発明
ホテルに泊まるには、
台帳に署名しなくてはならない。
フロント係を呼ぶ。

「泊まりたいのだが・・・・」
「ご署名をお願いします」
「台帳はどこに?」
「台帳はすでにお客さまの目の前に」
「何もないようだが・・・・」
「私が発明しました台帳です。
このホテル、
そこもここも、
すべては署名のためにあるのですよ。
さあ、どうぞ」

終わらない署名の列。
案内を待つ客であふれるロビー。
さまよえる客。

すべては、ホテルの宿命なのだろう。

 

旅立ち