クロスした光の束が、いく重にもかさなり
目の前を埋めつくしている。
どこから生まれてくるのか、
泡たちが限りなく細かくなっていく先に、
誰からも見つめられなかった場所が広がる。
耳元で聞こえる、ちりちりという音。
海の深い呼吸。
透明のやわらかい塊につつまれる。