夢を見させているのはだれか。 だれもが知っていて、 だれにもわからないもの。 どこにでもあって、 どこにも見つけられないもの。
店の明かりがまたたき、 季節はずれの蟋蟀(コオロギ)が ふるえた。
だれもがいつか見た夢のつづきを考え、 夢見管理人のことを考えた。
「夢見管理人も夢を見るのだろうか」
バーが街を半周する時刻。