階段が踏めない

・僕には今でも踏むことのできない階段が家にある。このような話の常として、小さい頃にさかのぼる。姉はその年頃の女の子によくある、迷信やオカルトなことを好む少女で、僕はその無邪気な心に影響されることが少なくなかった。それは往々にして鏡の中のもう一人の自分であるとか、真夜中十二時を過ぎると廊下を歩く幽霊であるとかそのようなことで、知らないことのあまりに多かった幼い僕の不安さをますます増大させたのである。ある日のこと、姉は家の階段を目の前にして「階段の4段目と9段目を踏むと不幸なことになる」といったのである。いい加減、姉のそのような話は信じなくなってきていたので流石に実行に移すはずもなかった。ところが……

ああつかれた。こーゆー文体はめんどくさいのでやめます。階段をふんだことでなにかおこったかって?おこるわけないでしょう、まったく。でもね、やっぱり姉の顔を立てる意味で(いちいちチェックされるからていうのもあるけど)4段目と9段目はそれ以来飛ばすようになりました。おかげで階段の汚れもも4、9段目はちょっときれいに見える。姉が結婚して家を出た今でも踏んでません。今は半ば習慣としてやっているけど、それとは別に、自分がある制限の下で自分を試すというのも結構気に入っています。すくなくともぼーっと生きて行くよりも少しは身のある生き方ではないかと考えています。それが僕のこだわりの基になっているのかもしれません。自分では全然思っていないけど人によく言われるもので。

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