいて言うならゴミ箱はマダムに感謝すべきである。なぜかとってもきれいなゴミ箱で、手は全然汚れませんでした。
4. さて、夜になって帰りの郊外電車の中。なんだか困ったおばあさんがいる様子。最初東洋系の男性が話をしていて、彼がおりたあと、黒人が面倒を見ようとしているのだが、このおばあさん、英語しかできない。で、その黒人が、「誰か英語のできる人いませんか?」。車内の視線が自分に集まってくるのを感じる。たらふく飲んだ勢いもあって、フランス語と英語の通訳をするはめになる。降りる駅がわからなくてもう3回もこの路線を行ったり来たりしていると、結構パニック状態。その行き先の駅というのが、車内の誰に聞いても知らないと言う。そうこうするうちに自分の下車駅になったので、悪いけどここで降りるから、といっておりたら、なんとおばあさんもついてきた。駅員のいる窓口まで連れて行って、ここの駅のお姉さんは英語はできないはずだけど、さすがに駅員なので駅の名前は全部暗記しているのと、私のように外国から来る客がよく利用するせいか、すぐにおばあさんの行き先の駅を言い当てた。少し手前の駅で別路線に乗り換えて2つ目である。そこでやっと気がついた。おばあさんが地名を完全な英語読みしたので、誰にもわからなかったのだ。おばあさんは行き先がわかって安心した様子だったので、一件落着お役御免と思った。はたして逆向きの電車にもう一度乗っておばあさんを目的地まで連れて行くべきだったろうか。不親切で冷たい日本人はそこまで面倒を見ることなく帰途についた。
>ただし、小生はフランス語はちんぷんかんぷんで、仮に行っても
>やっぱりツアーに頼らざるを得ないと思います。
さっきのおばあさんみたいに迷子になると大変ですが、英語ができれば日本の旅行者のツアーに頼らなくても
市内と近郊の主要観光地は何とかなると思います。少し離れた場所へはパリで英語の「はとバス」ツアーを申し込めばよいのです。英語の通じるホテルにはパンフレットがおいてあります。
英語のほうがまだ日本語ほどぼられることはないように思います。
ま、世界一たくさん観光客を集めて産業として稼いでいる国ですから、
できるだけお金を落としていってもらいたいわけで、
彼らにしてみればぼったくりではなくサービスに対して料金をとっているつもりかもしれませんが。
観光ルートから外れないように注意深く行動すれば、英語だけで観光できます。
おばあさんは知人を訪ねるかなにかのために、観光客が絶対に行かない郊外の住宅地の小さな駅で降りようとしたのでしょうね。
銀行のATMも地下鉄の券売機も一番最初の画面で言語を指定するようになっています。
ただし以前から注意しているように日本人が地下鉄の券売機と格闘していると必ずスリに取り囲まれていると思った方がいいです。行き先と枚数を紙に書いて窓口に行った方がまだましのように思います。
>昔パリに行ったときは、エスカルゴ専門店に行きたくて
>タクシーの運ちゃんに何とかレストランまで案内して貰ったけど
>9月中ごろでもまだ夏のバカンスの最中で閉まっていました。
今はインターネットのおかげでずいぶん楽です。
もちろん地元の人に人気の店はネットに広告を出す必要もなく、足で探す以外に方法がないのは
日本と同じですが、ゴーグル検索すればグルメ情報でレストランリストがいくつでも見つかるのも日本と同じです。当然フランス語のサイトの方が充実していて英語のサイトは所詮観光客目当ての店が中心になってしまいますが、フランス語のサイトにしか乗っていない店というのは逆に言えば英語が通じない可能性が高いわけです。
で、英語で書いてある店へ行ってみると外人だらけでフランス人客はほとんどいないというのはよくあるのですが、だからといってそういう店がそんなにひどいかと言うと、そんなこともありません。そこそこのレベルには達していると思います。実際、パリは今ちょうど学校が冬休みの時期で(クリスマス休暇と別に冬休みもある)、小中学生のいる家はみんなスキーに出かけています。大学生も休みです。そんなわけで観光客の多い繁華街で先日食事をしたところは英語のメニューもある店で、周りを見回すと外人だらけでフランス語を話しいている人がいませんでした。
それに比べるとパックツアーが連れて行くところは何十人もが一度に入れるという制約条件もあるのでしょうが、かなりひどいように思います。また観光地で見かける日本人ガイドも政府観光局の免許を持たず、レベル的にも問題のありそうな人が含まれているように思います。ベルサイユなど大きな観光施設では職員である学芸員が英語でガイドをしてくれます。こちらは歴史的背景から美術品の制作技術、修復技法に至るまで高尚な説明をしてくれます。
>ところで、パリってまだジプシーがいっぱいいます?
今朝のニュースでは高架下に住み着く浮浪者対策の様子とか、やっていましたが、
EUになって域内の国境を越えた移動が自由になって、人の流れもいろいろと変わってきているようです。
夜中にユーロトンネルを歩いて渡ってイギリスに不法入国する人が後を絶たないという報道もテレビでやっていましたが、やはりイギリスがそれだけ豊かということでしょうか。
パリには相変わらず乞食がいっぱいいます。地下鉄の中で演説したり、道路で物乞いしたり、地下道にたむろしたりしていますが、一応人畜無害と思っていいでしょう。
問題なのは日本人専門のジプシーの子供スリ集団ですが、日本人観光客が以前ほど目立たなくなったとはいえ、
やはり多額の現金を持ち歩く日本人観光客がいる限り、彼らの仕事もなくならないのでしょう。
とはいっても、財布の中にある程度の現金を持たないとどうも不安なのは日本人の習性のようです。
2005.2