読みかけの、少しだけ古くて厚い本。
本の中にも同じような日和の同じような庭が
さり気なく描写されている。
風が吹き、ページがめくられると、
宇宙は本の外と中で簡単に入れかわってしまう。
つい先ほどまで本を読んでいた少女が
今はもういないのは、
そのためだ。