20年前に予約もなしにたまたまこの町に宿泊したとき、 その夜、オペラの公演があったとは知りませんでした。 翌朝、その町の名所という事で古代劇場を見物に行って、 前夜使った大道具を片付けているのを見て、初めてオペラをやっていた事を知りました。 まさに後の祭りでした。
あれから20年、結婚20年でもあり、8月1日の公演を観に、夫婦で出かけました。 世の中便利になったもので、 航空券、宿泊、列車、コンサートのチケット、すべてネット予約、クレジットカード決済で済みました。 もっとも、近くのホテルはすべて満室で、ネット上で探すのに苦労しました。 20年前に予約なしで泊まれたのは、今にして思えば全くの偶然でした。
屋外ですが、肉声と生のオーケストラの音がとても良く聞こえました。 衣装の豪華さはさすがにフランスです。
以前は日本の旅行会社のサイトにも案内があったように思うのですが、 今回は会場でアジア系の観客は全く見かけませんでした。 韓国人なら一人ステージの上にいましたけど。 唯一、翌日の食事のときにパリ在住という日本人夫妻に出会いました。 オペラのチケットがとれなくて、別の日のコンサートを聴きに来たとの事でした。
観客席の両端、1階と2階に数人ずつ、計20人以上の救護班が待機していて、 担架や酸素マスクを用意して演奏中に何度も出動していました。 観客は若者から老人まで幅広く、高齢者もたくさんいたので、 夜9時半開演とはいえ、真夏の屋外で3時間の長丁場は体にこたえた人もいたのでしょう。 そんな老人が何も無理して来なくても、とも思ったのですが、 「では、あなたは何のために生きているのですか」といういつものフランス人の問いが聞こえてくるような気がしました。 隣の席の老夫婦も、本当に楽しそうでした。
2009年8月