歩くたびに小さな雲のかたまりが
かかとのあたりで舞い上がる。
落ちそうで落ちず、
ぬけそうでぬけない。
あたりは光が乱反射して、
白にもたくさんの色があることを知る。
こうして雲の王国をぐるりとめぐる。
ふと見上げると、
はるか頭上に野原が広がり、
河が銀色の筋になっているのが見える。
天と地のはざまをゆく風をほほに受け、
雲の玉座にそっとこしかけてみる。