印刷所
少年のあとを追ってたどりついた
終焉の地。
もう一つの行き止まり、印刷所。
街の全体が見わたせる窓。
窓の外には鏡があり、
街のながめを映しだしている。
その景色はガラスを通り、いくつかの色に分解される。
その色をインクにおきかえると、街の地図が刷りあがるしくみだ。
無人の工場で、あのガイドブックが印刷されている。
そして、少年はみつからない。
戸はかたく閉ざされ、もはや外へも出られない。
太平門